松田彩

ハンガリー留学後、ドレスデンと東京を拠点に活動しております。

松田彩

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最近の記事

私と毒③

美に含まれる毒についての話から、あのベートーヴェンがフロムの提唱する退行エネルギーとの闘いを見せたのでは、という飛躍した思考に裏付けをせねばならなくなり、ここからは厳しい一人相撲が始まる予感がする。 さて、フロムとベートーヴェンは別の時代に生きている。さらにここに筆者の独断と偏見でチェコ出身、フランスへ亡命した作家のミラン・クンデラを加える。というのは、クンデラのエッセイ'緩やかさ'がヒントとなりそうだからである。(本書を読んでもらうのが1番分かりやすいかもしれないが)18

    • 私と毒②

      前回、名曲にはエーリッヒ・フロムの提唱する3つの退行エネルギーが、いずれかは毒のように含まれていると述べた。 実は以前から仮定をしている懸念事項がある。この事態とかなりよい闘いを見せたのが、ひょっとしてベートーヴェンなんじゃないかと直感的に思っている。 この話を全然続ける気がなかったのに、ちょっとだけペンを持つことの怖さを感じた。(なんと大袈裟な) この件については裏をとる必要があるのですが、果たしていつか③が書けるのでしょうか?

      • 私と毒

        ここのところ、毒について考えている。 私が考えうる限りの美しいものには毒の要素があり、それらはエーリッヒ・フロム的に言えば人間を退行させるエネルギーなのかもしれない。だが、以下の項目を一切排除した健康的な名曲というものが浮かばない。 ネクロフィリア(死を愛す嗜好) ナルシシズム(肥大した自己愛) 共生的固着(母胎への回帰への執着) 考えようによっては、これらを追体験することで克服する効果があるのかもしれない。 でも、正直そんな意図があるようにも思えなかった。 昨日改めて

        • 周りは語っていないような気がする…

          練習の仕方や、こつ、とかひらめきを案外気前よく喋ってくれるひとを見かけるけど、演奏することが何なのかを、周囲は語ろうとしない気がしている。そして頼まれもしないのに書くって、よっぽど格好悪いことなのかもしれない。 私自身は、演奏者は作曲家と今の瞬間を繋ぐ媒体だと思っている。我々は再現芸術をしているのだよ。決して自己実現などではなく、あくまで架け橋の役割なのだよ…と、この場を借りてひとりの友人にいいたい。昔うまく説明できなかったので。 また、別の友人には、切ないですね、と言わ

        私と毒③

          2月のこと・猫好きなので

          ヴァイオリニストの松田彩と申します。SNS戦国時代ですが、noteをはじめてみようと思います。 みなさま、どうぞお見知りおきを。 先日の駐日ハンガリー大使館でのワイン晩餐会での様子です。 この日のワインをご提供いただいたのは、飯塚隆志さん。 彼の携わるお店のリンクを貼っておきます。 こちらのモンテトカイ Monte Tokaji は絶品です。 La Barat ECサイトはこちらです。 そして、主人であるピアニスト向田成人のカフェコンサートでは、プログラムの後半に

          2月のこと・猫好きなので