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noteで面白かった話

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noteの中で良いなあと思った作品をまとめます。
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#恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる

恋に落ちた日

恋に落ちた日

それはまだ、恋になる前のこと。

明日は月に一度の店長会があるから、いつもより朝が早い。早いところまとめて寝ようと考えながら、施作と数字を追って報告書をまとめていた、そんな木曜日の夜。

先日、たまたま共通の知り合いを介して出会った彼から連絡が入った。

「今何してる?ちょっと会えない?」

その時すでに22時を過ぎていて、私は明日のことを考え断った。また会いたいなとは思っていたけれど、恋い焦がれ

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林伸次さんの小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』全文公開記念「#ファーストデートの思い出」を募集!

林伸次さんの小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』全文公開記念「#ファーストデートの思い出」を募集!

いつもnoteをご利用いただき、ありがとうございます。

noteでもおなじみの、林伸次さんのはじめての小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』(幻冬舎)。

燃え上がる恋が次第に冷め、恋の秋がやってきたと嘆く女性。1年間だけと決めた不倫の恋。バーテンダーを前にして滔々と「恋」を話し出す人々。やがて薄れるように、消えるように、終わっていってしまったいくつもの恋を記憶する、切ない恋愛小

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「恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。」【読書録 2018/10/14】

買っておいてずっと読みたかった、林伸次さんの小説。知人のnoteで書かれていてこの方を知り、その文章が好みでnoteなどを拝読している。

タイトルも、心惹かれるもので、試し読みした内容も、いいなと思うもので、楽しみにしていた。
そして、その楽しみ分の期待は満たされたなぁという感じ。

どの話も、なんかわかるなぁその気持ち!と思えるし、一緒にせつなくなったり嬉しくなったりする。
せつない話も、ha

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小説家はbarにいる①(bar bossa・林伸次さんインタビュー)

小説家はbarにいる①(bar bossa・林伸次さんインタビュー)

渋谷の喧騒から、少し離れたところに佇む「bar bossa」。

マスターの林伸次さんが、初の小説を出版されました。
「恋はいつもなにげなく始まって、なにげなく終わる。」という印象的なタイトルの本です。

数年前から林さんの文章を読んでいた私は、この本について、そして林さんについて訊いてみたいことがたくさんありました。
今回、林さんのご厚意で、インタビューが実現しました。2万字のインタビューから、

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開店前のバーで、バーテンダー作家と恋について話してきた。(後編)

開店前のバーで、バーテンダー作家と恋について話してきた。(後編)

自主連載「20代の恋を、平成最後の夏に置いていく」の特別編として、エッセイストでバー店主の林伸次さんと対談してきました。

林さんの著書「恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。」で繰り広げられるラブストーリーをもとに、恋愛についてのアレコレを語ります。

話し込みすぎて盛りだくさんな対談になったので、前編と後編にわけました。後半では、妄想と現実でゆれる女心について、考察をします。(前編は、

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開店前のバーで、バーテンダー作家と恋について話してきた。(前編)

開店前のバーで、バーテンダー作家と恋について話してきた。(前編)

どうしても忘れたくない恋を、人はバーテンダーに話してしまうーーー。

ふらっと立ち寄った書店で、平積みになった本の帯に書かれていた言葉。
たしかに、そうかもしれないなぁと、立ち止まる。

「恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。」

わたしは、その本を手に取った。
著者は、エッセイストとバー店主の林伸次さん。彼が書く、初の恋愛小説。

小説は、21作のショートストーリーで構成されている。

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「もてなしたい誰かと生きる」という贅沢

「もてなしたい誰かと生きる」という贅沢

幸せってなんだろうなあ、と一週間に一度は考える。

物足りなく過ぎていく土曜日の深夜だったり、疲れ果てた金曜日だったり、寝坊した月曜の朝だったり、タイミングはいろいろだ。

8月1週目に私の誕生日があって、何日間に渡って、優しい友人たちがお祝いをしてくれた。

私の(そしてたぶん、私を!でもある)愛するその人達は、みんな「あなたのお誕生日をお祝いできて、嬉しいなあ」と言っていた。私はあんまりわから

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❝渋谷 bar bossa❞経営&作家の林伸次さんにお聞きしました

❝渋谷 bar bossa❞経営&作家の林伸次さんにお聞きしました

先日、渋谷のbar bossaにて、林伸次さんに『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』についての取材をさせていただきました。

先日林さんがnoteで、「学生の方とかインタビュー初めてという方でも歓迎」と書いていらっしゃったので、素人の私も思い切って応募してみました。

林さんはとても気さくで明るく優しく、とても話しやすい方でした。

ですが私は、好きな人・尊敬している人を前にすると、

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ふられたほうが楽なのは知っている

ふられたほうが楽なのは知っている

先日も書いたのですが、林伸次さんの「恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。」がすごくいいんです。

私は単行本で読みましたが、cakesでも一話ずつ公開しています。


特にこの話「この恋がうまくいかないことは私がいちばんわかっている」が好き。

この小説は、バーに来たお客様がマスターに自分の恋のことを語る物語です。

ふと思いついてしまったんですが、舞台をバーから山小屋にして、マスター

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バーのマスターに語られる恋

バーのマスターに語られる恋

林伸次さんの「恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。」を読む。

プロローグ、21話のショートストーリー、エピローグからなる連作短編集だ。

物語の語り手である「私」はひとりでバーを営むマスター。バーにやってくるさまざまなお客様の恋の話に耳を傾け、ときにはささやかに祝福し、ときにはささやかに励ます。

21人の、21通りの恋が描かれている。最終話だけ、お客様ではなくマスター自身の昔の恋の話

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