『本当のことを君に話そう』

本当にすまないと思っている。
尻の穴にたいして。

・昨日の激辛カップ麺だよな？

はい/はい

や、そうじゃない。
トイレのついでに本当に皆に話さなきゃないことを話そう。
ぜひともそうしなければならない。
無論それはTHE BOOMの『風になりたい』についてだ。

あれを鼻にかけて気取って歌う奴をときおり見かけるのだが、サビ終わりの「風に～なり～たい～♪」のところで頭に「ん」入れるのがいかん。八分休符的に間を入れてリズムをつくるとゆーか、スイングするとゆーか、グルービー感だそーとしてるとゆーか(や、よー知らんけど(ここでは鼻をほじる真似をしながら聞いてくれるとすごく助かる))

そうなるとどうしたって「ん風に～なり～たい～♪」になっちゃうじゃん？

や、正確には、もっとこう、鼻にかけてるわけだから「ん風に～なり～な“い～♪」なわけじゃん。腹立つー。「なり～だい～♪」でもかつてない腹立たしさを内包してるのに「なり～な“い～♪」て。

いー気分なんだからほっといてやれよ。
カラオケなんやから自己満でえーやないか。
むしろそうさせてやれよ。

や、わかる。
や、わこる。
すこぶる理屈はわこるよ。

だが、いっぺんでいー。口に出して実際自分で歌ってみてよ。いー気分で鼻にかけてね。さんはい！

「ん風に～なり～な“い～♪」

--かつてないほど自分を腹立たしく感じるじゃまいか。
はい/はい

やー、ほんまに腹立つわー。いっそすがすがしいほどだ。ね。
はい/はい

こんな魔法がTHE BOOMの『風になりたい』には仕掛けられていたんだよ。気づかなかったかい？
そうこれが今日中に君たちにどうしても打ち明けたかった話だ。

誰だい？
「尻を洗って待っていろ！」なんて語気をあらげてる御仁は。そんなことで腹を立てるよりも、ぜひとも「ん風に～なり～な“い～♪」の法則で腹をたてておくれよ。

どうしたってそーゆーことになるのだからして。
あでゅー。