第8回東京エクストリームウォーク100(TXW100)に参加した

ざっと書き終えましたが、適宜修正すると思います。記事分けるかも。

去年の50kmの話はこちら。
長距離ウォーキングに出ることにした
長距離ウォーキング(50km)出た

感想:
えらい目にはあったけど、無事完歩できたのでよし。
ただし2日くらい体はボロボロ。

準備:
昨年50km(XW50)を9時間で歩いてるので、2倍+2時間の20時間でいけると甘く見積もり、エキスパート部門で応募。私、素人ですけど。なんだろうエキスパートって。

週末に15km前後を歩くくらいで、XW50よりも練習しなかったような気がする。
どこかの記事では夜中に歩いてみるといいということだったので、22時から30kmくらい歩いてみた。いける人は本物のコースだといいかも。歩道が広くて車通りのある道ならOKでしょう。
思ったよりもあんまりスピードが出ない。眠くはないけど時速5kmに満たない。このあたりでは、まだ21時間くらいの見積もりだった。
夜に眠くなるかどうかはその人次第で、昔は夜更かし、寝ないで仕事、昼から飲んでカラオケでオール(ずっと若い頃の話だが)とかやってたことを思えば、体力的にはそんなもんだろう。

公式のZoom配信は時間の都合で、(スピーカー順)高橋さん/古賀さん/エクストリーム樋口(さんはつけてはいけないとのこと)の回を聴いた。高橋さんの能動より機能で歩く、古賀さんのコンディショニング、エクストリーム樋口の経験談(ゲルライドウォークへの言及があったけど、去年試し履きで合わなかったので、そこは頭に入ってない)。全般に、聞いておいてよかったと思う。

開催週に急な鼻炎にかかったり、前日にいろいろあり若干の寝不足で、当日のコンディションは悪くないと思っていたものの、万全とは言えない状態。しかし、去年は小雨も降ったし、多少の困難があった方が箔がつくよなと思いながら参加。リタイア基準は、月曜の仕事に障るかどうか。

持ち物:
靴は去年と同じ。OnのCloud 5 Waterproof。
靴下は3枚、全部モンベル。5本指ソックスが勧められることも多いけど、脱ぎにくく洗濯も面倒なので自分は好きじゃない。何を重視するかは人それぞれ。
ユニクロの速乾シャツとアームカバー。アームカバーは日除け、汗拭きにちょうどいい。着替え/帰り用のも入れておく。
首にネックゲーター。だいたい背中から日が差すので、首の後ろを守りたかった。耳にかけて、顔をガードすることもできる。ちょっと怪しい人。
去年と同じスポーツタイツ…どこのか忘れたけどデパートで割引してたのを使ってるだけで、CW-Xのようなサポート機能はないと思う。みんなCW-X使ってるって言ってるけど、自分の見た範囲では、「散見された」くらいの印象。自分も買おうかと思ったけど、参加費より高いし、そこまでガチではないからと見送った。富豪か、体を労りたい人は試着して買うとよいのではないでしょうか。

適当に帽子。ヘッドライトはモンベルのアウトレットだけど機能十分。
リュックは全然軽くないけど、重い荷物を持って長い距離を歩くことが今後もあるかもしれないと思い、そのまま。25Lくらい入るのかな?着替えで結構かさばる。

行動食はアミノバイタルのゼリーを4本(用途がちょっとずつ違う。よくわからんから適当)、ヴァームゼリー1本、ようかん、チョコブラウニー(案の定ドロドロに溶けた)。塩飴とのど飴少々。飲み物は2本で、適宜現地調達。

自宅~スタート:
前倒しでスタートという噂もあったけど、時間の計算がしにくくなるから10時スタートがいいなと思い、早くついてもやることないし、9時半に小田原に着くように湘南新宿ラインで行く。JREポイントで前もってグリーン車乗車券に換えておき、当日受け取り手続きしてグリーン車で。人が少なくて快適。新宿から小田急線の方が早くて安いけど、新宿乗り換えが面倒で人も多そうだからJRを選択。当日ダイヤ乱れの場合は小田急線か新幹線。
無事9時半に到着。受付して、ゼッケンつけてワセリン塗ってたらあっという間に10時前。
10時から3分ごとのウェーブスタート、2群目だから10時3分発。テンアゲの放送とともに出発。

スタート~CP1(24km):
出発当初はゆっくりかなと思っていたけど、前回の50kmと違って35km部門の人と時間差があるから前に人がいなくて、そこまでダンゴ状態にはならず、快適なはじまり。何kmかは忘れたけど、10kmまでには35km部門の人の最後尾に追いつく。ああこれ旅人算だなあと実感。

