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是非に及ばず 僕の好きな言葉

織田信長の口癖とも、死に際に言った一言とも言われているこの言葉。
「しょうがない」「仕方ないな」といった諦めの意味で使われることが多いですが、もう1つの意味があることを知ってますか?

大人気の座右の銘シリーズ第2弾。
「座右の銘は?」という質問に対してバチバチにカッコいいセリフをかましたい方
今期の大河ドラマ、「どうする家康」を楽しむために小ネタを1つでも多く予習しておきたい方
なんかニヒルでカッコいい口癖が欲しい戦国武将の方

どうぞ最後までお付き合いください。
その前に、前回の座右の銘シリーズ第1弾はこちらです。

本能寺の変にて明智光秀が謀反を起こしたと知った時の一言

この記事には今年の大河ドラマ「どうする家康」のネタバレが含まれることをご了承ください。

1582年明智光秀の謀反により、織田信長が討たれます。
その際に織田信長が言ったというのが、今回の言葉で
「明智ほどの男に謀反をされたならしょうがないな。」
と織田信長。

明智光秀という男は、名家の生まれにも拘らず、領主のお家騒動に巻き込まれ、浪人になるわ、奥様が髪を売ってしのぐ程貧乏になるわ、「ここで働かせてください!」と岐阜からわざわざ広島まできたのに「お前優秀だけど、なんか腹黒そうだからダメっ」って断られたり
ようやく実力発揮できる織田家にたどり着くも「きんか頭!」などと罵られたりと
まぁなかなかストレス社会に生きた人物でした。

その一方で、歴史文献をひっくり返しても彼が無能であったことは殆ど書かれていません
敵も味方も認めるほど優秀だったようです。

当の信長でさえ、明智相手は無理だ・・・と半ば諦めるほど・・・
というのがよく「是非に及ばず」の意味です。

良いか悪いか考えてる暇などない

是非というのは物事の善悪。
及ばずというのは、考える暇などないという意味。

起きてしまった事の善悪を議論に至る暇もない。
それより、今やれる事を全力で行おう。
という前向きな言葉なのです。

そうやって聞くと、本能寺での言葉も違って聞こえます。
「明智が謀反・・・何故だ、いやそれより今はやるべきことがある」
神速の異名を持つほど、異常な速度での侵攻や政策。
桶狭間から本能寺までの20年という激動っぷりを振り返ると
信長という男は常にこの言葉を信条にしていたのかもしれません。

松永久秀、浅井長政、荒木村重、この時代謀反や離反など珍しい話ではありませんが、何度も裏切られそれでも天下布武を目指した彼は、ごちゃごちゃいう前に何とかしなくてはいけなかったんでしょう。

是非に及びませんなぁ

水道工事を不動産経由でお願いしたのに、期限までに返事が無かったり
修理依頼している家電がなかなか帰ってこなかったり
退職届で送るのを拒否されたので直接お渡しに行かねばならなかったり
なんでだよ!と叫びたくなることは生きているうちに山ほどあります。

ですがそこは、良いか悪いかとかどうでもいいんで、僕は僕のやるべきことをやってこ
というマインドで居続けたいです。

ちなみに

直江兼続が徳川家康に謀反の疑いをかけられた際に「んなわけねぇだろ、バカ殿が」という趣旨の煽り文お手紙の一説にも是非に及ばずという文言が使われております。
これは何も信長に感化されてではなく、純粋に使いたかっただけだと思います。
このように、いつなん時決め台詞を言うタイミングがあったものか分かりません。
その時に備え、座右の銘という懐刀は磨き続ける事を、ゆめ怠ってはなりませんな。

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