見出し画像

【西粟倉村×厚真町×錦江町 特別座談会】エーゼログループ各地のコーディネーターが語り尽くす「ローカルベンチャースクール」とは何か?を開催しました!

この冬いよいよ開催となる「錦江町ローカルベンチャースクール」。ローカルベンチャースクール(以下、LVS)は岡山県西粟倉村、北海道厚真町で2016年よりエーゼログループが自治体と連携して開催してきた起業支援プログラムで、これまでに30人以上の起業家を輩出してきました。錦江町での開催は、九州初です。
募集にあたって、西粟倉村・厚真町・錦江町のコーディネーターがこれまでを振り返りながら、地域で起業するのに必要なことや、LVSの魅力を語りつくすオンラインイベントを行いました。本記事では本イベントにご参加いただけなかった方にも、イベントの熱量やエッセンスの一部をお伝えできれば幸いです!
※錦江町LVS2023のエントリーは2023年12月30日(土)まで締め切りを延長して募集中です。


エーゼログループ各地のコーディネーターが登壇

はじめに、登壇した西粟倉村・厚真町・錦江町でコーディネーターを務める、エーゼログループのメンバーから自己紹介と各地域の紹介を行いました。

まずは厚真町のLVSに過去8年間携わり、メンターとしても参画している花屋。ゲームメーカーのプログラマーからITベンチャーに転職し、プロジェクトマネージャーや管理職として新規事業立ち上げや組織運営を推進してきました。大規模案件のプロマネからローカルベンチャーの事業マネジメントまで、幅広い経験に基づく客観的でシャープな視点が特徴です。
厚真町は、海も山も揃う人口約4,300名の町。農林漁業と一次産業が盛んで、北海道らしい広葉樹の森や広大な牧場の景色が広がります。浜厚真海岸は北海道屈指のサーフスポットとして知られています。

サーファーが集まる浜厚真海岸

続いては、西粟倉村のLVSに8年間携わってきた高橋。印刷会社の企画営業職やデザイン制作会社のプランナー・ディレクター職を経験したのちに、西粟倉村に移住しました。西粟倉村に加え、厚真町や錦江町の移住・起業支援プログラムの企画運営、情報発信にも携わってきました。申し遅れましたが、本記事の執筆も担当しています。

西粟倉村は、面積の約95%を森林が占める林業の村。人口は約1,400名と3地域ではダントツに小さな地域ですが、村ぐるみで山を管理し次世代につないでいくことを目指す「百年の森林構想」を掲げており、起業家が集まる「ローカルベンチャーの村」としても知られるようになりました。

丁寧に手入れされている、百年の森林

最後にご紹介するのが、今年度から錦江町の現地担当者となった大井。人材業界の大手企業の営業職から、エーゼログループに転職してきた若手のホープ。西粟倉村で移住・起業支援プログラムの企画運営に4年間携わってきました。この春からは錦江町に移住し、新拠点でローカルベンチャー事業推進に向けて奮闘しています。
錦江町は海に面した人口約6,400名の町。海岸地帯から高原地帯まで高低差がある地形と気候の違いを活かした、少量多品目の農業が営まれています。近年ではエーゼログループの錦江町オフィスも入居している廃校を活用したサテライトオフィス・コワーキングスペースが新たなチャレンジャーの集う拠点となっていたり、地域おこし協力隊として新たなプロジェクトを起こす人が出てきたりと、挑戦の潮流が育まれつつあります。

地域活性化センター神川(旧神川中学校)のコワーキングスペース

ローカルで事業を考えるポイント

続いては予備知識として、都会とローカルの違いからローカルで事業を考えるポイントについて、花屋からミニ講義を行いました。

皆さんは、都会とローカルの違いはどのようなところにあると思いますか?
花屋からお伝えしたのはこちらの3点でした。

リソースについては、社会資本(お金・情報・インフラなど)、自然資本(自然環境)、関係資本(地域・周囲との関係性)の3つに分けて話を進めていきました。

まず都会について考えてみると、社会資本が豊富にあり、そこからお金を生み出しやすい環境と言えます。ローカルでも社会資本からお金を生み出すことはできますが、都会に敵うほどの資本量はありません。
代わりに、ローカルには自然資本や関係資本が比較的豊富で、そこから多様な価値を生み出しやすい環境があります。ローカルベンチャーにとっては、自然資本や関係資本から何を生み出し、どのような意味づけをするかに事業のヒントがあると言えそうです。さらに昨今ではデジタル技術が急激に進んでおり、デジタルを通じて都会と田舎の垣根を越えてできることも考えられるかもしれません。

上記を踏まえ、ローカルで事業を考えるためのポイントとしては、以下の7つが挙げられました。

1、コツコツ続けられるものって何だろう?
2、事業以外も大事、人間関係を怖がらない(関係資本を積み上げよう)
3、自然資本をうまくお金に換えられないか?
4、お金以外の価値観を楽しめるか?
5、お金以外の価値観を伝えられないか?
6、オンラインやテクノロジーを活用できないか?
7、(都会から)積極的な投資を集められないか?

