随想一夕『わたしだけの夢殿』漂泊の画家 不染鉄 展 ~理想郷を求めて~奈良県立美術館
随想一夕『わたしだけの夢殿』漂泊の画家 不染鉄 展 ~理想郷を求めて~奈良県立美術館
2月27日の大阪は冷たい風が吹きすさぶ中、朝から霙まじりの雨が横から吹き付けるという重たい天気。それでも所々みせる雲の切れ間からは、柔らかな陽射しも顔を覗かせていた。それは夢殿にみる南の空の雲を割り、横一条の輝きを齎した様にすら思えたものだった。生憎、膵臓の痛みが引かず背中から鳩尾にかけて痛みが走っていたことから余程延期しようかとも考えたのだが、この状況であればいつ何時見られなくなる~書けなくなるやもしれずであり、無理してでも行かなくてはなるまいと足を運ぶこととしたのだが、結論としては行って正解だった。
年代ごとに多くの画が並べられていた。並べられていたのだがわたしの目的は「夢殿」一択。館内の係員の方に夢殿の展示場所を確認し足を運ぶ。階段を上り、通路を縫って歩く。最後の展示ブースの一画。夢殿がいた。生憎写真撮影は禁止であるため写真を撮ることはできなかったが、夢殿の前、一時間以上に渡り座って眺めることが出来た。
どうやら本当の意味でのわたしだけの夢殿を書くことが出来るまで画との対話はできたのかもしれない。
夢殿『秋涙』を可愛がっていただけている方にとってはきっと納得して頂けるものを仕上げることが出来るだろう。
わたしが何を感じ実画がどのような作品であったのかは夢殿『秋涙』完全版を読んでいただければ有難い。今晩から書き始める。忘れることは無いだろう。ただ言葉に置き換わるうえでの体感温度というものがある。これは感じたときが頃合いなのかもしれない。どの程度の増稿量になるか分らぬが、書かねばならぬことは壊れないよう凡てを入れておきたい。
行けて良かった。
行かなければいけなかった。
ご支援とご厚情に心より御礼申し上げます。
世一
上記linkは夢殿『秋 涙』令和六年版へのlinkです。
本日夜よりきっと最後となるであろう夢殿『秋 涙』完全版へと取り組みます。仕上がりましたら、お知らせ申し上げます。
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