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【爆笑】 メンズナックルのキャッチコピーは、もはや「伝説」と化している

2023年5月、久々にメンズナックル系の「面白すぎるキャッチコピー」が1万以上バズっていた。

『大貧民に負けてマジギレする程度の奴に、美味しいパスタ作ったお前は幸せに出来ねぇ』
 

まぁちょっと待って下さい。

この私がココで、このイマイチ意味不明で、良く分からない面白さを誇り、しかも印象にも残る(上記の類の)キャッチコピーの説明をしましょう!
 

『レザーの下から
マッスルの鼓動が聞こえるか?』

 
まず、このキャッチコピーは基本、かつて存在したファッション雑誌のストリート・スナップ(通称ストスナ)に添えられているキャッチコピーです。

上記の投稿で、ファッション雑誌と見せかけたギャグ本とありますが、このかつてあったギャグ調のファッション雑誌こそが「メンズナックル」である!

このメンズナックル(通称メンナク)は2004年創刊だけど、創刊以降、徐々に上記のようなキャッチコピーが「なんかスゴいぞ」という感じで話題になりはじめ、私が記憶する限りでは2010年前後に、その人気のピークを迎えていました。もしかしたら、それ以降も割と人気だったのかもしれない。

ソコで気になるのは「▼の何がスゴいのか?」ですが・・・
 

『ガイアが俺にもっと輝けと囁いている』
 

『ストリートという劇場に舞い降りた黒騎士』
 

『愛しさと、切なさと、俺のウエスト』

 
ファッション雑誌なので普通は「ファッションが超オシャレ!」とか「コーデが超絶かっこいい!」とか、話題になるとしたらまぁその点なのですが、見て分かる通りそうではなく、

▼このあたりが「スゴい」と。
・良く分からないけど面白く
・イマイチ意味不明で
・しかも印象に残るキャッチコピー
・語呂も良く内容のキレも良い
・本人が基本「自信満々で」ドヤっている(風に見える)

まぁそういう感じで話題になっていました。

このキャッチコピーは当然、本人がそう喋っているワケではなく「写真(ストスナ)を撮る ⇒ メンナク編集が勝手にキャッチコピーを添えて掲載 ⇒ 本人は雑誌を見て初めてコピーの内容を知る」といった感じで掲載されているコピーですが、実はこのコピーの数々、

割と一貫した方向性があるのです!
 

ソコでまず、その面白すぎる方向性を知るためにも、メンナク・キャッチコピーのパターンを見ていきましょう(この記事などでも紹介されているので、下記に一部転載)。
 

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■ パターン1
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誰かを褒めると見せかけて、結局自分を褒める
 

『こんな俺様をDROPした母親に、
本気リスペクト!』

 
まず例えばこのキャッチコピー。このキャッチコピーは一見「母親をマジリスペクトしているぜ!」という、もの凄く道徳的かつ良心的なキャッコピーに見えます。
しかし、良く見ると、母親をリスペクトしている理由が「この俺様をドロップした」ことによるものだと分かるので、結局、このコピーが一番言いたいのは『俺はスゲぇ(ドヤ顔)』なワケです、はい。
上記の記事の著者も「この回りくどく自分を褒めるパターンは様々な場面で応用が利きそうですので、まず第一に覚えておくべきでしょう」と記載している(笑)
 

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■ パターン2
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堂々とホラを吹く
 

『数多のセレブに、
俺の着こなしをパクられたよ』
 

『戦場で戦う兵士の気持ちが、
オレには分かる』
 

『オレには100%女を落とせる超能力がある』
 

『YES WE CANをアイツに教えたのは俺だ』
 

『AKBとか知らないけど、
たぶん全員抱いたぜ』

 
上の記事の著者は、この「堂々とホラを吹くキャッチコピー」について、こう述べている。

ポイントは「堂々と」という部分。おどおどするのではなく、自信を持って、自分自身に暗示をかけるくらいのつもりで堂々と言うことで「明らかに嘘なんだけど、それくらい自分に自信を持ってるってことなのね! 素敵!」と思わせましょう。逆に明らかに嘘だとわからないような微妙な嘘をつくと色々ややこしいことになる可能性があるので、これ以上ないくらいにデカい嘘にしておくのがコツです。

