東京大賞典

東京大賞典、終わってみればウシュバテソーロの完勝だった。

レースとしては、ウィルソンテソーロが見事だった。前走、出遅れからの大外強襲で穴を開けた同馬が、今度は抜群のスタートから臨機応変にハナを奪い、レースを支配して道中しっかりペースを落として足を溜めて、最後まで粘り切る。

それを、例によって(ほぼ)道中最後方の追走から差し切ってしまうのだから、やはりウシュバテソーロはすごい馬のまま、戻ってきてくれたわけだ。

事前の雰囲気としては、ドバイWC馬ウシュバテソーロと、南関東の怪物ミックファイアとの対決に注目が集まっていたが、双方ともに私は不安を拭えなかった。

ウシュバテソーロは、海外で連勝が止まり、そこからあまり間を開けない中での帰国初戦。スケジュールが詰まりすぎている気がした。

そして、そもそもダート転向が遅かった馬である。ドバイを制し、休養を経た後の始動戦、日本テレビ盃。結果としては文句なしの快勝なのだが、言うてもJpn2である。勝って当然と思われるレースで、まあ危なげなく勝った「だけ」でもあり、前の冬に彗星のように現れ、そのままドバイWCまで制してしまった煌めきを維持できているのかどうか、確信できなかったのである。

つまり、ドバイがキャリアのピークで、そこから下がってきているところを私たちは見ているんじゃないかと言う不安があったのだ。

対するミックファイアは、スーパーダートダービーをまさにものすごく強いねじ伏せるような競馬で制したのだが、その後の盛岡遠征、ダービーグランプリでは「あれっ?」と言う感じだった。形としては横綱相撲で勝ったのだが、「怪物」と言うほどの圧倒的な能力差は感じられなかったのである。厩舎のSNSアカウントを見てみると、輸送で大幅に馬体を減らしていたらしい。最終的な数値的にはマイナス3キロに過ぎないが、これまで南関東三冠を体重を微増させつつ戦ってきた馬が、前哨戦の意味もある盛岡で体重減。厩舎のコメントも「よく頑張ったね!」的な馬体を気遣うもので、まさかまさか、輸送が弱点だったわけだ。

その後、チャンピオンズカップ東京大賞典の両睨みと報じられていたが、結局、より日程の開く形となる東京大賞典参戦となった。強い状態に戻せているだろうかと言う不安があった。

まあ、不安と言い出すと、チャンピオンズカップでともに好走を見せたウィルソンテソーロとドゥラエレーデだって、激走の反動がないか不安だったんだが。

結果、ウィルソンテソーロとドゥラエレーデは激走の反動など感じさせない見事な競馬で2着3着。ドゥラエレーデ、ダートに限ると、1-1-2-0の成績である。しかもどれも重賞、2つはG1なわけで、方向性がわからないと言われ続けた同馬の適性がようやくわかった気がする。これでまた春に大阪杯とか出てきたら笑うしかないが。

対して、ミックファイアはスタートで立ち上がりかけに見えた上に大きくよれて(真横のウィルソンテソーロの好スタートとは対照的だったし、また、横にそんな状態のミックファイアがいたのに、よく冷静に対処してそのままハナをとったものだ)、好位を確保できずそのまま馬群に沈み、結果、ブービーである。

焦って川崎記念とかかしわ記念とか狙わずに、じっくり立て直して帝王賞あたりで復活を期してほしいが、さて、どうなるか。

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