糸と文

海と山のある町で2人の子育て中。元幼稚園教諭。  子の不登校の日々、自分の中学時代、今…

糸と文

海と山のある町で2人の子育て中。元幼稚園教諭。  子の不登校の日々、自分の中学時代、今の心情を綴っています。

最近の記事

不登校と諦め⑤

【アソパソマソ】 この言葉を見て聞いて、人はどう思うだろうか。何かの呪文だろうか。ゲーム用語か。 昨晩から下の子が時折呟いていたり、突然「アソパソマソ!」と言っていた。 上の子も私も気になりつつ、何も突っ込まない。 考えつつ、今日は以下の文章を読んでいただけたらと思う。 3年生が始まってもうすぐ2ヶ月が経つ。 相変わらず彼の睡眠リズム、食生活は乱れている。が、私はもう細かく言わずアメとムチで対応してる。ゲームに関しても然り。 何より私が私の精神状態を乱さない為だ。 こ

    • I think about me13

      卒業式の日は今でも覚えてる。 3月16日。 式の中盤で突然涙が出て止まらなくなって、それが周りの女子にも伝わったこと。 泣き顔で最後の大地讃頌を歌ったこと。 学校の外は沈丁花の甘い香りに包まれていたこと。 友人と何枚も写真を撮って、笑顔で終われたこと。 卒業アルバムにはその人と互いにメッセージを残した。その人が好きだったある詩を用いて、憧れがあったことをきちんと伝えた。  卒業後の春休みに、学年委員会担当の先生が食事会をしてくださるとその人が伝えに来てくれた。 また、

      • I think about son13

        2023年、中学2年の夏休み。 毎年来る夏休みは保護者、特に母親にとっては多少憂鬱感があると思う。異常な暑さの中、毎日の食事、洗濯、子どもとのお出かけ、里帰り、、 私の夏休みはコレにプラスして、旦那さんが繁忙期でほぼウチにいない→お盆休みも関係ない→私は完全ワンオペ。彼が中学1年の夏までは「この夏」だった。 「この夏」と違う夏の中学2年の夏休み。 部活もない。 サマースクール(補習授業)に誘われても行かない。 ポツポツと個人塾に行くだけ。 多分友達にも会わない。 猛暑の中

        • I think about me12

          その人からもらった写真とルーズリーフの言葉を見た親友は一言「◯◯君はずるい」 半ば怒ってそう言った。 私のことをずっと横で見てた親友の私の味わってきた辛さ、切なさを分かってくれてたからこその言葉だと思う。 でも、私は舞い上がっていた。完全に満足し切っていた。いいんだよ、これで。その人には選ばれなかったけれど、卒業間近に楽しい時間を過ごせたから、いいんだよ。そんな気持ちだった。 中学生の恋って何だろう。時代や地域やその2人にもよると思うけれど、一緒に帰るとか、夜公園で会っ

        不登校と諦め⑤

          I think about son12

          2023年、6月。中学2年生のメインイベントのキャンプが近づいていた。山で焚き火をしたり料理が好きな彼は行きたい気持ちがあるようだった。でも、キャンプだけ行ったら普段、学校来ないくせにキャンプは来てるって言われるに決まってる、、と妄想していた。 確かにクラスに1人、2人そう思う人はいるかもしれない。でも、彼には「穏やかで優しい子が多いクラスだし、そんな事思わないよ。例え言われても開き直って堂々としてればいい。焚き火だって料理だって得意なんだから。」と励ました。 キャンプ直

          I think about son12

          不登校と諦め④

          中学3年生になってもうすぐ3週間。 始まってすぐ、私だけ中学へ行き新しい担任の男性の先生に挨拶をし面談した。1、2年と女性の先生で、特に昨年は先生の方針に親子でついていけなくてかなり悩んだ1年だった。 年明け頃には彼は先生に対して信頼感ゼロになっているようだった。私も同じ気持ちだった故、2月には学年主任の先生に連絡し、3年生になって同じ先生にはしないで欲しいと配慮をお願いした。ご丁寧に他の希望を聞いて下さった為、親子共に話しやすく寄り添ってくれた男性の先生の名前を伝えた。別室

          不登校と諦め④

          I think about me 11

          卒業式まであと1週間ほど前だったと思う。 堅苦しい授業はほとんどなく、卒業制作とか式典の練習とか自習とかの日々。 そんな緩い時期の休み時間か放課後か忘れたけど、3年生では別のクラスだったその人が私のクラスに来た。白い物を渡された。 当時、流行ってた折り方で一枚のルーズリーフで何か包まれてあった。 開けてみたら一枚の写真があった。放課後の教室で私とその人の彼女が話してる被写体。 何でこの写真なの、、と肩を落として胸がズキリとした。 写真の下のルーズリーフに何か書いてあった。

          I think about me 11

          I think about son 11

          2023年4月。中学2年生になり新学期が始まったが2日行って、また彼は休み始めた。私も背中を押す事をやめ、仕事を休まず普通に出勤した。行かなくていい、と言った事で吹っ切れた感覚だった。 ただ、休んでいてもいいけど充実した時間を過ごして欲しい。そう彼に伝えてざっくりしたタイムスケジュールを一緒に作った。 午前中、学習をしたらお昼まで自由、食べたらまた学習、夕方からまた自由。ご飯は一緒に食べてお風呂もきちんと入ること。 3日しか続かなかった。 私は常に彼の様子を慮った上で

