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ライターになったきっかけ

「ライターってどうやってなったんですか。最初のきっかけは?」

久しぶり聞かれて、あれこれしゃべって思い出したので、忘れないうちに書いておこうと思う。

ライターになったのは1998年12月。知り合いのライターさんから「インドに旅行する間、うちに来る?? 新聞止めるのとか面倒くさいから、留守番してくれるなら家賃払わなくていいよ」と声をかけてもらった。

当時、私は仙台の実家から大学院に通う博士課程の1年生だった。指導教授の先生から「英語を頑張れば、ロンドン大学に留学させてあげる」と言われたり、研究会で会った他大学の先生たちに「君みたいな子は私立大学の教授に向いてる」とちやほやされて、そんなもんかなーとノンキに真に受けていた。筋金入りの世間知らずのお嬢ちゃんだった。

のちに「よく決断しましたね」と、驚かれたりあきれられたりすることになるけど全然、たいした決断はしていなくて。

「ライターになりたいなら、20代半は年齢的にはラストチャンス」(実際はそうでもなかったけど)と聞いて、博士号とるまで待つのもアレかなーと思い始めてた。単位は全部そろったし、博士論文書くだけなら別にどこにいても書けるじゃんと上京した。それだけだった(実際は1文字たりとも書いてない)。

「ライターになるから、東京行くね」
そう伝えたとき、母親は怒り狂い、父親は聞こえないふりをしていた。あまりにブチ切れすぎた母親が「いったいいくら貸せばいいの!?」と叫んだのが、この日のハイライト。とっさに「100万!!!」と答えたら、本当に貸してくれた。親ってすごいなあと今でも思う。


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