5kmくらい、あるいは1時間弱くらいで1度休憩を取って、足のケアをして進める作戦を立てていたが、毎度そうだが休む場所にはやや困る。邪魔にならない、割と公共性の高い立地で、できれば椅子かなんかに腰かけて、さらに日陰だとなおいい…そういう場所を歩きながら探すのは大変で、事前にGoogle mapであたりはつけているのだけれど、実際にそこで休めるかどうかは別問題。抜かした人に休憩で抜かされて、また抜き返すのってそんなにいい気分でもない。仕方ないけどね。

最高気温が30度とのことで熱中症が心配されたけど、暑さには強いし、夏場の高温とは質が違う。汗はかいても、そこまで厳しい日射しでもない。雲も全然なくていい天気。

富士山もみえる

お腹が減って行動食を食べながら行くが、飲み食いしてなんだか違うなと思うことがある。例えば、ポカリスエットを買って飲むことを考える。好きな人は別としても、普通の生活でおいしいと思って飲むことはおそらくない。しかし、運動後や風邪のときなど、発汗時に劇的においしく感じることがある。今回の感覚的には、水分分布異常や電解質欠乏、糖の状態は味に影響していたのではないかと思う。のどが渇いて麦茶を飲んだのにおいしくないのは、マラソンランナーの低ナトリウム血症のようなことが起こっているのではないか?そこでポカリスエットを飲んだらおいしく感じたし。逆もあって、ポカリスエットがあんまり進まないときは麦茶がよかったり。水と塩を管理するのは大事だけど、スポーツレベルではよく分からない。そういう意味では、自分を探りながらの道中だった。採血しながら歩きたいな、先行研究調べればありそうだけど、とか思いながら進む。

CP1~2に自販機があんまりないので、20km過ぎた平塚のあたりで飲み物は補充しておく。

4時間半でCP1に到着。玄斎カレーパンが有名で、デパートで売ってるのを見て今度XWで食べようと思ったから楽しみにしてたんだけど、衛生上や渡しやすさの問題でビニール袋に入ってるから、カレーパンが熱中症でしなしな。まあそりゃあそうだよなあ。カリカリのカレーパンが出てきたら逆にびっくり。

CP1の平塚漁港しおかぜ広場の行き来が砂地で、思ったよりも移動に時間と体力を取られる。そりゃあ地上ユニットは砂漠で行動力落ちるわ。CP到着後とCP脱出後に砂を取るのも面倒。まあ、CP2に向かう道のりも海岸なんだけど…

CP1~CP2(24~35km):
主に湘南海岸サイクリングロードを進む区間だが、いろいろ辛かった。ところどころ、サイクリングロードに砂が堆積して歩きにくく、なおかつ隘路ができるので渋滞する。サーフボードつけた自転車も往来する(初めて見たよ)。バーベキューとか水遊びとか、上半身裸でランニングとか、ウェイでパリピな人々であふれたあまり見ない風景。自分とは縁遠い世界だけど、楽しそうでいいことだ。江の島も見えて天気もよくて、海遊びには最高の日でしたな。写真撮った。
ただただ青い空、海のピーポー、防砂林、詰まる列を見続けた区間。

グライダーだ!
湘南の海だ!

砂の影響で歩く姿勢も乱れてしまい、荷物の重みを肩で受け止めてしまっていたことに後で気付く。荷物は背骨で支えねばならぬと身をもって知った。

CP2は35km部門のゴール。DJが盛り上げていたが、案外疲れてそれどころではなし。おにぎりもらったけど食べる気力なく持ち越し。足のケアしてリスタート。

応援メッセージ

CP2~CP3(56km):
これが江の島ね~とか思いながら歩いていく。信号と人。エッグスンシングスとかアロハテーブルとかが並ぶ。ちょうど江ノ電が来て写真。

江ノ電

なんだか調子が上がらず、早々にコンビニで小休止。日も落ちてきて、汗かいたシャツがやや寒くなってきた感があるので着替え。靴下もチェンジ。藤沢駅を過ぎたあたりから急な上りで、砂地よりは坂の方がテンションが上がる。しかし、その後の道が割とつらくて、歩道の中でもアップダウンを繰り返す。途中でお腹がすいてCP2でもらったおにぎりを食べた。結構な人がもらったバッヂを点滅させてたので、自分も倣ってそうすることに。