つまりなんだかんだで結局、ココでも『俺スゲぇ(ドヤ)』が言いたいワケです、はい。

 
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■ パターン3
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「前提」にする
 

『なぜ天は、俺という男を
エコひいきするのか・・・』
 

『さて。気が付けば俺の時代が来たワケだが』
 

『街中で噂のクールワイズメンとは俺のこと』
 

『至極の人生に達したのは・・・
生まれつきかな』
 

『朝までに何回KISSして欲しいか決めとけよ』

 
このコピーについて参照記事の著者は、こう述べている。

「オレはこんなにすごい」とか「●●してやるぜ」という部分を前提にして物事を語ることで、あたかもそこについては揺るぎのない事実であるかのように錯覚させるレトリック。たとえば上記のキャッチコピーでいくと、1番目は「天が俺をえこひいきしている」ことを、2番目は「俺の時代がきた」という部分に関して、3番目は「街中でクールワイズメンが噂になっている」ことを、「まあそれはみんなも知っての通りだが」くらいのニュアンスで語っていることがわかりますし、最後の「朝までに何回KISSしてほしいか」には「KISSすることは当然として」というニュアンスが盛り込まれていることがわかります。なお、この前提部分については、なるべくさらっと流して言うのがポイントです。

つまりなんだかんだで結局、このパターンも『そもそもの前提として俺はスゴい』と言いたいワケですね、はい(笑)。

 
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■ パターン4
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意味不明でも良いので「なんか凄そうな単語」を混ぜる
 

『かつて勾玉に封印された
俺の魂が解き放たれる』
 

『闇より深い夜をまとった夢幻紳士の参戦』
 

『この身に宿した前人未踏の快楽領域』
 

■ 引用
「勾玉」とか「夢幻紳士」とか「前人未踏」とか、意味不明でもいいのでなんか凄そうな雰囲気が漂う単語をとりあえず混ぜとく手法。別名“中二病”。

 
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■ パターン5
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意味不明でも良いので「なんか凄そうなカタカナ言葉」を混ぜる
 

『俺というエルニーニョが
異常気象を誘発する』
 

『メタファーの魔術師が魅せる艶密な佇まい』
 

『世界を包むオレ色・虹色・エンデバー』
 

『身をゆだねればヘヴンへエスコートするぜ』
 

『またハードラックとダンスっちまったぜ!』
 

■ 引用
これが一番よく見られるメンナク的キャッチコピーのパターンであり、いわば黄金パターン。その根幹にあるのは「カタカナ言葉はなんかすごそう」というイメージであり、発想としては先ほどの「なんかすごそうな言葉を混ぜる」に通じるものがあります。要するにこれも中二病の一種。

パターン4・5ともに中二病キャッチコピーですが、この中二病がそもそも『俺はスゴい、俺のみが特別と、そう俺は思っている』という意味を持っており「あっ、コイツ勘違いしているわ(笑)」という笑いを誘う面もありますからね。

 
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■ パターン6
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理由なく「挑戦的」
 

『オレの心を奪いたいなら、
死に物狂いで来な』
 

『このオレと対等に話そうったって無理だぜ』
 

『えっ・・・神でもないのに、
オレに話しかけるのか?』
 

■ 引用
何に対して挑戦的なのかはさっぱりわかりませんけど、なぜかそういう口調を使うのもテクニックの一つ。有無を言わせない口調により「オレすげぇ」感を演出できる……のかもしれません。

 
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■ パターン7
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映画や漫画、小説などの「名言」や「定型句」を使う
 

『オレを構築する99%の才能と1%のカオス』
 

『一身上の都合により
この世界のトップ貰います』
 

『俺は女にかけては必殺仕事人』
 

■ 引用
名言や定型句をもじることで「うまいこと言った」感を醸し出すキャッチコピーの常套手段。そこに自画自賛エッセンスを加えれば、あら不思議! メンナクコピーの一丁上がり!

