見出し画像

7. コールのエクササイズ集


コールの練習のポイント

このエクササイズ集の最初のポイントはあえて循環呼吸をしないということです。Ex 1~3までは循環呼吸なしで、テンポをキープしながらただ単にしゃべることで音が鳴るということに終始すると、すごく小さなパワーでイダキが反応してくれることを体感できます。

まずドローンを鳴らして、それからコールを鳴らすのではなく、最初からコールだけを鳴らしていることもポイントです。ドローンの鳴らしやすさを主軸に感覚を整えるのではなく、コールを鳴らす感覚をベースに演奏感を構築していくのが、この練習パターンの主眼です。

Ex 4~5は循環呼吸しながらトライしてみてください。もしここで苦しくなるようでしたら吸い方に原因があります。もう一度循環呼吸をやめてEx1~3を練習してみて、苦しくない息の吸い方を工夫してみましょう。

この録音に使用している楽器はOne Didjeriduのイダキタイプです。One Didjeriduを作って、同じ楽器で鳴らしてみたら自分の音との違いがわかりやすくなるのでおすすめです。

[One Didjeridu - イダキタイプ]エリック・クラプトンが使ってたのと同じテレキャスを購入して同じエフェクターとアンプを用意してクラプトン・サウンドを探求することはできますが、1本づつが違うディジュリドゥの場合はそれがむずかしい。One Didjeriduを作れば同じ音、同じ演奏感でトライすることができますよ。分解して洗えるのも、運びやすいのも便利です。

ヘッダー画像のBrolga(豪州鶴)の鳴き声のような、かん高く突き抜けるようなクリアさで鳴るコールを目指して見てください。

Ex 1. カットしながら単発のコール

Karra・ Karra・ Karra・ Karra・
「・」は休符。ゆったりしたBPM90のテンポでコールの「Karra」と休符「・」を繰り返す。ここではあえてカットした後にしっかり間を取ることを大事にしてみてください。この休符の間に無意識的に息を吸っていることを感じれれば、スムーズな循環呼吸の入り口になります。

Ex 2. 連続的なコール

KarraKarra・・ KarraKarra・・ 
BPM90の4拍子で「カラ(1)、カラ(2)、ン(3)、ン(4)」と4拍周期の前半2回はコールを連続して鳴らします。1発目と2発目のツブがそろうように鳴らした時、コールに必要な舌の動きは自然にわかります。

Ex3. 長くのばしたコール

KarraKarra- - KarraKarra- -
BPM120の3拍子で「カラ(1)、カラ(2)、ー(3)」と2発目のコールは2拍分使ってのばします。ここでも循環呼吸はしません。3拍目の表拍で声をとめて、裏拍に間を作ります。最初かなりゆっくり目にやって、徐々にスピードをあげていく過程で勝手に循環呼吸がつながる、程度の感覚でやる。長くのばしたコールを鳴らす時にシャウトしてると、かなり疲れるので苦しくない楽なやり方をチョイスするように意識します。

Ex4. 短いコールと長いドローンの組み合わせ

KarraDerrei- - -rro KarraDerrei- - -rro
コールが裏拍に入った2ビートでの演奏です。DerreiのDeにクラップスティックが入ります。BPM60くらいのゆったりとしたテンポでトライしてみてください。この練習はコールからスタートするのがポイントです。最初は循環呼吸しない状態からスタートする。1オクターブ上の裏声からハミングのトーンに戻すだけ、というパワー感に変化のないように鳴らすと本当にライクトーキングな演奏ができます。

Ex5. コールとドローンを1対1で鳴らす

KarraDerre KarraDerre KarraDerre KarraDerre 
単純ですが、これをスムーズに楽にあらゆるテンポで鳴らすことができれば、コールの感覚はほぼ完成しています。BPM120で安定してできればいい感じにコールができています。苦しくなるようなら循環呼吸で息を吸いすぎているので、循環呼吸せずにストップしながら練習してみましょう。この練習ではひたすら楽に鳴らせるかどうかにフォーカスしてみて下さい。

Ex6. コールを多用したパターン例

Yothu Yindiの1stアルバム「Homeland Movement」収録の名曲「Gudurrku」的なアプローチで演奏してみました。前半はEx4.の「Karra Derrei---rro」をベースにした即興。後半はEx5.でやった「Karra Derre」を連続的に演奏しています。

Ex 4とEx 5が苦しくなく楽にできて、長く続けていて疲れないなら、あなたの鳴らしているコールの精度はかなり高くなっていると思います。良いコールの3条件を参照しながらいろいろ試してみてください。コールが楽に鳴らせると、ディジュリドゥ演奏の自由度が高まり、即興性の高い演奏が可能になっていきます。


コールを中心に練習するメリット

ディジュリドゥの演奏を習得していくプロセスは、一般的にドローン・コール・トゥーツ→循環呼吸っていう感じの人が多い気がします。ぼくが人に教える時は、循環呼吸なしでコール→ドローン→循環呼吸→トゥーツっていう順番がファスト・トラックだと感じています。

コールは感覚として声100%で鳴らしてることを実感できるので、コールを中心にディジュリドゥの演奏感覚を積み上げていくっていうのがロジカルにシンプルに理解しやすいです。

ご質問・お問い合わせはコメント欄にご記入いただければ、時間がかかるかもしれませんができるだけお答えしたいと考えています。

最後まで読んでいただきありがとうございました!みなさんが無料でできる「スキ」や「シェア」、noteは無料で登録できますので「フォロー」をしていただければうれしいです。 あなたの「スキ」、「シェア」、「フォロー」が、ぼくがnoteで文章を書いていく力になります。