#ミリオン・ダラー
ミリオン・ダラー
日本にペリーが来航し、横浜が開港された翌年の1860年、横浜の地に日本初のホテル「ヨコハマホテル」が開館された。このホテルにはバーがあり、日本にもカクテル文化が生まれたという。
カクテル文化が根付いたのは、大正期に街場にバーが出来てからだが、それ以前に日本でもいくつかのカクテルが生み出された。ヨコハマホテルのチーフバーテンダーであった、ルイス・エッピンガー氏が創作した「バンブー」は明治期に日本で生まれたカクテルだ。その後、同氏が創作した「ミリオン・ダラー」も含め、日本のカクテル文化に影響を与えた一杯だと言えよう。
そして、「ミリオン・ダラー」は大正期から昭和初期に流行した。耶馬渓を舞台にした小説『恩讐の彼方に』の作者である菊池寛は次のような広告文を作ったという。
ー 酒ならばコクテール、コクテールならばミリオンダラー・コクテール、雑誌ならばわが文藝春秋 ー
日本のカクテル文化が根付いた瞬間だった。
◆プロフィール
黒瀬稜太(くろせ りょうた)
中津市在住。1991年生まれ。「今日もお酒日和」を執筆して1年が経
つ。メディアプラットフォーム「note」にて過去作やその他記事を掲載。
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