外郭団体ってなに?

外郭団体という言葉があります。あまり聞かない言葉かもしれませんが、「天下り先に〇〇の外郭団体が〜」というニュースで聞いたことがあるかもしれません。
自分の市町村で、公益財団法人と言った名前を見かけたことはないでしょうか?
全部ではないですが、こうした法人が外郭団体となっていることが多いです。

外郭団体の定義

外郭団体とは、国や地方公共団体の外の組織でありながら、様々な援助を受けている、行政の補完的な役割を持つ団体です。

要するに半官半民の団体だということです。そのため、外郭団体は各自治体によって若干定義が違います。

例えば堺市では

本市が資本金、基本金その他これらに準ずるものの4分の1以上を出資している法人(本市が設立した地方独立行政法人を除く)及び市政運営と密接な関係がある法人

と定義されています。
定義によっては法人でなくても外郭団体とすることもできます。

天下りの温床と言われる所以は、自治体が外郭団体を立ち上げ、そこに定年退職した公務員の就職を斡旋していたからですね。

外郭団体の立ち位置

1970年代以降に行政改革で、行政組織を小さくしつつ、行政に対するニーズに対応しようと作られていきました。
特に、行政の作った建物の運営は、2003年に施行された指定管理者制度ができるまで、行政と外郭団体しか運営できなかったので、外郭団体が活躍していきました。

1970年代以降というのは一貫して新自由主義という考えが強くなっていく時代です。
新自由主義というのは、市場原理を重視して、行政の介入は最低限にしようという考えを持っていたので、民間の力を重視した政策が多くできました。

政治的には行政システムの民営化という立ち位置にいます。
そのため外郭団体の立ち位置を図にするとこうなります。

行政が行わないといけない領域と民間の領域があるとして、重なる部分が、行政が民営化したい領域です。
外郭団体は準公務員的な扱いなので、行政よりの重なる部分に位置しています。

逆にNPOなどは、民間ですが公的な側面を持ち行政の領域で活動することもあります。
以前記事にした指定管理者制度がまさにこれですね。
https://note.com/banbirokon/n/nee8301dfee3b

1998年に制定されたNPO法で公的な活動をする民間の法人が設立したことや、2003年に指定管理者制度が取り入れられたことで、外郭団体は微妙な立ち位置になってきています。

自治体によっては財政の健全化を図って、外郭団体の統廃合も始まっています。

まとめ

外郭団体は、民間の力を活用し、行政をスリム化させようと、1970年代以降に進められてきましたが、天下りの温床にもなってしまいました。
しかし、財政の健全化を狙いつつ、行政のニーズを果たすには一定の意義があったのかもしれません。
最近はより財政の健全化を図り、外郭団体を統廃合をする自治体もでてきているので、外郭団体にも独自のノウハウが求められてくるかもしれません。




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