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北に逃げろ

行き詰まった時、たまに会社をサボって逃げる時がある。
自分は気を吐いて頑張ってるけど、周りの人達が足を引っ張ってどうにもならないときや根回しや雑務ばかりで本来の業務に集中できないとき・・・等々。

大学の研究室の恩師は、
修士論文で行き詰まり鬱になったり、時には自殺してしまう学生がいるので、
「辛くなったら北に逃げろ」とよく言っていた。
冬の論文執筆の時期、北に逃げて東北の雪や荒れ狂う日本海などを見たら、
自然の厳しさを感じて自分の心が少し軽くなるというのだ。
自分の悩みなど、とるに足らないと思うのか、単に寒さで家に戻りたくなるのか、辛い作業から一時的に離れることで休まるのか、そのロジックは不明だが・・・

ということで、山中湖まで来てみた。
雪も殆どなくもちろん荒波もないが、寒風吹きすさぶ気温0℃の中、水面を見ていると心が洗われる気がする。

遠くの岸辺で白鳥が優雅に泳ぐ。
近くに寄って行って見ると、白鳥が水面に足を出した。思いのほか黒くて醜い。
どんなに輝いて見える人でも、見えないところでは悩んだり、もがいたりしているのか、などと想像をめぐらす。

色々と仕事に苦難はつきものだが、病まずに済んできたのは、時々逃げてこられたからだと思う。

来週からまた少し頑張ってみるか。

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