上った後は結構な下り。下りの方が大変ともいうが、不得意ではないはずなので元気なうちに一気に行こうと思って、かなり飛ばした。思えばこれが後々に響いたのか?でもここでタイムを稼いだのも事実。

戸塚駅でちょうど50km。予定より12分遅れ。この時点ではまだ平均時速5kmくらい。トツカーナね、行きの湘南新宿ラインで見たよ。大会でなければ寄ってみたかった。
半分過ぎたとは思ってはいけない。元気な50kmと、消耗した50kmは全然違う。少なくとも、そこまで熱心にトレーニングを積んでない人間にとっては。

戸塚駅からCP3まではずっと上りと思っていたけど、そこまで激しい上りではなし。このあたりでヘッドライトを装着。
なんとかCP3の横浜市児童遊園地に着く。公園が丘の上になっているのか、ここできつめの上りだけど特に意に介せず。関門が22時だけど、後ろにまだ結構いるような…
クリームパンと魚肉ソーセージとゼリーをもらった。魚肉ソーセージはゴミ処理が面倒なのでさっさと食べたが、気分ではなかった。
左足の爪がちょっと痛いなと思ってチェックしたが、目立った傷はなし。でも爪引っ掛けてよく欠けてるところなので、下りで無理をさせすぎたか。絆創膏を持ってきてたので貼っておく。暗がりの足のケアにヘッドライトは便利。
ここではじめてトイレに立ったが、8本くらいペットボトル飲んでるのに尿量が300mlくらい(計算は雑)。結構汗かいてたみたい。しかし、腎臓の濃縮力すげえな。

CP3~CP4(70km):
保土ヶ谷~横浜の区間。
事前に夜中歩いた感じに似ている。それよりも道はよくて歩きやすくはある。
保土ヶ谷を過ぎてから、案外強めの上りと下り。疲労の色が濃くなってきて、こまめな休みが欲しくなるものの、休むと動き始めが鈍くなる。

事前の放送で高橋さんが言っていた、ロッカーファンクションについて改めて意識する。足をつけば痛いが、関節の機能のみでひたすら歩く。胸を張って肩甲骨を意識すれば、リュックの負担も違うし体も前に出る。リタイヤしたところで始発までおねんねか、タクシーで2万くらい出して帰るだけだったら、腹くくって歩いた方がいい。なんだか辛い修行の末に奥義を会得するようなイベントみたい。幻ですか。

ちょこちょこベイスターズユニホームの人や酔っ払いとすれ違う。
休憩時にCP3でもらったクリームパンを食べるが、意外としっとりしていなくて食べるのに時間がかかる。
横浜スタジアムまで来たら、ここからはもう見たことある風景。お散歩気分(エクストリームなだけで、お散歩イベントではないのか?)。24時に大観覧車の灯りが消えるっぽいので間に合わせたかったが、無理だった…と思ったら、ギリギリ点いていた!

中華街


ギリギリ点いてた観覧車

汽車道を歩くときに、なんだか変な影ができるなあと思っていたら、ヘッドライトを若干下に向けていたから帽子のつばに当たっていただけだった。ははっ。深夜のテンション。

あちこち痛いがCP4のポートサイド公園に到着…って、結構暗いぞ。ヘッドライトがないと怖い。テントまで来ればもちろん明るいのだけれど。どこのCPもそうだけど、スタッフが元気でいい感じ。ありがとうございます。
寝ている人もいる。痛みで眠くもならないので、必要なことだけやって出発する。どうも左第2趾の裏側よりちょっとかかと側にマメができようとしている雰囲気。いやだなあ。ちょうどロッカーファンクションで使うところじゃん。絆創膏を貼るのがいいのかは不明だが、貼った。趾間はおそらく大丈夫だろう。靴下交換して出発。ここでかなり厚手の靴下にしたのが後々よかった気がする(これしか残ってなかった)。

予定よりは1時間遅れの25時発。全体に、足のケアのための休憩を入れすぎたか?楽勝な区間と思っていたが、タイムを落とした区間だった。間に合えばタイムを競うものではないからいいんだけど、早く完歩してラーメン食べたい。

CP4~CP5(88km):
厚い靴下でクッションになるのか、そこまでマメが気にならない。歩きだすときが辛いが、動いてしまえばあとは歩く機械になるだけ。平地だしここもなんとかなるだろう、タイムは予定より遅いけど間に合いはすると思っていた。道もそこそこ広くて歩きやすい。横浜から品川って歩かないから、20kmくらいで着いちゃうんだと驚き。

