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憲法れんそうカレー

タイにグリーンカレーあり。
ところでゴールデンウィークにはみどりの日と憲法記念日が含まれている。ということで、ゴールデンウィークに自己流グリーンカレーを料理しながら、憲法について妄想した記録。


材料

ホウレン草    1杷
大豆肉      好きなだけ
玉葱       1/4
生姜       半欠け
大蒜       1欠け
柚子胡椒     大匙1
ターメリック粉  小匙1
クミン粉     大匙1
コリアンダー粉  大匙1
カルダモン    小匙1
ローレル     1枚
塩        適量
ガラムマサラ   大匙1
ココナッツオイル 大匙2
ウスターソース  適量
酢        適量
片栗粉      大匙2
出汁つゆ     100㎖

私は明治維新が必ずしも正しかったとは思っていません。DSに唆された下級武士達の革命であり、疑問に思うことが多い。それでも志士と呼ばれた人々は彼等なりにこの国を近代国家に生まれ変わらせようと情熱を持っていたと信じたい。
近代国家として必要なことと考えたのが憲法と議会。
国家の基本原則となるべき憲法作りに大きな働きをしたのが井上毅(いのうえこわし)


ざく切りのほうれん草を塩茹で。

薩長主導の明治政府にあって珍しく熊本出身。
天保十四年(1844)生まれですが、幼い頃から神童の呼び声高く、下級武士出身でしたが家老に目を掛けられて儒学や国学を学び、江戸や長崎にも留学。
フランス語にも通じた。
元々、日本は西欧諸国と国柄が違うので無理に通好する必要はないという鎖国堅持派。
それでも維新後は明治政府に招かれて重用される。


大豆肉を水に浸して戻す。

秀才というべき人物。
「真面目で横着ではなく、図々しい所がない」と井上を評したのは中江兆民。
その通りな人物だったのか、興味深い逸話などは見つからず。人としての面白みはあまりなかったかもしれません。それでも彼は明治新国家の全体像を作った黒幕と言える。ぼんやりとしか見えないのは正に黒幕。
大久保利通、岩倉具視、伊藤博文と大物たちに懐刀のような存在として仕える。というより、もしかしたら井上の方が彼等のような権力者を自分の理想を実現するために使っていた?


大蒜と生姜を摺り下ろす。

明治十四年(1881)北海道開拓の施設を商人に安価に払下げようとした事実が新聞に載り問題視され、大隈重信らが罷免された「明治十四年政変」
大隈を政府から追放したのは伊藤博文ですが、背後で糸を引いたのは井上だった?
官有物払下げの情報を意図的に新聞社に流したのも井上かもしれない。
大隈は英国流の国会開設や自由民権運動の旗手。一方、井上はドイツ流の立憲君主制の方が日本に合うとして、その導入を図っていた。対立する大隈を排除するためということか。強引な手を使ってでも邪魔者は排除。


玉葱微塵切り。

こうして井上らはドイツ風な立憲君主制を目指す憲法作りに着手。
明治十九年(1886)伊藤博文、井上毅、金子堅太郎、伊東巳代治達四人は横須賀の夏島にあった伊藤の別荘に籠って二ヶ月間、喧々諤々の議論。
井上は西洋諸国の憲法だけではなく、日本の国柄を盛り込むべく『古事記』『日本書記』や『万葉集』も研究。
更に練り上げられて、ついに明治二十二年(1889)に『大日本帝国憲法』は欽定憲法。つまり明治天皇から臣民に下賜という形で発布。
実に三年掛かって完成。


茹で上がったほうれん草を少し水を加えてミキサーで攪拌。

井上毅は大日本帝国憲法の他にも『教育勅語』や『軍人勅諭』という教育と軍事の根幹作りにも貢献。
憲法に内閣の文言や役割を規定することを井上は頑として拒んだ。議院内閣制は英国流であり、この国にはそぐわないという主張は最後まで変えず。
自分の信念にはあくまでも頑固。


スパイス類と玉葱をココナツオイルで練りながら炒める。

翌明治二十三年(1890)に施行された大日本帝国憲法ですが、昭和二十年(1945)に日本が大東亜戦争に敗戦。乗り込んで来たGHQは憲法改正を政府に指示。
幾つか案が出されたのですが、マッカーサーはどれも気に入らず。
あまり変わらないので意味がないということで、GHQは独自の案を作成。
つまり変える必要なかったということじゃないの?それだけ井上らが作った憲法は日本に合っていたということかもしれません。
結果、9日間で作り上げた草案をほぼそのまま公布されたのが現在、我々日本人を縛っている『日本国憲法』


出汁つゆ、水と共に大豆肉、ホウレン草ペースト投入。

GHQが作ったということから明らかなように原文は英語。それを翻訳したので日本語としてはぎこちない。国の根幹となる憲法が外国語で書かれているのは奇妙な話。
作成に関わったアメリカ人達は後年、自分達が作った憲法がずっと使われているのを知り、驚いたという。
「暫定的な物であり、日本人が自分達でとっくに新たな憲法を作ったと思っていた」という言葉を遺している。


出汁パックに入れたカルダモン、ローレル、ガラムマサラ、柚子胡椒投入。

井上毅らが議論を重ねて三年がかりで作った『大日本帝国憲法』に比べれば9日間で英語で書かれた『日本国憲法』は落書きに近い。
日本共産党は「アメリカ言いなりやめよう」とよく言いますが、こうした経緯を見れば、憲法こそアメリカ言いなりの象徴。それなのに憲法を守れと声高に言うのは矛盾。
一方、自民党も結党の理念は自主憲法制定の筈が、なかなか着手せず。
今、岸田首相は任期中に憲法改正を目指すと言っていますが要注意。


ウスターソースと酢を回し入れて、水溶き片栗粉でとろみをつける。

自民党の改正案には緊急事態条項が含まれる。
これは戦争、災害、疫病等の際に政府に全権を集中させて基本的人権に制限を加えることが可能になる項目。
具体的にはコ▢ナ茶番デミックのようなことが起こったら、否応なく全国民に輪苦珍を駐車することを強制出来る可能性。
支配者層は日本人を絶滅させたいのでしょうから有り得る。


憲法れんそうカレー

柚子胡椒で付けた辛みとホウレン草の微かな甘味が絶妙な加減。
出汁つゆを使ったことで何となく和風ベース。
鉄分たっぷり、大豆肉でタンパク質。玉葱で血液サラサラ効果ばかりかアリシンで食欲倍増。

護憲、改憲と意見は色々あるが私はそもそも憲法って必要なのかと思う。
近代国家の魁のような顔をしている英国には明確に成文化された憲法は存在せず。
そもそも近代憲法などなくても日本はずっと国を維持してきた歴史がある。
どうしても憲法が必要というなら聖徳太子の『十七条憲法』を復活させればいい。
「和を以て尊しと成せ」がこの国の根本。
憲法というものを妄想しながら、憲法れんそうカレーをご馳走様でした。

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