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速水御舟 作 『炎舞』を書く ⑤

絵画の世界において、いわゆるオールドマスターと呼ばれる画家たち(18世紀以前の著名な画家)の作品に「タイトル」が付けられるようになったのは18世紀になってからだと云われている。それまでは、画家自らがタイトルをつけることは無かったようだが__________。一応これが通説だ。

絵画が一般庶民の暮らしに身近になるにしたがいオークションが活況を見せはじめると、作品を説明する上でもタイトルがあった方が分かりやすいだろうという思いが働いたものか、タイトル付けが一般化したようだ。それまでの宗教画から風俗画へのシフトが進んだ時代だ。

そんなことを考えていると________またぞろヤヤコシイものが首を擡げてくるのであった・・・

『御舟よ あなたは何故この作品に《炎舞》というタイトルをつけたのか。なぜ、一見陳腐とも思えるタイトルを冠したのか。"鍋島の皿に柘榴(大正10年)"とする必要があったことに寄り添うと感じられそうだが、破壊と創造、破壊と再構築を《炎舞》からどの様に立証してみよというのか。それとも違うファクトが・・・ 見落としているファクトが存在するのだろうか_________ どの道わたしは〈関東大震災・大正十二年秋〉があなたに齎した影に凝着をみせるのである』世一

速水御舟 鍋島の皿に柘榴 大正10年
速水御舟 炎舞 大正14年

まだまだ、お勉強は続くのでありました。
世一

山種美術館
2023/05/20 ~ 2023/07/17 「小林小径と速水御舟」展
〒150-0012 東京都渋谷区広尾3-12-36 
TEL:050-5541-8600 (ハローダイヤル)


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