          I think about son 11

          I think about me⑩

          いよいよ卒業間近の3月に入った。 ほとんどの人が進路が決まり、皆残りの中学生活を緩んだ気持ちで過ごしていた。 そんな締まりのない生徒たちに学年主任の先生は、卒業までは最高学年として、、なんとかかんとかぼやいていた。 気持ちを引き締める為に、と学年委員会をしていたその人と私は呼ばれ仕事を依頼された。 放課後、残って模造紙に文字を書いたり色を塗ったり私の大好きな作業。幼稚園教諭の仕事を考えたのもここが原点な気がする。 その人と私ともう1人の3人で誰も通らない廊下での作業。ドラ

          I think about me⑩

          I think about son⑩

          中学1年生の3月の終わり。不登校が始まって半年が経った。 パソコンから離れていた事で、あの時受けたショックと彼なりの後悔は薄らいできたようだった。春休みはスマホやSwitchで遊び、空いた時間は近くの山へ行ったり、外食しに出かけたり穏やかに過ごせた。 進級する4月になると「もう、2年生からは毎日行くし」とあっけらかんと話していた。 え、不登校終わりか!と半分拍子抜けした気持ちで私は読み漁っていた不登校関連の本を手放した。 そして、私は彼の言葉を聞いて背中を押す為になるかも

          I think about son⑩

          不登校と諦め③

          明日からまた中学が始まる。 彼は最高学年の3年生だ。 そして昨日彼は15歳になった。 この春休み、私の心境は変わった。仕事を辞めて何にも属さない人になり、気が楽になったが虚しくなった。家の中の事、子どもたちへの対応、いくら気持ちに寄り添ったり頑張っても報われない。感謝どころかたまに文句言われる。 承認欲求なんてくだらないと思いながら、どこかで自分の存在価値を探してる。 私は本当にくだらない。 これまでに家族以外の人からもらったほめ褒め言葉を思い出す。一日頑張った自分にボ

          不登校と諦め③

          I think about me⑨

          中学卒業があと1か月に迫った2月中旬頃だったと思う。 同じく電車通学をしていた親友と帰ろうと、美術室の前を通った。明かりがついていたから覗くと親友の彼がいた。彼は芸術系の高校を志望していて、試験の為に絵を描いていた。私と親友、親友の彼で話していると廊下を歩きながら壁を叩く音がした。えっ、誰?と3人で顔を見合わせた。 ガラリと扉を開けたのはその人だった。 暖房が効いた夕方の美術室。 4人でどうでもいい話しで盛り上がっていた。私にとってこんなことでも幸せに感じる時間で、心底満

          I think about me⑨

          I think about son⑨

          早朝、購入したばかりのゲーミングPCが全く動かなくなった。 私の眠気は一気に吹き飛び、初めて経験する事態に手が震え心臓がばくばくし始めた。泣きながら事情を話した彼は若干パニックになって布団をかぶって固まっている。 私は彼がやってしまった事より、信じていたのに裏切られていた事に傷ついていた。悲しくて泣きたかった。ゲーム時間がすんなり守れていた事に感心までして馬鹿みたい。 怒りと悲しみで彼を責めた。信じていたのに酷い、親に嘘をついていたからこういう事が起きた、結局は自分に返っ

          I think about son⑨

          不登校と諦め②

          仕事はなくなり子ども達は春休みに入った。 毎日、家事と子ども達の事をこなす日々。 子の不登校が始まってから「家に誰もいない」という時間がほぼないから朝活を始めた。 早朝に起きて1人でコーヒーを飲みながらnoteを観たり書いたり、ピラティスや瞑想をする。だいぶ心身が落ち着いてる。 子を送迎する為に去年の夏は中古車を買って、ペーパードライバーを卒業した。真夏に中学校までの道と駐車場、スーパーの駐車場の隅でひたすら練習。今では近所や少し遠くのモールなどは問題なく行ける。歌も歌う

          不登校と諦め②

          I think about me⑧

          中学3年の冬。卒業間近の年が明けた頃だったと思う。私に再び衝撃的な事が起きた。 3年生の夏辺りから急に距離が近くなった友達がいた。その子は違う部活、違うクラスだったけど他の友達経由で知り合った。 1、2年生の頃は互いのクラスでたまに話したり下校する仲だった。 ある日、その人とその子は3年生始め辺りから付き合っていたと知った。私はまたか、と思った。急に私と仲良くしてきたのは私の言動をチェックしたいからか。私は一緒に委員会をやったりするだけで、猛烈アタックなどしてなかったのに

          I think about me⑧

          I think about son⑧

          2023年2月10日辺りにゲーミングPCが届いた。 パソコンを自室に置くと引きこもる、何のサイトをみるか親が把握できない、と聞いていたのでリビングの隅に置いた。PINコード、パスワードは教えずON、OFFは私がやると約束もした。 さっそく彼は世界的に人気のバトルゲームを始めた。ただプレイしながらの暴言、急に机を叩いたり、キーボードを乱暴に扱ったり、怒り任せに画面を揺らしたり、、と人格が変わったかの様になった。外国人のゲームで切れてパソコンを破壊する動画の影響もあった様に思

          I think about son⑧