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キタキタ高校物語⑤俺ってホントに主人公?

ヒョン太君のキラキラの髪を描くのが何気に楽しい♪
進くんが主人公だということを再確認するために描きました笑

 主人公は進くん。進路通信の一番初めの一文字が進むだから。
 苗字は、同僚が名付けた。というのは、進路指導部に居た時に、進路のマークシートのアンケートだったか、共通テストのマークの仕方だったかの例を作って印刷していたのだが、見本の名前が「八北 進」となっていたのである。それを見て、「おっ!いいな!」と思って、そのまま頂戴した。その時居た高校が、通称「八北」であり、主人公の名前は「進」である。
 そうそう、もう、うちの高校は進むしかないじゃん!という応援ワードのように私の心の中に降ってきた。そして、ただ思いつくまま、この漫画を描いていたのだが、ヒョン太の登場や通君の愛想の良さが面白くて、どんどん進の登場回数が少なくなっていくような危機感を感じたのである。

 でも、冷静になってみるとまだ4ページ目で、なんてことないんだけどね?笑

 しかし、今、時が経ってみても、この進のマイペースキャラって、主人公に特有の、壁にぶつかって挫折、そして、なんとかしてそれを乗り越えるとかいうすったもんだが、起きないキャラクター設定だった笑。
 なにせ、まわりがどうあれ、どしどし、前に進む性格だからである。

 でも、どこか、そういう超然とした人がいたらいいな、と心のどこかで思っていた。勉強がつらいとかしんどいとか言わない、遊びやゲームのように勉強したり、赤本解くのが大好きな高校生、そういう高校生として、キャラを設定しているのである。進路指導部だけに笑。
 自分でも、月曜日がちょっぴり憂鬱な教師だったくせに、高校生にそれを求めようとは!なんて、勝手なんだろう。
 共感は呼ばないかもしれない。
 しかし、心の奥底で、楽しくて楽しくて学校に行きたくてたまらないとか勉強が好きすぎるとか、教師でも生徒でも、そんなことに憧れてこの漫画を描いていたとも言える。
 自分自身、この漫画を描いているときは、学校に行くのが楽しくてたまらなく感じていた。

 『面白き事もなき世を面白く 高杉晋作』

 この言葉がとても好きだ。お給料は我慢料なのだ、と美輪明宏さんの本で読んで納得した。そう割り切ってしまうと、ケッコウ、色んなことが我慢できる。諦めがつく。しかし、面白くないシゴトだけの毎日には、自分がやってオモシロイ仕事を創り出すしかない。そして自分なりに工夫すれば、面白くない仕事などないのではないか?
 特に、教師の仕事は、自分が主体的に授業を構成したり、創り出せる仕事が多いのだ。しかも未来ある若者のために。

 この言葉が高杉晋作のものであることを確認するためにネットを検索すると、この句に下の句があることを発見した。

 『面白き事もなき世を面白く すみなすものは心なりけり

『面白いと思えることのない世の中を面白く。それを決めるのは自分の心もち次第だ』という意味らしい。

 たしかに、進学校の勉強を地獄にするのも、自分の行きたい大学への切符を取るための手段として、心持を決めて天国にするのも、すべて自分の心次第。ちょっとぶっとんだ当然のように難関大を目指すキャラを設定してみたかったのだ。こころのどこかで、今の時代、そんなに大学に行く必要ってあるのだろうかと、少し、疑問に思ってはいる。
 しかし、自分の体験に照らしていうと、2歳年上のダンナは高卒で、私は大卒で、彼の方が私より6年は早く働き始めた。そういう二人の給料がひっくり返った年があって、あっ!と思った。職種も違えば、私立と公立と言う風にも違っているから一概には言えない話だ。
 しかし、その時に、大学進学は、親からのプレゼントだったのだな、と気づいたのだ。

 マイペースで1人で進んでいくだけに、周りと関係していく物語が作りにくい主人公設定。ま、でも、まわりが世話をやいて、動き回るだけに、いっそう進君のぶれなさが、浮き彫りになるではないか。
 お金をもらっているわけじゃないから、自分の好きなタイプを好きなように描いていい。このマンガを描いている楽しさは、そういう楽しさだったかもしれない。仕事では我慢しても、創作活動の内容は、制限が無いから。

 行け行け!進!
 好きなように進め!


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