「神」が"ここ"にいない理由



A「もし"上"が、「今」人間に対し"明らかに解る形で、御身を知らしめる"となったら、どうなると思う?」

B「面白いな、それは当然"オレたちにもわかる"ということだな」

A「そう、なんで"ここ"にいるのか、"見当もつかないオレたち"にもだ」

B「まずは、宗教上の争いは無くなるな。崇拝の対象である"上"が、もう『私は"ここ"にいる』と"正解を出す"からな」

B「それと、人間の良心がとがめる行為や思想も抑えられることになっていくだろう」

A「いいことだよな。そんないいことがあるのにじゃ、なぜ"上"はお姿を見せず、人間に先行きを見させない不安や、愚かな行動による悲しみと失望を与えているんだろう?」 

A「また、知らしめるだけでは貧困や不平等さを、すぐには解消させることはできない」

B「まあ、"上"のことだから、"あっという間に解消という結果"もあるかもだがな」

B「冗談は置いておいて、"上"は、人間に心を与えている

B「お前がいう不安や悲しみも、その心から来ているものだ」

B「それに伴う行動が愚かであることもある」

B「じゃ逆に聞くが、どうして"上"は、人間に苦痛を与えるような心を与えたと思う?」

A「苦しいときほど、"上"を意識せざるを得ないからか?そして祈ると」

B「そういう見方もあるな。ただ、それで誰もが"上"を信じるわけではないし、逆にその運命で、"上"を恨むヤツも出てくる

A「『そんなヤツらは地獄へ』って"上"がいったら、自分のことを信じさせないどころか、自身を恨ませるために"ここ"に来させて、"向こう"で罰を与えさせるというマッチポンプなことをしてるってことになるな」

B「そう、だから俺は"上"を信じまいと恨もうと”上”にとってはどうでもいいことと思っている」

B「"向こう"は、実体がないから物理的な苦痛や、情報の齟齬もない

B「それをあえて"ここ"を作ったということは、"上"は"ここ"でしか味わえない経験人間に与えているんじゃないか?」

B「それは苦悩だけでなく、喜びや感謝の気持ちも心に宿すこともできる。その感情の起伏は、お前がよく言っている変化だ」

A「“上"が今ご降臨あそばれないということは、その変化を望まれているからということか?」

B「そうだな、そしてその『種明かしを"ここ"でするのは無粋"上"は思っているのかもな」













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