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だから子ども達に歌を歌わせろって言ってんだろ!って話

昨日、うちの中2の娘が帰宅するや否や機関銃のように話し出した。

「お母さん、私、ほんっと無理!
あの音楽の先生だけは、ほんと無理だから!ごめん、だから音楽の成績で5を取ることは出来ない」

ちょっと!
「お母さんごめん」って何なのよ。私は別に5を取れなんて強制してないわよ、と思ったけどとりあえず話を聞いてみた。

「ムカつくの!
テストはクソ難しい音楽用語がバンバン出てきて解けないし、授業もね、歌なんて最初の5分で終わりなの。あとはよくわからない音楽用語の勉強と、作曲家の歴史の話と、それとタブレット上で生徒に作曲させるのよ。ハァ?って感じ。なんで作曲なんてしなきゃいけないの?音楽って音を楽しむって書くのに、なんでそんな楽しくない授業を受けなきゃなんないの?私はただ、もっと歌が歌いたいだけなのに!!!」

中二ガールが叫んでます。更に、

「でもね、それよりももっとムカつくのが、音楽の先生の「俺が俺が」な態度なの!
「私のドラムを聴いて下さい」って、いきなり独断演奏始めちゃって、その上手いんだか下手なんだかわからないドラム演奏を10分位聴かなきゃならなくて、更に感想まで言わなきゃならなくて、もうハァ?って感じ。なんでおめーのドラムを聴かなきゃならないんだって感じ。すげー、ムカつく!!!!そんな時間あるんなら、生徒に歌を歌わせろよ!!!!」

かなり興奮してました。ほんとにムカついていたみたいです。


以前、私は「鼻歌と絶対音感」という記事を書きました。


そう、子ども達は歌を歌いたいのです。大きな声で叫びたいのです。
少し前に合唱コンクールがありましたが、それはそれは子ども達、素直に歌ってましたよ。3年ぶりにマスクを外した顔で、大きな口を開けて。私は何年も中学生の歌声を聴いてますが、こんなに大きな声を出して歌っていた中二っていないんじゃないの?って程(例年の中二は男子は声変わりとか、照れとかあって歌わないのに)みんな歌ってました。


先生、お願いだから子ども達に歌を歌わせてあげてよ。
音楽の先生だったら、子ども達に音楽を好きにさせてよ。
確かに、作曲をしたり音楽家の歴史を話したり、音楽用語を教えるのは大切かもしれないけど、子ども達に音楽を親しませるってそういうことだけじゃないでしょ。

先生みたいに、音大行って音楽で食べて行ける人なんてほんの一握りなのよ。音楽って、娘が言うように「音を楽しむ」って書くでしょ、楽しむもので「音学」じゃないんだよ。

この多感な時期に「音楽」を好きになると、もしかしたらその子の人生で「一生の趣味」になるかもしれないんだよ。大人になっていくにつれて、悩んだり、苦しんだり、死にたくなったりした時に、そこで「音楽」に救われる時ってあったりするんだよ。それは色んな形で表れて、音楽を聴いたり、歌を歌ったり、口笛を吹いたり、ギターを弾いたり、レコードを繋げたり、音楽に載せて踊ったりすることだってある。
先生みたいに音楽で食べていかなくても、仲間と一緒にバンドを組んだりとかそういう事をしなくても、「音楽」が一生の癒しになる人なんて山ほどいる。そういう人を一人でも多く作り出すのが、音楽家のすることなんじゃないの?「音楽の先生」と呼ばれている人がすることなんじゃないの?


てめーの自己満のためにやってんじゃねーっつーの



はぁ、はぁ

ごめんなさい。久しぶりにキレました。


娘がピアノを始めて10年になりました。
私もここまで続くとは思っておらず、来年7月の発表会に向けて一生懸命練習をしています。(来年受験生なんだけど続けたいらしいです)
彼女もまた、別に音楽の道に進もうとは思ってないし、申し訳ないけど音大に行くほどのお金の余裕は我が家にはありません。

でもね、私はすごく嬉しいのです。
娘が「あーーー勉強したくない!ちょっとピアノ弾いてくる!」
と言ってピアノを弾きにいったりする姿を見て、嬉しくなるのです。
娘は音楽を心底楽しんでいて、たぶん一生の趣味になる。
大袈裟だけど、

音楽は長い人生に彩を与えてくれる

私は、娘に音楽を好きにさせてくれたピアノの先生に感謝しています。
自分はピアノを好きになれなかったけど、娘はしっかりピアノを好きになってる。これからの人生、ピアノが弾けることは絶対的に自分自身の誇りになるし、いざという時の支えにもなる。そして逃げ道にもなる。


お願いだから先生、子ども達にたくさんの歌を教えてあげて。たくさんの歌を歌わせてあげて。
通りすがりに子ども達の歌声を聴いて、思わず涙がホロリと出てくる人だって、この世にはたくさんいるのだから。






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