露塵散

東京を形作っている凸凹、スリバチ地形を愛し、日々街歩きしています。坂、階段、暗渠はもち…

露塵散

東京を形作っている凸凹、スリバチ地形を愛し、日々街歩きしています。坂、階段、暗渠はもちろん、特に路地探索が好きです。そんな路地に積もったつゆ、ちりを踏みしめ散歩しています。

最近の記事

東京路地紀行 46 四谷若葉

夜の四谷の路地を歩きましょう。 以前、荒木町の路地を紹介しました。今回は新宿通り(甲州街道)をはさんで反対側の若葉の路地です。 荒木町の路地を形成していた池の水は低いほうへ流れ出し、今は靖国通りとなっている紅葉川に流れ込んで、市ヶ谷の先で外濠に合流していました。 こちらの若葉の川は赤坂御所に流れ込んで、その先で外濠に合流していました。 その川筋の上流端(源流)は若葉公園という公園になっています。三方が崖に囲まれた2級スリバチ地形(*1)。そして公園の隅、崖下を覗くとわずか

    • 東京探索記 21 初夏の馬込

      馬込九十九谷(つくもたに)と言われるくらいにほんとうに馬込には谷が多いです。そして谷があるところには丘があり、両者をつなぐ階段や坂があります。そんな馬込を5月初めに歩いた記録と記憶。 今回、馬込を訪れた理由は池上本門寺の庭園、松濤園の期間限定公開があったから。というわけでまずは東急池上線 池上駅から本門寺へ向かいました。 ゴールデンウィークのこの日は快晴。雲一つなく空が広かった、気持ちいいですね(^^♪ 松濤園をゆっくり回遊してからいよいよ馬込の街中?へ。 松濤園は湧水

      • 東京探索記 20 日暮里崖線を歩く

        ゴールデンウィークのある日、上野から田端まで歩きました。 何目的で4駅分を、と思われるでしょうが歩くのが好きなので、というほかないでしょうか。 まず上野の東京藝術大学美術館で「大吉原展」を。 その後、田端駅前の田端文士村記念館で企画展「芸術村のお住居拝見」へ。 ということで展示会のはしごでの移動となりました。 藝大美術館は上野台にあります。田端の文士村記念館は駅そばの江戸坂の途中にあります。江戸坂の上は田端台の台地。広い視野でいうとどちらも上野台になります。上野台の先端上

        • 東京路地紀行 45 南麻布

          今回も南麻布の路地を訪れました。 その路地は短くて行き止まり。昭和時代の名残りのような木造家屋が数軒、長屋状に並んで建っています。 この路地の奥は柵に遮られてその先へは行けないようになっています。 数年前まではそこにはアパートが建ち、井戸ポンプもありましたが、その後建物は取り壊され、井戸も消え、更地になりました。 今頃は新しいマンションがたっているのでしょうかね。 2022年7月に撮影した上の写真(↑)では路地の奥は白いビニールシートみたいなものでふさがれています。20

        東京路地紀行 46 四谷若葉

          東京路地紀行 44 南麻布南部坂

          港区に南部坂は2つあります。 一本は赤坂、もう一本は今回訪れた南麻布。 赤坂のほうは、アメリカ大使館宿舎横。 こちら南麻布のほうは、ドイツ大使館横。 どちらも大使館関連施設に接しています。 さて、南麻布の南部坂の途中に今回訪れた路地があります。 路地と言っても短い路地ですぐに空き地になっています。 坂の上はドイツ大使館、坂道の向かい側は有栖川宮記念公園、つまり旧有栖川宮邸。そして周りは外国人も多く住んでいる広尾の高級マンション地区。 こんな場所にポツンと残っています。 奥

          東京路地紀行 44 南麻布南部坂

          東京路地紀行 43 荒川区

          東京ではかつて都電が走っていました。しかし、自動車、トラック、バスなどの増加で利用客が減少、交通渋滞の一因ともされてしまい、路線は順次廃止されていきました。そのときに出た路線の敷石がいろいろなところで再利用されています。 ここの路地で使われている敷石もそのような都電由来なのでしょうか? とは言いつつ、荒川区内にはまだ路面電車が走っていますね。別の路線から譲り受けたのか、やはり全く関係ないのか? 路地の中を歩いて気がつくのは、未舗装な地面に敷石を置いているところとコンクリ

          東京路地紀行 43 荒川区

          東京路地紀行 42 荒川区

          荒川区。その名の通り、荒川のそばにあります。 東と北を荒川と接し、西は尾久で北区と、南は三ノ輪のあたりで台東区と接しています。住宅と町工場が多い印象の区ですが、歩いていると突然路地が出現します。 そんな路地のいくつかを探索してみました。 ゆるやかにカーブした商店街(と言ってもいまは営業していない店が多い)から横にのびている路地です。 通りに面したトタン家屋に導かれるように入っていきます。 その先にアパートが両側に迫っている1本道の路地がありました。 こんな古い住居表示板

          東京路地紀行 42 荒川区

          東京探索記 19 落合の牡丹

          前の記事では躑躅を紹介。そしてソメイヨシノのあとに急いでみないと花どきを過ぎてしまうのが牡丹。 かつての牡丹は4月下旬、ゴールデンウィーク前が見ごろの感じでしたが、今は早まり、4月中旬には満開を迎えるようです。。。 「満開を迎えるようです」と自信なさげなことを書きましたが、牡丹の咲き時、満開時がどうもわかりません。ソメイヨシノ、躑躅などと異なり、街中にあふれているわけではなく、民家の庭先でもほとんどみかけません。ではどこで咲いているのか? それはお寺に咲いているイメージです