事前放送ではエクストリーム樋口が、孤独との闘いということを言っていたように思う。今回は人がまばらながらいたのと、別にぼっち歩きでもちっとも苦にならない性分なので、その点は問題なかった。

川崎駅の近くも通ったはずなのだが、全然覚えがない。暗いと分からないものだなあ。
そして81kmで多摩川を超えるころ、日の出前、久々の明け方。景色がエモい。夜明け前が一番暗いとの慣用句もあるけど、このコースで一番暗かったのはCP3の前じゃないかな。

多摩川の夜明け前

そんなエモな多摩川を超えたところで、左足がつりかける。マジか。さすがにここまでかと思ったが、まだできることはあるはずと足掻く。都会のコースなのでコンビニには事欠かない。バナナを探したら運よくあった。カリウムが足りないのもあるのではないか?と仮説を立てた。検証する余地はないけれど、食べて少し休んだら回復した気がする。でもまあ周りもピンピンしてる人は少なくて、信号のたびにストレッチしたりしゃがんだり、大変そうな感じ。確かに信号は多いところは多かったな。

いつの間にか日の出も過ぎ、ライト類はoff。耐えに耐えてCP5の鈴ヶ森道路児童遊園へ。結局この区間は平均時速4km。もう平均時速5kmなんてとてもとても。鍼はやるなら終わってからだろうなと思ったのでパス。
予定より2時間遅れ、6時前にCP5を出発。

こんな顔で歩いてる人はほぼいない

CP5~ゴール(100km):
百里を行く者は九十を半ばとす、とのお言葉があるのでそのように考える。こっからがスタートだ。
3kmごとに休んでいいルールでただただ歩く。平均時速3kmでも間に合うことにはなっているが、早くラーメン食べたい。
そういや最近あまり品川で降りてないな。久々に見た。
お腹がすいてきたが、ラーメン食べられなくなるので(しつこい)なんかないかな…とセブンをみると、バナナはなかったものの、フルーツミックスがあるじゃないか!フォークとストローをもらって、汁をストローで飲むと…これは沁みる!直接飲んでもいいんだけど、今の状況だとこぼしそうだったのでストローは正解。フォークでフルーツを食べていく。今回のコンビニのMVPかもしれん。Pって何?

こんなところに慶応大学三田キャンパスあんのかとか、東京タワーを正面に見ながらとか、ラストに向けてテンションは上がる。

東京タワーが近い

六本木ヒルズも坂がきついのはもう知ってる。
六本木トンネルとか初めてくぐった。壁画をゆっくり見ている余裕はなかった。
青山霊園を抜けたらあと1km!しかし、ここでリタイアした人もいるというので、油断はならない。でも、もう足をためておいてもしょうがないので、痛くても全身で歩く。

ゴール近くにはスタッフの方がいて、ヘッドセットでゼッケン番号を伝えてた。
あれ、アンバサダーの方々がおられるぞ?皆さま方も歩いてきたんじゃないの!?すげえ仕事だ。さすがとしか言いようがない。
そして無事ゴール。名前をコールしてくれた。さっきのゼッケン番号はこのためか〜。感動のあまり泣き崩れる…こともなく、ゼッケン外したり手続きとか。手元の時計では22時間半を切るくらいだったけど、完歩証では22時間切りになってた。なんで?まあ、誤差なのでなんでもOK。
神宮外苑の屋内球技場は人工芝で気持ちいい。受け取るものを受け取って、ようやくゆっくり休める。じーん。ああ、なんとかここまで来られてよかった。リカバリー用のアミノバイタルを飲んで、中途半端な飲み物をやっつける。帰りの服に着替えて、お手洗いに行って解散!やっぱり尿量が少ない。

帰りは近くのホープ軒で食べて帰る。
1階は立ち食い、2階は着席だけど、2階まで上がるのがだるくて立ち食い。チャーシューメンを食べる。いい味だった。
千駄ヶ谷駅まで歩いて電車で帰宅。

歩き終えて:
後半はかなりきつかったけど、人生にはそういう経験もあっていいだろう。
もう1回と言われると、誰かと出るのなら行ってもいい、自分1人ではもういいかなというレベル。2日+リカバリーに取られるのはきつい。日帰りで達成してしまう猛者もいるようだけど、自分には縁のない話。
レジリエンスを鍛えるのにはいいんじゃないかなと勝手に思っている。
とにかくいい経験になった。
ある程度練習できて装備揃えられる人にはお勧めです。

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