ながちろ

出版社勤務を経て文筆編集弾語デザイン装丁WEBとウロウロしているうちに自分が何屋なのか…

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出版社勤務を経て文筆編集弾語デザイン装丁WEBとウロウロしているうちに自分が何屋なのかわからなくなっております。著書ぼちぼち。詳細は http://www5a.biglobe.ne.jp/~banric/ まで。Twitterは@Banric

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#101 101回目の風呂坊主

 101回目である。ここで殊勝にも読者の皆さんへの愛読御礼など申し述べれば真っ当であろうのは承知しているが、たまにイイネを付けてくれるひとがあって見に行けばどうみても自分の記事への誘導目的のことが多く、すっかりすれっからしになってしまうとあんまり感謝の念が湧かんのであった――というようなこともなるべく書かないようにして表面上はニコニコとしているのが(腐っても)人気商売の常であるというのはやはり重々承知しているつもりだが、それを真っ当な態度だと規定するとどうしても破ってみんな開

    • えねーちけーアーカイブス #137 あるいは猿でいっぱいの浜

       ながちろのオンライン作品を掘り出して再利用しようというNHKアーカイブス。第137回は「あるいは猿でいっぱいの浜」。  ニセ旅行記だ。久々に読んだけど自分でも面白く書けている。  一人称と三人称の問題があって、何も制約をかけなければ一人称が一番描きやすいのであった。肉眼で見たものに脳のバグを乗せて文章化していくスタイル。つまり「現象を追う」――ほら、文章化すると、いかにも怠惰でございましょ? こうすると惰性でも出来る。1000字くらいならばいくらでも書ける。  これが三人

      • #152 むち…むちィ……

         近所のお寺さんに法然展のチケットをいただいたので行くこととなった。  国立博物館の前がすごい人だかりなのでヴォーすげーと思ったら修学旅行の団体さんとツワーの外国人さんの群れだったりするのでびっくりしちゃう。あとでわかったことだが、博物館から向かって右のなんにもなかったところがバスツワー用のターミナルとして整備されていて、この辺に人が溜まるのも必定といえるのであった。まぁアンタずいぶん綺麗にならはって。バスターミナルにかける言葉やないでぇジイチャン!  あたくしもずいぶん国

        • 特にオチもなくカラス #01

          【近況を六〇〇字程度で、とのこと】  そういうシーズンであるのでカラスがナーバスになっている。  先日も「カラスが子作りをしているので頭上にご注意ください」という張り紙を見かけたが、張り紙の下でなんらかの鳥のヒナが息絶えている。カラスかもしれない。カラスではないのかもしれない。  なんとなく「おしめえだー!」などと思い思わず頭上を警戒する。  思い思わず、とは。  という経験に前後して以下のようなツイートを見かけ、  ボノボでこうなのだからカラスなんかなおのことすぐに自

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          えねーちけーアーカイブス #136 七日香奠

           ながちろのオンライン作品を掘り出して再利用しようというNHKアーカイブス。第136回は「七日香奠」。  えー、最近見なくなった車両にバキュームカーと霊柩車があるのですが、バキュームカーはここ数年内に吉祥寺駅の前で見たことがある。霊柩車見なくなりましたね。法が変わったのではないかというくらい見なくなった。  しかし、この作品を書こうと思った動機のようなものが思い出せない。エピソードのひとつ一つを見ると、いろいろな人の実話をぺたぺたと切り貼りしてあるのが(書いた本人だから)

          えねーちけーアーカイブス #136 七日香奠

          #151 赤飯炊

           炊赤飯だと漢文っぽいし赤飯炊だと季語っぽいなと思ったのでこちら。季語ではねえけどな!  というわけで娘の誕生日であったので赤飯を炊くことにした。本人からリクエストがあったのもあるが、そういえば実家では「人の誕生日には赤飯を炊く」という風習があったのである。  はたしてスーパーに買いに行くと「もち米1kg」というものに加え、そのものズバリ「お赤飯の豆」という製品名でささげが売ってござる。で、まぁこういう製品は当然もち米1kgに対応しているものと思われるので、身も知らぬ人の善

          #151 赤飯炊

          えねーちけーアーカイブス #135 あおとみどり

           ながちろのオンライン作品を掘り出して再利用しようというNHKアーカイブス。第135回は「あおとみどり」。  上下編。  やろうとしていることはわかる。小説を書こうとしていた。キャラクターがあって、相反して、ドラマが出来る、と、その一連の流れをやっていたら6,000字くらいになった、と、そういうことなんであった。  それ以上のことがない、というのが課題である。なにかここでちょっとひとを感動させたり、唸らせたりというところに作為せねばならない。が、その作為ぶりが逆に目障りだか

          えねーちけーアーカイブス #135 あおとみどり

          #150 ITA-ZURAとその周辺

           まあたいへん! 新しい本が出たけど告知を忘れていたので販売を促進せねばなりません。  みんな大好き宇田川先生の戯曲文庫が3月31日に発売となりました。当方は装丁と解説を担当いたしました。装丁と担当、というのをあらま器用だこと、と捉えるか、狭いところでやってんだにぇ、と捉えるかはお任せいたします。  ひょっとするとディック・ブルーナみたいな感じの質感になるといいなぁと思ったんですが、ディック・ブルーナの絵本はかなり特殊なインクを使っていると聞いたことがある。ので、あんまり鮮

