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輪島に響く笑いの声、若手落語家によるチャリティー落語会【イベントレポ】
爆笑に次ぐ爆笑。アットホームな雰囲気が漂う会場には、賑やかな笑い声が響き渡った。
2024年5月11日(土)、石川県輪島市門前町にある避難所にて、若手落語家桂枝之進によるチャリティーイベントが開催された。
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石川県輪島市は、1月1日に発生した能登半島地震で大きな被害を受けた場所。仮設住宅への入居も進む中、今もなお避難所では多くの方が生活をされている。そんな避難所に頻繁に炊き出しのボランティアとして足を運んでいるのが、今回のチャリティーイベントの発起人である村井さん(彼は岐阜県高山市に住んでおり、"勝手に岐阜県観光大使"を名乗って活動している個性的な人物でもある)。
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そんな彼が「門前町への、能登半島への恩返しに」との想いで本イベントを思い立ち、友人である落語家の桂枝之進さんに声をかけたことでこの日が実現した。
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桂枝之進
2001年6月20日生まれ。
2017年1月六代文枝一門三代目桂枝三郎に入門。
2017年12月天満天神繁盛亭「枝三郎六百席」にて初舞台。
全国の寄席やイベント、メディア等で活動するほか、2020年、落語クリエイティブチーム「Z落語」を立ち上げ、渋谷を拠点にZ世代の視点で落語を再定義、発信するプロジェクトを主宰している。
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会場となる輪島市立諸岡公民館近くの道下集会所には、子どもからお年寄りまで、幅広い年齢層の方が多く駆け付けた。初めのうちは遠慮がちに後ろの座布団を選んで座っていた方々も「せっかくだから前で見ようよ」と、どこからともなく声が上がったことで、特設された高座の前に敷き詰められた座布団はあっという間に人で埋まった。
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室内の電気がつき、拍手と共に迎えられたのは、弱冠22歳でありながら、スターバックスリザーブロースタリー東京5周年イベントで落語を披露するなどの目覚ましい活躍を見せる、今最も勢いのある若手落語家桂枝之進さん。
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彼が話し始めると、観客は一気に惹きつけられる。
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始まったらもう止まらない。会場は爆笑に次ぐ爆笑で、表情豊かに話す枝之進さんを前に、暖かな笑いに包み込まれた。
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時間はあっという間に過ぎ、終わりの時間に。大きな拍手が沸き起こり、大盛況でイベントは終了した。
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終了後の会場では「やっぱり生はいいねぇ」「久しぶりに心から笑った」と、観客の方が口々に話されていたのが印象的だった。
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わたし自身、生で落語を見たのはもう何年ぶりだろうというくらい久しぶりだった。というのも、わたしの中で落語はハードルの高いものだという思い込みがあったから。事前知識や教養がないと、落語を理解し楽しむことができないと思っていた。それが、今回の枝之進さんの落語を聞いて覆った。
前提の知識がなくたって、十分に楽しめる。わたしは今回記録係としてこのイベントに参加したのだけれど、自分の役割を忘れそうになるくらい一緒になって笑った。落語ってこんなにも面白いものだったのかと、新たな気付きを得られた。
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輪島のみなさんも、桂枝之進さんも、それぞれがここからまた新たな物語が始まっていく。混沌な世界の中での一瞬の交わりであるこの避難所でのチャリティーイベント。明日も生きる活力になるようなひとときだったと思う。
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