下記の「ドラゴンボール・フリーザの名言」も、このパターンですね。

『既にオレの魅力に耐えられない?
悪いがオレは変身をあと2回も残している』
 

つまり何が言いたいのかというと、このパターンも基本『俺はそのぐらい凄い』と言いたいワケです、はい(笑)。

 
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■ パターン8
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押し付ける
 

『俺のブロマイド、送っといてやったぜ』
 

『100回愛を囁いた後は、1万回抱いてやる』
 

■ 引用
とにかく自分に自信を持っているということを表現するために、相手に何かを押し付ける。押し付けるものは自己愛が表現できていれば何でもいいが、本当に喜ばれるものをあげるのはキャッチコピーとしてインパクトがなくなるので、基本的には迷惑なものを押し付けるのがポイント。「前提にする」の応用編。

『俺のブロマイド、送っといてやったぜ』はインパクトがあり、なおかつ面白い。迷惑すぎて面白い、たぶん誰もいらねぇよソレ(笑)

 
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■ パターン9
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何もコピーが思い浮かばなくても、とりあえずひねり出す
 

『ルールルル、怖くないよ・・・
おいで、子猫ちゃん』
 

『ちなみに伯爵はバロンより格が上だ』
 

■ 引用
いくらメンナクのスーパーコピーライターといえども、何も思い浮かばないこともあるはず。しかし締切りは待ってはくれません。そんなときは、意味はわからなくてもいいので何かしらひねり出しましょう。上記の二つに関しては「ちなみに伯爵はバロンより格が上だ」は何一つ写真の彼と関係のないただのトリビアですし、「ルールルル」に至っては完全に徹夜明けのテンションです。

メンナク系キャッチコピーの特徴の1つとして「写真の彼と全く関係のないセリフ(笑)」でも良い、という点がある。


パターン5【意味不明でも良いので「なんか凄そうなカタカナ言葉」を混ぜる】に似ているが、これも結局『オレは凄い』という演出ができたら良いのだ。見た人に「コイツ、なんか凄いな」と少しでも思わせたら、もう勝ちである(笑)!

 
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■ パターン10
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「これ無理だろ」というスナップでもひねり出す
 

『神の視点でしかオレを理解できないぜ』
 

『これが人間を超越した先にある
奇跡の世界だ』
 

■ 引用
そもそもなぜこの二人がファッションスナップに採用されたのかがわかりませんが、どんな無茶ぶりにも応えなければならないのがコピーライターの宿命です。これまでのテクニックを組み合わせて、がんばってください。

[*] 上記写真・画像の出典は、メンズナックル、メンズスパイダー(Vol.1-7)、ホストナックル(Vol.1-3)となります。
 

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■ まとめ
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上記以外にも、下記のような「イマイチ意味不明、面白い、印象に残る、自分を凄く褒めている、堂々とホラを吹いている、「前提」にしている、理由なく挑戦的、写真の彼と関係がない名言を使っている」などのいずれか、または複数を満たしているコピーがありますが、

『君がッ、振り向くまで、
伊達ワルをやめないッ!』

■ 上記は「ジョジョの奇妙な冒険」の名言のもじり

『ストリートで死ぬために
生まれてきたのかもしれない』
 

『エレガントに舞い、クレイジーに酔う』
 

『いつだって、何かに逆らい生きてきた』
 

『千の言葉より残酷な、俺という説得力』
 

『パねぇって言葉はオレのためだけに使え』
 

『救急車通ったろ?
俺に失神した女が乗ってるよ』

 
これらほぼ全て(いや、全部か?)に共通しているのは、

基本的に全ての発言が最終的に『俺スゲぇ(ドヤ)』に向かっている点です。
 

■ 補足
例えば上記の「救急車通ったろ?」のコピーをハショらずに示すと『今、あそこに救急車通っただろ? あまりに俺がイケメンすぎて、俺を見て失神してしまった女が乗っているよ』ということですが、つまり極論『俺はスゲぇ、俺はかっこいい』が言いたいワケですよ、はい(笑)

この記事の最初に「割と一貫した方向性があるのです!」と記載したのはそういうことです。

メンナク風のキャッチコピーは基本『俺スゲぇ』が言いたいだけ(面白すぎる)。

 
パターンは数あれど、この方向性が基本ブレておらず徹底されており、なおかつ、表現も洗練されている・・・この伝説のキャッチコピーの数々には脱帽であります(笑)。
 

『俺の行き先?
あの太陽にでも聞いてくれ』


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