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MBAを修了したよ

昨年4月から通っていた大学院で、経営管理修士(MBA)の学位を取得しました。私が通っていた大学院は、最短1年〜3年まで、半年単位で修了時期が選べるというところで、その間に講義の単位と論文の審査を経て修了です。私の場合はもとから1年で修了したいと思っていて、結果、予定通りにこの春修了することができました。

去年は技術経営修士(専門職)の学位を別の大学院で取得したので、なんで修士にもう1回行くのかって話なんですが、シンプルに1年で学び切れなかったというのと、自分がどれだけ講義の内容を理解して使いこなせているかがまだあまり良くわかっていなかったというのと、別テーマでも研究したかったから & だけど博士課程に進む自信も胆力もない自覚があるから、という理由でした。

でもいざ修了してみると、そんなのは手前の理由に過ぎなかったなぁと。去年も今年も良い評価をいただいて、どちらも謝辞を述べさせていただくという機会に恵まれ、学びの姿勢を評価いただいたと思うととても嬉しいけれど、そもそも学びにゴールなんてないし、自分の理解度や使いこなし度は、人と比べて測るものではないし、結局、自分の視座がまだまだ低いなとか、目先のことには反応できるけどそれを課題感として大きく掴むことはまだまだ全然できていないなとか、そういう反省ばかりで今年は終わりました。

ちなみに、去年MOTの大学院に通うと決めた時のnoteがこれ↓

MOTとMBAって何が違ってどっちが良いのかっていうのは、両方通ってみると改めて、人によるんだろうなぁという感想です。MOTの場合、自社のビジネスモデルを根本から考え直したり、自社の課題をあらゆる学問の側面で多角的かつ連携的に捉える、という学びとトレーニングが多かった気がします。MBAの場合、それぞれの学問を縦に深堀りするというか、どこかの専門性を補ったり深めたりするというか、そんな学びが多かったように思います。けどこれも、私が通っていたMOTの大学院が中小企業の課題感を捉えることに重きをおいていたからかもしれないし(あと業界的に比較的課題に溢れている)、大学院によっても全然違うんだろうなと思います。

人によって社会人大学院の選び方はいろいろあると思うけど、私の場合、去年のMOTは中小企業や製造業のビジネス、そこでのBtoBマーケティングの取り組みや課題を理解したかったというのが大きくて(=そもそもMOTに行きたかった)、今年通ったMBAは、自分の武器として新たに身につけたい or 深めていきたい分野の講義や先生が充実していたっていうのがあります。結果、広義のリスクマネジメントやガバナンス、知財と絡めたBtoBのブランディングとか、今まで自分が蓄えていたものの整理はもちろん、「あ、ここと掛け合わせていくと私はもっとユニークな発想を持てるようになるかもしれない」っていう発見もありました。

結局、どこで何を学んでも学びの深度は自分次第なんですよね。学びの内容を概念化させて、自分や自社の課題、社会の課題と突き合わせて、自分が得た様々な角度からの学びを時と場合に応じて適切に武器として手に持てるようにする、ということが大事なんだろうなぁと。そしてその武器を使いこなしてみるのが特定課題研究で。フレームワークを覚えても、計算式を覚えても、引き出しの中にしまいっぱなしでどこの引き出しにしまったのかも覚えていないような学びは、社会人の学びとしてはまったく意味をなさないと思うけど、いざ修了して、以前のような仕事生活に戻った時、自分が本当にそうできるのかどうかは、この学びの期間での深度と、修了した時の自分の気持ちと大きく関わってくるんだろうなと思います。

今年はそれを意識したつもりだったけど、まだまだ全然できたなぁと。

逆にトータル2年間を振り返って、本業と並行で学びの時間を経て得たのは、大きく2つあったように思います。
1つは、研究の過程を通して、一次情報や論文にあたる習慣が身についたことと、その情報や論文をそのままインプットするのではなく、疑問に思ったり他の考え方もあるんじゃないかと別のソースを漁ったり、そうした過程を通して自分の考えを言語化できるようになったこと(「なった」じゃないな、まだ過程)。
もう1つは、現状とあるべき姿のギャップが課題というのであれば、私は、現状だけであるべき姿を描いていない(描けていない)企業や事業の、あるべき姿を妄想して、描くこと自体が好きなんだなということに気づいたこと。特に、今年のMBAの研究で、あるべき姿を描けていない業界を取り上げたことで、それがだいぶ明確になりました。

実際社会人と大学院生の並行は大変です。平日夜は講義があるし、土日も講義やゼミがあるし(正直土日は、午前中とか夜とかに寄せられてたら良かった)。私は自分の時間というのがとても大事で、それが精神衛生や仕事の品質に大きく響くため、2年コースだと途中でネガティブになっていくんじゃないかと思い、1年で修了できる大学院を選んだというのもあります。まぁ結果、1年×2回で2年行ってたわけなんだけれども。

あとはやっぱり、一緒に苦楽を共にした学友。MOTの同期とは、修了後も3ヶ月に1度は会って会話をしていて、普段の仕事では交わり合わないだろう全然違う業種や職種の人の話を聞くのは純粋に楽しく、学びになり、前向きになります。今年一緒に学んだ人たちともそうなっていけるといいな。

今年1月に公聴会を終えてから、講義もなく、今まで講義や研究に充てていた時間がぽっかりと空きました。今は久々にゆっくりと、ぽっかり空いた時間を楽しんでいるけれど、修了したからといって、まだまだ深めていきたい / 深めていかなければいけないことは無限にあります。仕事はフルスロットルに戻して、修了しても自分のペースで学びや研究は続けつつ、それが何かしら、誰かしらの力になるように活かしていけたらいいな。


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