スズメの戸締り感想
日本の古事記との深い融和がみられていてとても面白かった。
その土地やものの記憶が世代を超えて、空間を超えて繋がってゆく感覚がとても心地良い。
忘れ去られた土地やものの記憶は時間を象徴し、それに祈りを捧げる我々もまた歴史の断片なのだ。その記憶というものはどこまでも思慮深いもので、そういう記憶が鎮魂歌になりうるということ。でも、実際は、喪失という言葉があった時に鎮魂歌が奏でられない。これはある種の弔いだ。
今現代を進行形で生きている人間の生も、過去の神話化された生と同じ運命を辿る