          東京探索記 19 落合の牡丹

          東京探索記 18 駒込の躑躅

          今年(2024年)は3月にはいってから寒い日々が続き、東京ではソメイヨシノも4月になるまで満開にはならず、花見ファンはいつになったらシートを広げられるんだ、とやきもきしたことでしょう。 そのソメイヨシノが目黒川を花筏となって流れていって まもなく、ここからは堰をきったような開花ラッシュ🌸🌸🌸 躑躅、牡丹、藤、石楠花、薔薇、菖蒲、そして紫陽花。。。 しばらく毎週のように季節を代表する花たちの共演競演が続きます。 まず先頭をきるのは躑躅。 ここでは五月(さつき)もあわせて躑躅

          東京探索記 18 駒込の躑躅

          東京路地紀行 41 北新宿、中野、神田川

          今年もソメイヨシノが散り始めた4月上旬の夜。 神田川沿いの桜と右岸の北新宿、左岸の中野の路地を歩きました。 川べりのソメイヨシノは満開を過ぎて散り始めていましたが、まだ花筏をつくるほどではありませんでした。 さて、この川べりの遊歩道に並行するように路地が広がっています。 西新宿は昔からの木造住宅密集地域(木密地区、と呼ばれます)が再開発できれいさっぱり消え、代わりに高層マンションが何棟も建っています。 一方こちらの北新宿はそのような再開発から忘れられたように昔の姿を残した

          東京路地紀行 41 北新宿、中野、神田川

          東京探索記 17 武蔵野の桜

          4月7日(日)、暑さを感じるほどの快晴の日曜日、友人たちと小金井から武蔵野市へかけて、用水路や玉川上水を辿りながら数々の満開の桜を見てきました。 玉川上水の両側の桜。 小金井公園そばの玉川上水の両岸にそって桜並木が続いています。 見ると空が広いです。上水の流れのそばに寄ってみると、たくさんの切り株。どうやら伐採されてしまったようです。本来の玉川上水は狭いながらも峡谷のような鬱蒼とした場所です。まあこれはこれで眺めがよくていいのかもしれません。 桜堤の桜。 こちらは武蔵野市

          東京探索記 17 武蔵野の桜

          東京探索記 16 新宿常圓寺の夜桜

          新宿区西新宿の青梅街道沿いにある常圓寺では、境内に何本かの桜があり、お花見のこの季節になると夜も21時まで開門し、ライトアップしてくれています。 今年は開花が遅く、今週(4/1週)になってやっとお花見ができる咲きっぷりとなりました。 この寺の桜は枝垂れ桜とソメイヨシノ。 枝垂れ桜のほうが開花が早く、4月1日時点で満開、 ソメイヨシノはまだ寂しい咲き方の状態でした。 下の写真のように満開の枝垂れ桜は山門に覆いかぶさるような咲きっぷり。迫力があります。 こちらは4月8日の

          東京探索記 16 新宿常圓寺の夜桜

          東京路地紀行 40 四谷荒木町

          荒木町といえばかつての花街。 いまでも当時の面影がところどころに残っています。 特に夜の雰囲気は花街を思わせるものがあります。 いま荒木町とよばれている場所は江戸時代は松平摂津守の屋敷だったところ。新宿通り(甲州街道)を尾根として北の靖国通り(紅葉川)へ向かって傾斜していく地形。この地形を生かして、途中に池をしつらえた池泉式庭園を屋敷内に持っていました。 その池、策の池(ムチの池)、地元の人はカッパ池とも、を谷底に360度全方位が坂または階段に覆われたスリバチ地形を形作

          東京路地紀行 40 四谷荒木町

          東京探索記 15 目黒~3月終わりの日の一風景~

          3月末になってやっとソメイヨシノの開花が宣言された東京。昨年の今頃はもう桜は散っていて、地球温暖化でどんどん早くなるぞと今年は3月初めから花見を身構えていた諸兄も多いことと思いますが、3月になってからも真冬の寒さが続き、結局例年通りに近いタイミングの開花に落ち着きましたね。こればかりはお天道さまの気分次第、というところでしょうか。 さて、花見目的ではないのですが、3月30日に目黒区内を散歩しました。 そういえば、江戸時代に何代めかの将軍様が、目黒の茶屋で休憩中に魚を食して、

          東京探索記 15 目黒~3月終わりの日の一風景~

          東京路地紀行 39 目黒区祐天寺

          東急東横線祐天寺駅と中目黒駅の中間あたりに残っている路地。 どちらの駅からも同じくらいの距離、どちらの駅前商店街も利用できるということでしょうか、それは便利かも。 そんな場所にその路地たちはあります。 付け加えるとこのへんの路地は土地の高低差を利用して低いところに位置しています。崖上側の道からだと路地の全容がよく見えます。 少し遠目に構えると、銭湯の煙突が見えたり、 隣の路地では中目黒駅まえのタワーマンションが視界に入ってきます。 崖下側に下りると見えてくる風景はまた

          東京路地紀行 39 目黒区祐天寺

          東京探索記 14 荒木町の夜桜

          今年(令和6年)は3月にはいってから寒い日が続き、桜の開花が昨年よりも遅れているようですね。 というか平年並みに戻ったというべきでしょうか。地球温暖化で年々開花が早まるばかりかというとそうでもないようで。 これはソメイヨシノの開花のことですが、それとは別に毎年満開の桜を楽しみにして観ているのが、新宿区荒木町の弁天池のほとりに咲く早咲きの桜です。 昨年は3月17日に観にいくと満開でした。ところが今年は行くのをついうっかり忘れ、さらに雨なども重なりタイミングを逃していたのですが

          東京探索記 14 荒木町の夜桜