          #150 ITA-ZURAとその周辺

          えねーちけーアーカイブス #134 かたつむりの調理法

           ながちろのオンライン作品を掘り出して再利用しようというNHKアーカイブス。第134回は「かたつむりの調理法」。  「だれががんもどきの製造法を訊いているんだ」というのは落語「寝床」の好きなくすぐりでございますが、かたつむりの調理法というとアタゴオルで、ヒデヨシくんが小気味よくシュッポシュッポと生で食べているのを見て「おいしそうだなあ」と思ったクチです。本文にもあるとおり、とんでもないことになるわけですが。目黒寄生虫館のかたつむりを知っているかい。下手に危険性を説くよりもあ

          えねーちけーアーカイブス #134 かたつむりの調理法

          #149 本を読む姿勢考

           黄金週間いかがおすごしでしょーか。こちとら家のものがみんなへんな咳をしているので蟄居でございますですよ! いいんだよ暑いし。人間いたるところに人間あり、どこに行っても人だらけだし! クソっ、ニンゲンめ……  というわけで本を読むしかないのですが、定期的に「どういう姿勢であれば一番長いあいだ本を読めるのか」という問題は浮上してまいりますな。で、例のように検索森田すると、インターネット氏は「本なんぞそんなに長い間読むものじゃない」とか、「疲れたら休め」とか、「そもそも動物に二

          #149 本を読む姿勢考

          えねーちけーアーカイブス #133 茅で満ちる

           ながちろのオンライン作品を掘り出して再利用しようというNHKアーカイブス。第133回は「茅で満ちる」。  高校演劇で妊娠モノは出来ないのか? 出来るわけねえだろ! というやり取りをした翌週あたりに全国大会をEテレで放送する番組があって、そこでは島根だか鳥取だかの高校が望まぬ妊娠を題材にしており、「できるぢゃねえか!」となったということがありました。  実際に起きている現象を題材にしてもいい(むしろするべき! という風潮がある)とは思うのですが、あんまり実際と創作が近い距離

          えねーちけーアーカイブス #133 茅で満ちる

          #148 世間様考1:いつもぬこぬこ現金払い

           当noteもぼちぼち150回を迎えようとしている。あいかわらず売れ線に阿党うこともなく、アタシも好きにやってるから惚れなば惚れろというスタンスでおるのでプレビューが増えることもバズることもなく続いている。別にnoteに限った話ではない。  こういう家賃も払わんと長居する店子を不憫に思ったのか、ただ単に鬱陶しいのか、時たまnoteから「有料記事を書いてはいかがか」という達しが来る。来るが、きたところで売るものがない。で、そもそもどんな記事を書いたら売れるの、と世間をちょっと

          #148 世間様考1:いつもぬこぬこ現金払い

          えねーちけーアーカイブス #132 金星

           ながちろのオンライン作品を掘り出して再利用しようというNHKアーカイブス。第132回は「金星」。  日曜日は市場へ出かけ「意図」と「朝」を買ってくる。ここが全てで、「一週間」に対する理解の歪みであり、その歪みを全体に押し広げて整合性をとっていくと世界がひっくり返る。  と、この小説の作り方を30年やってきたんだなあという作品でございました。こういう作品は作っているのが楽しいのである。  宮崎駿・押井守・高畑勲について鈴木敏夫が語る非常に面白い記事があって、 ちょいと引

          えねーちけーアーカイブス #132 金星

          #147 大往生

           とうとうプリンタがあかんくなった。型番を見ると2006年の製品とあるから18年使い込んだ。2006年というと、出版社をよして編集プロダクションの嘱託(というか食客というか)をやっていたころだ。当時は文学フリマなんかに出たり落語のチラシを作り始めたころだったり、「全部自宅で作れたらコストが掛かりませんなあアッハッハ」と陽気にA3まで印刷できるモデルを買ったのであった。当時で55,000円くらいだったっけ。  が、結局ほとんどA3の紙はプリントアウトしていない。そもそも自宅です

          #147 大往生

          えねーちけーアーカイブス #131 ハミルトンの鯨

           ながちろのオンライン作品を掘り出して再利用しようというNHKアーカイブス。第131回は「ハミルトンの鯨」。  今回長いんですよ。  思い入れの強い作品(であった)。うすぐらい、水の溜まった地下牢の入口に女の子が座り込んで虚空を見つめている。かび臭い虚空、闇の向こうからは空想上の鯨が泳いできて、いや、泳いでいくるのをじっと待っているのか。  と、こういった具合のイメージが20代くらいからあって、いつか作品化しよう、作品化しようと思っているうちに30代になり、40手前、「

          えねーちけーアーカイブス #131 ハミルトンの鯨

          #146 内肉外骨

           ちょっと前のアーカイブス「桜を見る会」(#128)を出して諷刺がどうこう云うとったころに、近所の入ったこともない画集専門みたいな古本屋の店先に「ユリイカ1993年9月号『特集・宮武外骨』」なんぞ置いてありまして、びっくりして買ったわけですが、久々に読むと面白いね外骨。で、読んでいて思い出したり考えたりしたことを書く。  昔はもっと頑張って文芸批評もやっていたのですが、ズボラゆえ止め――止めた話はええわ、この宮武外骨についての作文がかつてはどっかの文学賞の二次選考まで通った

          #146 内肉外骨