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現職教員の教職大学院での学び⑥-初めての読書会-

はじめに 

 プログラムの有志で読書会なるものを行なってみました。読書会という言葉自体は以前から知っていましたが、具体的にどのような方法で行うかはよくわかっていませんでした。インターネットで読書会のやり方を調べてみました。やり方は様々でした。というわけで、好きにやって良しという結論に至りました。
 そうそう、読書会を行なった理由は、
①読書会を通して、同じプログラムのメンバー(院生)の仲をさらに深めたい
②それぞれの価値観や考えを共有することで自分の価値観を見直したい

という2つでした。

私の一冊

 今回は、課題図書を設定し、その本で最も共感することを1点、逆に共感できないことを1点挙げてもらい、それを基にフリートークをするという流れでした。
 会の最初には「私の一冊」ということで、それぞれが参加者にお勧めしたい本を紹介する時間も設けました。今回参加したメンバーのお勧め本は下記の通りです。

  • 千葉市立打瀬中学校編著(1998)『21 世紀の学校はこうなる-生きる力を育てる「うたせ学習-総合学習」』、国土社

  • 石井遼介(2020)『心理的安全性のつくりかた』、日本能率協会マネジメントセンター

  • 木村俊一(2001)『天才数学者はこう解いた、こう生きた』講談社選書メチエ

  • 伊坂幸太郎(2023)『777』、KADOKAWA

  • 諸富祥彦(2013)『教師の資質-できる教師とダメ教師は何が違うのか-』、朝日新書

興味のある方はぜひどれか一冊でも読んでみてください!

 教育に関する本が多いですが、それぞれどうしてこの本を選んだかのミニプレゼンが大変面白かったです。ちなみに私がお勧めしたのは、諸富祥彦(2013)『教師の資質-できる教師とダメ教師は何が違うのか-』です。教育をチームで捉える重要性はこの本から学びました。副題にできる教師とダメ教師は何が違うのかという刺激的な文言がありますが、内容自体はそこまで尖っていません。むしろ教育関係者以外の方も読みやすい本だと思います。
 初任者や異動者にとって、職場環境は運の部分も少なからずあります。困った時に助けてと声をあげることができ、問題を一人で「抱え込まない」ではなく、「抱え込めない」環境を作る必要性を感じます。久しぶりに読み直してみて、自分が大学院で学んでいる意味を再度振り返ることができました。
 次回は「私の一冊」だけを取り上げて、参加者にもう少し長く話してもらうような読書会も良いと思いました。

課題図書について

 今回の課題図書は孫泰蔵(2023)『冒険の書』、日経 BPでした。

表紙が素敵

 ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、こちらの本は教育業界を中心に何かと話題になっています。何が話題になっているのかというと、今の、もしくは今までの教育の在り方や学校の在り方はこれで良いのか?といった筆者独自目線での問題提起の内容です。こちら↓のnoteに詳しくまとめられていますので興味のある方はぜひ!

 現場の教員が読んでも「そうそう、その通り!」という方と、「何を勝手なことを言って!」という方にはっきりと分かれるような気がします。院生のフリートーク内容をほんの一部記載します。

フリートーク内容

  • 否定的に感じちゃったのは、あの頃の教え込みをしていた自分のことを言われているのかなって。だからぐさっときてる部分もある。

  • 学校の枠組みで完結させようとしていませんか?という問いを与えられているのでは。もっと学校を飛び出していけってことじゃないか。

  • 環境的に今の枠から飛び出せない子供もいるはず。学校のセーフティーネット機能にも目を向けたい。

  • 現場と理想の難しさがあるな〜という実感は強い。

  • 何が難しいんだろう。教育観を変えればいいだけじゃないかと思う。

  • 教育は誰でも語れる分野だからこそ、俺の頃はこうだったと言えるし、自分の教育観を固定化してしまうのでは。教育の正解もわからないし。受験も依然として残ってる。

  • 入試がなければ教育観は変わる?入試という目標がなくなった教師は、入試がなくなれば教育観は強制的に変わるのでは?

  • 興味を芽生えさせるような知識までは教えてあげる、経験させてあげることは必要なんじゃないかなと思う。

  • 教科の枠組みが探究心を邪魔しているのではないか?国語、算数と分けてしまうことで探究心を削ぐのではないか?

  • でもやっぱり20年後は違うことを言っている。探求?古いね。みたいに。やっぱり常に先を考えていくことも必要だと思う。

  • 未来を見るのも大切だけど今をなんとかしなきゃいけないという視点も大切だと思う。今を大切にするからこそ未来を大切にできるのではないか。

  • 教育が先を見すぎるのは良いことなのかな。全体主義に陥る可能性もあると思う。

 本当はもっともっと意見が出ていましたが書き切れませんのでこの程度で終わります。

おわりに

 非常に濃厚な時間を過ごすことができました。当然、自分の読み解きとは違う読み解きをされた方もいます。その読み解きをした理由にその人の「味」が出ているような気がします。内容も大切ですが純粋に楽しいと思える時間を過ごせました。改めて仲間に感謝です。読書会の目標は達成です!こういった読書会が行いやすいのも教職大学院の魅力の一つかもしれません。
 
 こちらは秋晴れ。秋晴れと書きましたが、何だか予報では夏日になるそうな。皆さん良い1日をお過ごしください。お読みいただきありがとうございました🌸
(記事のヘッダーは妹に描いてもらいました)

 

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