21日目 国境越え・黄昏カマキリ・死のバス

昨日の18時に無事スタートしましたこのバスですが、今のところ順調に進んでおります

我らのバス

外を見ていても変わり映えのしない風景なので映画でも見ましょう
ティム・バートン版のバットマンを再視聴
ジャックニコルソンの怪演とティム・バートンの毒々しさ満載のコメディが原作コミックスの世界観と相性が良すぎて相乗効果!より最高なものになっている(この後も映画の感想出てきますが、他で書いてるのでテキトーです)

ちなみにこのバス、「死のバス」「地獄」などと言われたりすることもあるらしい
今のところそのような感じはないけど…
強いて言えば、25時間という長さなのに充電やWi-Fiがないことだろうか
座席も完全に横になれるわけではないがそれなりに倒せるし、長距離バスあるあるのうっすい毛布もちゃんとある

バットマンを観ている最中から尿意がやばかったが、ようやく止まってくれた
急いで降りてトイレに行く
帰ってくるとバスが閉まってる、聞くとここで休憩らしい
中に荷物があるから取らせてくれと言っても、開けてくれない(そんくらい良いじゃんか!)
諦めて、みんながレストランで食事しながら充電やらしてる隣で1人虚無の時間を過ごすのだった
その後のバスは休憩もあってか友達同士話している人もちらほら
後ろのカップルもペラペラ話していたので、英語勉強の良い機会だと思って一生懸命盗み聞きする
早すぎてついていけない、それでも諦めずしがみついていたらいつの間にか寝落ち

朝国境のところで起こされた
寝ぼけたままパスポートを見せ、ゲートを通過する
お〜!ラオスだ〜!周りは山ばっかで涼しいぜ〜!と思っていたら
これから前の大きい建物に入って国境越えらしい、どうも緩いと思ったら

通過

だが、実際緩かった、パスポートを見せるだけで何もなく通過

よーしラオスだー!と思ったら今のは出国審査だったらしい、全く紛らわしい
これからラオスに入国審査があるとのこと
じゃあ今いるベトナムの出国管理の建物とラオスの入国管理の建物に挟まれたここはなんという国なんだろう
すでにバスが止まってから1時間は過ぎている、やることもないし暇だなーとしていると、犬がベトナムゲートからタタタッっと走ってラオスの方へ駆け抜けていった
犬は審査とか関係なくていいな、憧れちまうぜ

ベトナムの飯をラオスで食う
粋なワンコ

ようやく入国審査も終えて、バス出発
審査自体は簡単な作業なのに、なんだかんだ待ち時間があって(係の人が談笑してる時間)、結局2時間国境付近に時間を取られた

昨日の朝11時くらいから何も食べていないしなんとなく腹が減ってきた
次の休憩はどこだろうと思いながら、ティム・バートンのバットマンシリーズ2作目バットマンリターンズをみる
1作目のジョーカーと比べてしまうとどうしても見劣りしてしまうが、我らがミシェル・ファイファー様のキャットウーマンは素晴らしく、ティム・バートンの世界観のおかげで最低限の華は保たれていて、普通に楽しめる

あのシーンのバットマンの唇から鼻先へのライン美しい
わかる人はわかるはず

次の休憩所
まだ両替していないので、ベトナムのお金を使えるか?使えるなら注文はいくらか?と聞いてもおばちゃんは頷くことしかしない
Google翻訳様にベトナム語もラオスのラオ語も話してもらったがやはり頷くだけ
終いにはその店の子供の女の子にわかったから座ってろと嗜められる始末
注文もしていないのに大丈夫なことがあるだろうか?俺はこの昼飯にかけているんだよ!(気づくと前回の飯から丸1日過ぎている)
しばらく様子を伺っていたら頼んでもいないフォーが来た
フォーの気分ではなかったが、まぁ良いでしょう、ごちそう様でした

そういえばベトナムにいたのにフォー食べてない
よってラオスで初フォー

そっからしばらく揺られる
ラオスの山の中を走っているようで、ところどころ集落がある
集落から次の集落まで車で数十分、子供はいるが学校らしきものは全くない
大人はみんな座ってボケーとしてる
ベトナムでもそうだったが、昼なのに結構みんな飲んだりだらだらしてる
日本とはだいぶ仕事の捉え方が違う
若者も若者でスマホで動画を見るか、ゲームをするか、はたまた友達たちと遊んでいるか
もちろん家の中の暮らしを見てるわけじゃないからわからないが、こっちの人たち、特に田舎の方の人たちはその中で暮らして行くことが普通であり、その普通から外れることはだいぶ難しいことのように思う
子供達もその中でできる娯楽を享受してるように思う
日本人は日本にいる以上、多くのことにアクセスする機会が自分次第で持てるわけで、それをするかしないかが自由になっているが、こっちの人たちはその自由以前にアクセス権がない
ないかはわからないけど、確実に少なく見える
俺はなんもしてないなーと、長いこと窓の外を見て黄昏ていると、ふと子供達が手を振ってくれていたことに気づく
この道をバスが通ることは1日に1回あるかどうからしい
どこの集落の子供も気づくと手を振ってくれていた
気づいてからは振り返すようにしたが、最初物思いに耽って無視していたであろう子供達に、考えていたことも相まってなんとなく申し訳なくなった

牛放し飼いはデフォルトらしい
のどか

集落も少なくなり、山が本格的になってくると信じられないくらいバスが揺れるようになる
日光の方にいろは坂みたいなのがあって、修学旅行で行って揺れる〜と思った記憶があるが、そんなの比じゃない、今まで乗ったどの乗り物よりも揺れた
道路はガタガタだし、運転も荒いし、すごい時は2階の座席から落ちそうになる
そしてよく停まる
走っては揺れ、揺れては停まり、走っては揺れの繰り返し
明るいうちに充電節約も兼ねて本でも読もうかと思ったが、こんな中読んだらビニール袋がゲロでパンパンになるだろう
これが地獄ってことなのかと思い調べてみると、他にも山賊に襲撃されることもあるとか書いてあってびっくりして、調べるのやめた

夜、ようやく夕食休憩かと思ったらそこに食堂はなく、トイレ休憩らしい
夕飯は到着後予定らしいが、話を聞いてると到着が最悪5時間遅れるらしい
渋滞があったからと言っているが、渋滞あったか?(寝てた時かも)
というわけで5時間遅れたら到着するのは24時だ、どうせどの店も閉まってる、今日は夕食抜きらしい

バットマン3部作のラスト、バットマンフォーエバーをみる、初視聴
今作では監督も俳優も変わり、正直、ティム・バートンのがコミックスと相性が良すぎるので比べるのはかわいそうだが、これじゃない感が拭えなかった(ジムキャリーで持ってる)
他にも映画を見ようと思ったが充電が切れた、なんもすることがないので、後ろのカップルが話したときだけリスニングの授業を受け、他はひたすらぼんやりしていた

23時到着、結局合計29時間の旅だった

サンキュー運転のおっちゃん達

まぁ言うほど環境は悪くないし、地獄ではない気はする、居心地が良くはないってくらい
地獄に感じるとしたら山賊が出た時くらいだろう、あとは腹痛の時とか?
とはいえ、腰、肩、首はバッキバキなので今日は早いとこ休もう

今日の自立散歩のお供
地獄のバスということで
AC/DCのHighway to Hell

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