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【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】東洋医学からみる月のパワー

千葉市内、千葉駅すぐ、女性と子ども専門鍼灸院『鍼灸 あやかざり』です。いつも【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】の記事をお読みいただき、ありがとうございます。

秋のお月見、夜空に浮かぶきれいなお月さまを眺めていると、なんだか心が落ち着ついてきますね。
中秋の名月、秋の十五夜、今年2023年は9月29日(金)にあたります。

今回は、そんな『月』に関して、東洋医学からみる月のパワー、わたしたち人体への月の影響などについてご紹介をします。

どうぞ、最後までお楽しみください!


1.月のみちかけ

月には、
・新月(朔)
・三日月
・上弦
・満月(望)
・下弦
など、その形に応じて様々な呼び名があります。

月の形の変化は、月の満ち欠けによるものですが、なぜそれがおこっているか知っていますか?

だれもが、子ども時代に理科の授業で習ったことがあるかと思いますが、もう忘れてしまっているのではないでしょうか?
そこで、もういちどおさらいをしてみましょう!

月は、地球の周りを回っており、地球は太陽の周りを回っています。
それにより、太陽と地球と月の位置関係は毎日変化をし、それにより月が太陽の光に照らされる部分も変化をします。
この光が当たっている部分がまさに月の満ち欠け、形の変化なのです。

月の満ち欠けの周期(新月から新月までの間隔)は約29.5日であり、これを月齢といいます。
月齢の数字は新月から何日経過したかを把握する目安となるもので、新月を0として、翌日が1、翌々日は2、というように1日に1ずつ数が増えていきます。
月齢が7前後であれば上弦、15前後であれば満月、22前後であれば下弦、30に近い数字であれば次の新月が近い、ということを知ることができます。

なお、月齢を知りたい、今日の月の形を知りたい、次の満月を知りたいなど、月のみちかけに興味がある人は、ムーンカレンダーを入手してみてはいかがですか?
ムーンカレンダーは、紙タイプのほかにも、スマートフォンの待ち受けやアプリになっているものもあります。

2.月とみちかけと人体

では、次に月のみちかけと人体についてみていきましょう。

月の満ち欠けにより人体は変化しているという考え方は、西洋にも古くから言い伝えがあります。
天体が地球に及ぼす効果を研究して預言を行う西洋占星術の考え方は、現代も占いのひとつである、占星術のホロスコープとして用いられています。

一方、2000年前に書かれた中国最古の医学書であり、東洋医学の原点とされている古い書物、「黄帝内経(こうていだいけい)」の中にも、月の身体の関係に関する、次のような内容が記載されています。

2-1.新月と人体

新月(月齢ゼロ)の時は、人の気血はもっとも弱っている状態です。
気血が弱わることで、外邪(身体の外からくる病気の原因となりうるもの)から身体を守る衛気の働きが低下し、外邪に対抗できなくなることから、さまざまな病気にかかりやすくなります。
また、新月が近づくにつれて外邪の侵入が容易になり、人は発病しやすくなります。

2-2.満月と人体

満月(月齢29)の時は、人の気血はもっとも充実している状態です。
気血が充実することで、外邪(身体の外からくる病気の原因となりうるもの)から身体を守る衛気の働きが高まることから、病気にかかりづらくなります。
また、満月に近づくにつれて外邪の影響を受けづらくなり、人は発病しにくくなります。

3.月とみちかけと鍼灸治療

上記のような、月と人体の関係は、鍼灸師が患者の状態を診断したり、施術を行ったりする場面においても、考慮すべき情報の一つとなりえます。
筆者も鍼灸院で毎日の仕事を始める前には、その日の月齢をチェックしたうえで治療にあたるようにしています。

