セブンイレブンの決済端末

※この記事はセブンイレブンを「セブン」と略すかた向けに書かれています。

お客がタッチパネルで操作して、現金の場合はお金も入れる、まるで駅の券売機みたいな端末。
僕はよく操作を忘れて、「カードで」と店員さんに言うと、「クレジットカードのボタンをタッチお願いします」と言われてしまう。
何度か行ったセブンは間違えることが少ないが、なぜか出先で初めて行くセブンは間違えてしまう。
どこのセブンでも同じ端末のはずなのに心構えができていないんだろうか。

端末の導入には
・肉まんを持ってくる間にお客が決済をできる。
・店員の聞き間違いによる決済の選択ミスを防げる。
・お釣りの計算ミスや店員のちょろまかしを防げる。
といったメリットがあるように思えるし、僕自身はセルフレジも使いたい派なので、導入に否定はしない。
ただ、不満が2つある。

ひとつ目は、自分が支払い方法を選択して、支払った時に、手持ち無沙汰になっている店員さんとの空気感がなんともいたたまれないのだ。
お金のやり取りをする瞬間は、言うまでもなく、契約成立の瞬間だ。小売にとって一番大切な場面といっても過言ではない。
そこを機械に任せて、人間はバーコードの読み取りや袋詰めといった雑用をしているように見える。
ファナックの人と話した時に、「人間がお膳立てしないといけない機械は作りたくない」と聞いたことがある。
例えば、饅頭を焼く機械があったとして、機械がうまく焼けるように人間がひとつひとつ向きをそろえてセットしていく。こういうのは機械と人間に主従関係に近いものがあり、いけない。
人間がセットするのではなく、機械が自ら饅頭を取りに行き自分に合うようにセットする。これがファナックの哲学らしい。
今回の決済端末は人間がお膳立てをしてないだろうか。「セミセルフ」という形態が中途半端すぎるのだと思う。

二つ目は機械のUIだ。レジに商品を置く際、僕はいつも商品の前に立つ。店員がバーコード読み取っている最中に財布を出す。
左手に財布を持ち右手でカードを取り出す。
そして決済端末をタッチするのだが、端末はなぜか左側にあるのだ。
この時左手は財布を持っているので、右手で操作したい。そのためには左に1歩移動しないといけない。これが非常に使いにくい。
そもそも商品の前に立つ僕はタッチパネルが視野に入らないこともある。これこそが操作を忘れてしまう原因だと思う。
店員からしたら右手にレジがあるので便利だと思うが、客からしたら不便だ。右手に本体とは別で小型画面があればいいのに。

さらに、自分はタッチ機能付きのクレジットカードを使うが、セブンイレブンだけタッチ後の決済音が遅い。カードを端末から離してから音がするまで2秒くらいかかるため、読み取れているのか、読み取れていないのかが分からない。不安になって2度目のタッチをしたことも何回もある。

きっとUIデザイナーがいけてないか、店の導入コストの制約で、中途半端な仕様になってしまったのだと思う。(おそらく後者と思う)

店員に間違いや操作忘れを指摘されると、毎回負い目を感じて心に小さな負債がたまる。今回のセブンの端末となるや利用者の数は相当なもので、毎日相当量の負の感情を生み出しているものと思う。
お役所のわかりにくい申請書と一緒で、間違えてしまうユーザーに罪はない。
プロダクトを作るものとして、社会に与える影響を感じざるを得ない。

セブンイレブンの品揃えは好きなので、地道な改善をぜひとも頑張ってもらいたい。

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