これらの視点から考えてみると、ローカルで行うからこその事業の強みや、自分自身の幸せと事業のつながりもより見つかりやすくなりそうですね!
実際に私自身も東京から西粟倉村に移住してみて、人と人の距離感の近さや頼れる人・助けてくれる人が多さに驚きました。錦江町では人と関わりたい、仲良くなりたい町民の皆さんが多い印象があり、移住する方は住みやすく、活動もしやすいだろうなと感じます。

実際に西粟倉村・厚真町・錦江町で起業した人たち

西粟倉村・厚真町のLVSでは、これまで30件・32名が起業(採択)してきました。LVS以外で起業した方も含めると、西粟倉村のローカルベンチャーは約60社、厚真町でも数多くの起業家が活躍されています。事業分野は様々ですが、ここでは6ジャンルに分けて総計54社の事業内容や起業にまつわるエピソードをご紹介しました。

個々の紹介は本記事では割愛しますが、好きなこと・やりたいことに粘り強く取り組む方、素直で真っすぐな姿勢をもって地域の方々と活動をしている方、不器用ながらも周囲の応援によって挑戦する覚悟を持てた方など…本当に様々な方がそれぞれの背景や思いで、今も地域の事業にチャレンジし続けていて、思い出すと今も胸が熱くなるエピソードがいっぱいです。
(例:西粟倉村で鹿革の事業に取り組む革職人のエピソード

錦江町でも近年、地元事業者や移住者の多様なチャレンジが増えつつあります。イベントでは、こちらの記事でも登場しているゲストハウス・シェアハウス運営をしている方や、草木染め作家の方をご紹介しました。
これからLVSを通じてさらなるチャレンジが生まれていくと思うと、とても楽しみです!

ローカルベンチャースクールで得られるもの

そしていよいよ、LVSについてご紹介する時間に。錦江町LVSについては大井からプログラムの流れをご紹介し、3名の会話の中から何を大事にして運営を行っているのかをお伝えしました。

LVSは2泊3日の一次選考合宿と最終選考会の2回の選考会からなるプログラム。「選考」と名がつきつつも、メンターや役場職員が参加者と全力で向き合い、対話による事業ブラッシュアップを重視した内容であることが特徴です。

起業や事業の継続においては、大変なこともたくさんあると思いますが、本当にやりたいことならきっと頑張れるし、頑張り続ける理由になる。そして、人に伝わるものがあると私たちは考えています。
だからこそLVSでは、ビジネスプランの精度よりも「なぜやるのか」「何をしたいのか」といった根本がその人自身の本音と一致していて、本当に腹落ちしているかを大事にしており、その上でそれをどうやって実現していくのかを考えていきます。

自分の本音や事業の根本にとことん向き合う内容のため、たとえ不採択になっても「自分自身にとっていい機会になった」と言ってくださる方もいらっしゃいました。時には、受け入れる地域側の本気と覚悟が問われることもあり、参加者側と受け入れ側が一緒に成長していくところは、他にはないプログラムの特徴なのではないかと思います。
(参考:LVSに参加しているメンターの皆さんの考え方については、こちらの記事を読んでいただくとわかりやすいと思います!)

こんな人にぜひ参加してほしい!

あっという間の1時間半で、いよいよイベントの締めくくりに。
最後はこの2つの問いについて、登壇者3名がそれぞれ答えていきました。

高橋)ローカルベンチャーとは、好きなもの・やりたいことを人と分かち合うことに情熱を注げる人だと考えている。彼らが地域で活動することで、日々に楽しみが生まれる人や挑戦する勇気がもらえる人が増えていくと思う。人と分かち合いたい好きなもの・やりたいことがある方、エントリーをお待ちしています。

花屋)好きなもの、やりたいことを人と分かち合いたいというのはある種本質なのではないかと思う。そのためには、自分の中には何があるのか、なぜやりたいのかを見極めて深掘りすることが大事。色んな人に色んなことを言われて、それでも『やっぱりこれ』というものにたどり着けた人たちがローカルベンチャー。自分の大事なものをちゃんと大事にできると、周りの人たちと大事にし合える関係ができていく。自分自身をちゃんと知ろうとする人と出会えたらいいなと思います。

大井)自分自身と向き合いながら、やりたいことを持っていて、周りを勇気づけられる人がローカルベンチャーではないか。諦めずに取り組んでいくとこんな風に変わっていくんだ、こうやって実現できるんだということを、本人だけではなくて周囲にも伝えて影響していく存在だと思う。そんな人たちに来ていただけたら楽しい地域になるし、続いていく地域になると思う。

個々人で少しずつ視点は異なりつつもお互いに共感し合える、そんな回答でした。この記事を読んでくださっているあなたにも共感したり、わくわくできた部分があったなら、ぜひローカルベンチャースクールにご参加いただけたら嬉しいです!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


<錦江町ローカルベンチャースクール2023について>
ただいま募集期間を延長し、2023年12月30日(日)までエントリー者を募集中です。
オンライン説明会(12/13(水)19:30〜21:00/12/16(土)10:00〜11:30/12/18(月)19:30〜21:00/12/26(火)19:30〜21:00)や個別相談(随時)も行っています。
公式サイト



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?