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急変時・トラブル対応 3)透析中の警報(アラーム)

ばじる🍃です。宜しくお願い致します。

今回は、透析中の警報(アラーム)についてをまとめてみたいと思います。

あなたが治療中に一番多く遭遇するアラームはどんなアラームですか???

・・・

ばじる🍃は、静脈圧上限値警報です。

その他にも、どういったアラームがあげられますでしょうか。いくつか代表的なものをピックアップして、それぞれについてどんなものか、そして対処方法などについてあげていきます。(ただし、装置によってはいろんなアラームが入ることもあろうかと思います。ここで上げるものは、一般的に発生するアラームから、ほんとにたまーに遭遇するかもアラームです。(数ある治療法の中から主に血液透析におけるアラームについてをあげております。)

❕ 静脈圧上限

最もポピュラーなアラームかと思います。静脈が規定の範囲(上限)を超えた際に入ります。

●穿刺失敗により…

まずは、穿刺時、上手く入っているはずの針がしっかりと血管内に留置されていなく、血管外に血液が漏れ出てしまっていると、静脈圧は上昇します。その際は、針と回路を離脱させ、針の調整が必要です。

●開始直後に

透析治療開始の後、血流が安定し、回路内が生食から血液に置き換わった際、ちょうどそのころに自動的に警報の範囲が定まってくることが多く、圧力がまだ安定していない、すなわち低いときに定まってしまった結果、まだ上がる静脈圧が上限に触れてしまったことで発生します。

●透析後半に

透析後半になるに従って、除水に伴う血液の濃縮が起きますので、その分、静脈圧が上がってきます。

●他に

・患者さんの体位変換や、腕を動かしてしまったりすることでも入ります。針先が肘などの曲がるところにある場合や、肘部の内側にある場合はアラームが発生しやすいです。ですので、穿刺部として他に安定できる場所があれば穿刺部を変更を考慮することも必要となってきます。

・針先やカテーテルに血栓がついてしまった場合は、比較的急激に静脈の上昇があります。この際は、針先もしくはカテーテルにある血栓をシリンジで陰圧をかけて吸引し、洗浄をしてあげることで解決します。

・回路が折れ曲がりつつあったり、折れていたりしても上昇します。

・回路内の凝血、特に(静脈回路側の凝血)があっても上昇します。抗凝固剤が足りていない場合や、患者さんの病態的なものでも凝血しますので、何が原因で凝血が起きてしまっているのかを考える必要があります。


回路の状態を見るために・・・。

固まることが予想される場合は、予めに予定をたてて、開始から15分後、30分後みたいな感じで、予定で生食を投与し、回路内の状態を確認することもあります。

透析後半で、あまりにアラームが入る場合には、少し早めに終了することもあります。あまりに早いうちであれば、回路交換で対応します。

また、少し早めに終わっても除水が残らないように、バイタルを確認しながらですが、除水速度を少し早めて対処する場合もあります。

❕ 静脈圧下限

たまに、お見掛けします。上限アラームの反対ですね。静脈が規定の範囲(下限)を超えた際に入ります。

まずは、脱血不良状態で発生します。そんな時は、まずは脱血不良の原因をまず考えましょう。それぞれにおいて、対処方法がかわってきます。

例えば。

・針がしっかりと血管内に留置されていない場合。この場合は、針の調整をしましょう。調整ができないときは再穿刺となることもあります。

・針は入っているけど、血管が細くなっているところに留置されている場合。この場合は、血流がどれくらいならとれるのか確認し、その日だけ、血流をさげての対応でよいか医師に確認です。駆血をすればとれるのであれば、駆血で対処することもあります。あまりにとれないときは別の場所に再穿刺となることもあります。また、血管の状態をエコーなどで評価することが重要です。

・脱血側の針もしくはカテーテルの中に血栓がある場合。先に挙げた対処法と同じように、針先もしくはカテーテル内にある血栓をシリンジで吸引し洗浄します。

・脱血側の回路が折れ曲がっている場合。直しましょう。

❕ 気泡警報

回路内に気泡が発生した場合に入ります、どんな時でしょうか。

例えば。

・採血時。採血用のポートからシリンジで採血をするとき。この場合は、一時的に動脈側の気泡センサを解除してあげます。戻し忘れには注意してください。

・脱血不良時。回路内に細かーいair(マイクロバブル)が発生します。脱血不良状態で、地味~に下限値アラームが入らないような状態で、そのまままわってしまっていると発生します。脱血不良状態の改善が必要です。そして、回路内に発生してしまったairは、例えばダイアライザー入口側にたまってしまったものは、一時的にひっくり返して、Vチャンバまで送ってあげる、あまりにその量が多いときは、一度患者さんから回路を離脱して、airを抜いてあげることもあります。

❕ 漏血警報

・ダイアライザーの膜リークにより、血球成分が透析液側に入ってしまったことにより発生します。

・また、透析液中に多きなairが発生し、それが漏血センサ部を通過したときに誤検知して入ることもあります。

・さらに、漏血センサ部の汚れによっても発生します。

いずれの場合にも、まず発生してしまったら、まずはすぐさま透析液の流れを停止した状態で、透析液出口側のカプラを外して、へマスティックといった血球成分をみるスティックなどを透析液につけてあげて、反応するかをみます。もし反応してしまったら、すぐさま医師へ報告の上、治療を中断します。回路交換です。返血するか否かは医師へ確認してください。そのまま返血せずに終了し、新たな回路をくみ上げて再開することが多いです。なぜなら、透析液は無菌ではありませんので、その透析液側と血液側とが接触しているということで、透析液内の菌が血液側に入ってしまわないとも限らないためです。そのあと、抗生剤はどうするのか、採血はどうするのか、などの指示を仰ぎましょう。患者さんの状態も要注意です。発熱などの感染兆候はないかなどです。

❕ 濃度警報

透析液として、規定の濃度から外れてしまった場合に入ります。

まずは透析液を停止し、原因を探ります。例えばセンサ部の故障で表示値のみがずれていれば、一時的に警報範囲をずらして対応します。本当に濃度がずれていることでの警報であれば、透析の続行は厳しいので、ECUMに切り替えたりします。その際、患者さんの状態を確認するために、血液ガスで電解質などの項目を確認します。


以上、いくつか挙げてみましたがいかがでしたでしょうか。

ここにあげさせていただいたものは、よくよくあるもの(モノによってはよくよくではないですが(^^;))です。

普段何気に対応しているアラームについて、一度まとめてみてもいい勉強になるかと思います。


最後までお読みいただきありがとうございました🍃





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