以下の内容は、月のみちかけと鍼灸施術の関係性について、先にご紹介した「黄帝内経」の中に記載されている内容からのものです。

月の朔望(新月と満月のこと=みちかけ)をみず、気血の状態を知らないで治療を行うと、虚実に関して過ちを犯しやすいことから、常に月の満ち欠けを念頭において、鍼灸施術の補瀉を決定すべきである。

つまり、月のみちかけによって人の気血の状態が変化することを前提として、一人ひとり、それぞれの患者の気血の状態にあった施術をすることが大切なのです。

4.月のみちかけと自然界

ここまで、月のみちかけと人体、鍼灸治療についてご紹介をしてきました。

ところで、満月の日には何かが起こる!?月は人間の攻撃行動に影響を与えるという発表をして、一大センセーションを巻き起こし、注目をあびた書籍のひとつとして『月の魔力』というのがあるのは知っていますか?
インターネット上の書籍レビューからみるところ、本の内容についての評価は賛否両論様々なようですが、この書籍の中で、筆者アーノルド・L. リーバー氏は、自然界に対する月のみちかけの影響力を科学的視点からバイオタイド理論として紹介しています。

信じる?信じない?それは読者の方々におまかせしますが、月のみちかけと自然界の関係として、以下にその一部をご紹介をします。
興味を持たれた方は、ぜひ、一度、『月の魔力』を手に取って読んでみてくださいね。

  • 満月の日は、人の攻撃性が高まりやすく、犯罪発生率が上昇する

  • 満月の時期は、精神病患者の救急外来数が上昇する

  • 月はその引力により、満潮・干潮を引き起こしている

  • 人間の体内水分は約80%を占めていることから、生体においても潮汐作用が起きているのではないか

  • 「生物学的な潮汐」こそ、人間の行動と感情の鍵であり、このリズムを通じて生命体は宇宙と結びついている

  • 出産と月齢は関連している

  • ウニの生殖サイクルは月齢としている

  • 人の月経周期は月の周期とほぼ一致している

5.中秋の名月と十五夜

冒頭でも触れましたが、2023年は9月29日(金)は中秋の名月、十五夜です。
中秋の名月といったり、十五夜といったり、この2つの言葉の違いは何か知っていますか?

現在は中秋の名月は、十五夜と同じ意味合いで使われることがほとんどですが、本来は十五夜には満月という意味があります。
これは、月の満ち欠けにより新月から数えて約15日目に満月をむかえることから、旧暦における毎月15日の夜のことを十五夜と呼ぶのです。
それに対して、中秋の名月とは、同様に旧暦における8月15日の夜に見える月のことをさします。
つまり、本来は十五夜は毎月あるのに対して中秋の名月は一年に1回しかない、という違いがあるのです。
また、月の満ち欠けのサイクルと月の軌道の関係上、15日と満月が一致するとは限らないため、中秋の名月と満月は一日ずれることもありますが、今年2023年はどうかというと、ラッキーなことに、満月と一致しています。

6.まとめ

どうでしょう?お楽しみいただけましたか?
今回は『東洋医学からみる月のパワー』についてご紹介をしてきました。

2023年は9月29日(金)、天気がよければ、美しい満月が全国どこからでもみられることと思います。
こよみ情報によれば、東の空の方向に19時頃から南東の空へとのぼっていく月が21頃までみられるようです。
ぜひ、お月見団子や月見酒をおともにお月見を楽しんで、心穏やかに日々の疲れを癒しリフレッシュしてみてはいかがですか。

このように、身の回りにあるいろいろなものを東洋医学的にみていくと、鍼灸のほかにも、身近なところに自然治癒力を高めるヒントがたくさんあることに気づかされますね。

それでは、鍼灸でからだも心も元気になりましょう!

鍼灸 あやかざり
千葉駅5分 完全予約制 女性と子ども専門の鍼灸治療院
千葉県 千葉市中央区新町1−6 ラポール千葉新町202
TEL:070-8525-6132

画像の出典:https://www.photo-ac.com/

参考:内経気象学入門(緑書房)ほか

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