月刊バーバリアン2022年11月号

平信

・ここに駐車場あります。

車でラーメン屋に行くと、駐車場を探すのに難儀する事が多い。
当然、店の前にあればいいが、ラーメン屋というのは得てして車の往来が激しい場所や駅前・住宅街に出店されがちだ。
そうなると、立地の関係上少し離れた場所に駐車場を借りざるを得ないだろう。
それは勿論構わないのだが、問題はその駐車場の所在を示す「ここに駐車場あります。」の表示が店頭に貼ってあり、車を停めないと見られない事にある。
ハザードを焚けばいいと思うかもしれないが、ちょっと待って欲しい。
俺は駐車場を探しているくらいだから、その店に行くのは初めてという事になる。
つまりは、正確な店の場所が分からないのだ。
そうなると、左右を見渡してフラフラとしながらハザードを焚く羽目になり、後続車には「何コイツ、ジジイ?若しくは、ババア?」と思われ、最悪クラクションを鳴らされる可能性があるだろう。
そんな日にゃ俺もパニック状態になり、「イヤッ、何処かわかんないのよっ、んもうっ」等と車内でオカm…否、レディボーイよろしく独りごちてしまうのも想像に難くない。

もっと意味がわからないのが、店の中に「ここに駐車場あります。」の張り紙があるパターンだ。
もう、今更そんなん言われても遅い。
だって、もう来ちゃったから。
もう、座ってるし、俺。
注文も、したよ、もう。
えっ、なに、俺、この貼り紙見てこれから車移動すんの?
ないよね、それは。
「あっ駐車場あるんだあ、じゃあ…」とはならないよね、わかるよね、あなたもね。

しかも、経験上、こういったラーメン屋の駐車場は停められる台数が少なく、8割方埋まっている。
この場合の8割方というのは例えば5台中4台埋まっているという訳ではなくて、5回行ったら4回は全部埋まっているという事であって…俺の言いたい事、わかるっしょ!?

でもまあ…美味しければいいかあ。
食べたらもう、あとは帰るだけだし…。
まあ、別にいいよね?

・28歳

28歳になった。
というか、なってた。4月に。
今のところ、一応、皆が許せば来年の4月には29歳になるつもりだ。
それが難しそうなら、甘んじて28歳のままでいようと思っている。

28歳にもなってこんな文章を世間様に向けて書くなんぞ恥ずかしい、と思ったが、同い年の大谷翔平さんと比べたら誰だって恥ずかしい。
ひょっとすると、大谷翔平さんは1ストライクで俺の月収を稼いでいる可能性がある。ともすれば、年収を稼いでいる可能性も大いにありうるだろう。敢えて計算せず、曖昧にしておく。
更には、噂によると相手チームのピッチャーが捨てたであろうゴミを拾って、自身のポケットに入れるらしい。泥棒!?これ!?アメリカ在住の大リーガー大谷翔平さんには関係ねぇかもしれねぇけどよ、日本には遺失物等横領罪つうのがあるんだよ!成田着いた瞬間に逮捕っしょ、これ!

否。自チームのベンチで捨てるのだ。紛うことなき人格者だ。前世でかなり苦労したのだろう。
だが、俺が仮に相手ピッチャーだとしたら「当てつけかよ!コイツ!直接ゆってくれればいいぢゃん!なんか、陰湿ぢゃない!?」と思い、大谷翔平さんを少し嫌いになってしまうかもしれない。善行に思える事でも、見えない所でそれによって困っている人がいる可能性がある事を忘れてはならない。自分が悪いのは分かってるんだよ、でも、でもさあ...。

俺に関して言うと、道端のゴミは愚か、社内に落ちているゴミすら拾わない人間だ。誰かが捨てるか、風のイタズラで見えない所に飛んでいくのを祈るくらいである。これでは俺があまりにも不憫だ。大谷翔平様にはせめてマウンドに唾の一滴や二滴くらいは吐き捨てていて欲しい所存である。

・コロッケ

コロッケがあまり好きではない。
食べる必要性を感じないのだ。
ただ、最初に断っておくが、嫌いな訳でもない。
例えば、数人でミックスフライ定食を頼んだとして、俺の皿にだけコロッケが乗っていなかったら怒髪天を衝き、烈火の如く怒り出すであろう事は我ながら想像に難くない。そのくらいの感覚である。(実際は「あの〜…すみません、これ多分、コロッケ?かなこれ多分…無いですよね?」と店員に言う程度だと思われる。)

コロッケは揚げ物の中でも最下層だと思う。無論、かぼちゃコロッケや野菜コロッケも然りだ。
コーンコロッケに至っては、文字通り噴飯ものである。コーンなもの食えるか!(まあ出された以上食べるけど…。)
トンカツや海老フライはおろか、比較的下層に位置するメンチにも勝てないだろう。(これは俺の中での勝手な格付だが、皆さんの感覚との乖離がそう大きくはない事を願うばかりである。)

こうやってコロッケ批判をすると、大概「でも、揚げたてだと美味しいでしょう?」と聞いてくる奴らがいる。
それはもう、極論だろう。
美味しいに決まっている。聞くだけ野暮ってものだ。
更には「揚げたてのコロッケと冷めたメンチだったらどっち?」等と聞いてくる輩にも会った事がある。
そんなの、卑怯だろう。
万全の状態の俺(揚げたてのコロッケ)と両足を怪我しているウサイン・ボルト(冷めたメンチ)を100m走で競わせるようなものだ。
五分五分か、体調によっては6:4で俺(揚げたてのコロッケ)が勝つだろう。あまりにボルト(冷めたメンチ)側の分が悪いと言わざるを得ない。

・短歌

ブランカと カサブランカは 似てるけど 関係ないよ 意外なことに

えっなんで なんでもういるの 何時起き? 意味あるのそれ 意味ないでしょそれ


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