見出し画像

Demand Gen組織の部門KGIと個人キャリアの二面性

先日、Twitter上で、Demand Generationに関わるB2Bマーケターにアンケートを取ってみました。アンケートは、前から気になっていた部門のKGIについて、Demand Waterfallでの対応範囲です(Twitterのリンクはこちら)。結果はメールの最後にスクショでも張りました。
今回は、この結果そのものに関する是非は別として、組織の目標と個人のキャリアに関する二面性について、触れておこうと考えました。 

■ところ変われば、フェーズ変われば、変化するDemand Gen部門KGI

デマンドジェンのデータ分析ワークショップでもコメントしていますが、Demand Waterfallそのものの目的はRevenue Engine、顧客に自社の製品を選んでもらうこと、売上です。けれども、このアンケート結果から分かるように、B2Bマーケ@デマジェンのロールて、画一的なKGIにはなっていないことが確認できます。会社が変われば、そして、これは個人的な経験も踏まえると同じ会社でもフェーズが変われば、部門KGIが異なる、変化してくるわけです。
 
このような背景には、Demand Waterfallにおける部門の役割、責任範囲として、マーケ、インサイド、フィールドセールスにおける個別最適化を優先する考えと、全体最適(あくまでRevenue Engine)を軸にする考え方の相違があるのでしょう。前者の個別最適優先型では、SQLコンバージョンはインサイドセールスの努力に追う部分が大きいのでマーケの役割はMQLまでとか、案件の受注はフィールドセールスに依存するのでマーケは数字を追うべきではない、といった前提があります。
 
個別最適なB2Bマーケ部門KGIは会社の方針だとして、では、個人のキャリアを考えたときに、個別最適化されたKGIのみに着目することのデメリットも考えてみてみましょう。

■部門KGIと個人の二面性で考えてみる


仮に、現状の部門KGI(そして、個人にその部分的な数値が落ちてくるとして)が、MQL獲得まで、SQL創出までとした個別最適化なKGIである場合、2つほど、B2Bマーケターとしてのモチベーション、キャリアという点で弊害があるのではないか、と感じてしまうわけです。
 
●B2Bマーケターとしてのモチベーション
 
マーケ部門で創出したMQLから案件化、そして、売上まで到達していたとして、モチベーションは上がりませんか?個人の貢献が組織の貢献になっているからです。一方で、MQLから案件化、売上が思わしくない場合において、それを改善しなければならない局面もあるでしょう。B2BマーケターとしてMQLの質を上げる、マーケ部門長が後工程のフォローアップ最適化を通じて売上変換を上げる、といった取り組みを行う必要が出てくるかもしれません。
 
いずれにしても、MQL創出したがそれが売上にまったく貢献していない場合のモチベーション低下は回避しなければならず、ベストは売上貢献の可視化とそれによる組織のモチベーション向上という好循環の組成です。
 
MQL、SQL、SQLWonのデータトラックに関して、大して手間はかかりません。部門のKGIがMQLのみ、SQL創出のみとしても、SQLWonの結果を把握、共有されることだけで、組織のパフォーマンス向上が期待できるわけですから、やるべきではないでしょうか。
 
●B2Bマーケターとしてのキャリア
 
仮に、現在の会社での部門KGIが個別最適型だとして、今後のキャリアにおいて全体最適、Revenue Engineの一翼としてのキャリア機会に遭遇することがあるでしょう。その際に、自身のパフォーマンスとしてはMQLやSQL創出のみであったが、その売上貢献までを見る視野や取り組みを持った人がいるとすれば、比較的高く評価されることは想像できるでしょう。
 
今後のキャリアアップに向けた転職時の職務経歴や面接において、SQLWonまでの数値を語れるようになる為には、普段からデータを把握しないといけませんし、その結果に至る分析もできていることが望ましいでしょう。そして、ベストはSQLWonの課題に関して、何等か上流で工夫していることです。
 
ということで、まとめますと、今の会社の部門KGIが個別最適型になっていたとして、個々人のモチベーション、キャリアアップを考えると、多少のRole&Responsibility外であっても、SQLWonまでの把握、対策には取り組んでおくことが良いのではないでしょか?という提言です。(そして、次回同様のアンケートを取る場合は、部門KGIは何か?一方で個人としてどこまでを意識しているか?の二面で聞かなければならないことも認識しました。)

日本のB2BマーケティングをUpdatする為の日々の発信の元となりそうな書籍に利用させて頂きます。