見出し画像

団欒【十行詩】

食べきれないものを並べた
わたしたちの食卓は低く、真四角のこたつだった
静かな入江のような天板は
口にするもので溢れかえった

這いまわる視線にフォークが突き立てられると
水がこぼれた
器用に皿を避けて広がるそれを
すくいとるのはわたしの役目だった

醤油さしを取ってほしかった
できればわさびのチューブも、一緒に






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?