伊藤彩

元NHKチーフ・プロデューサー。1993年、筑波大学を卒業してNHKに入局。以来、報道…

伊藤彩

元NHKチーフ・プロデューサー。1993年、筑波大学を卒業してNHKに入局。以来、報道局を中心に勤務。 2015年ハーバードビジネススクールのExecutive Educationに派遣。2022年7月末にNHKを退職、8月に株式会社クロムビジョンを設立。

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五十路女子、NHKを辞めてみた

五十路にもなって「女子」だなんて ちょっと恥ずかしいが、 ここは許していただこう。 私はバツイチ・子なし、 女子の老犬と暮している。 どこからどう見てもオバサンだけど、 気分は女子だ。 退職って…アレと似ている そんな私は今年の夏、長年勤めたNHKを辞めた。 退職を迎えた日、ふと思った。 仕事を辞めるって、どこか離婚に似ているなと。 自分の肩書き=“ラベル”が消える感覚。 「妻」じゃなくなったように、 「職員」ではなくなった。 でも「職員」は実に30年近くも続いたから、

    • もしかして「チャーリーズ・エンジェル」?

      私のプロジェクトのパートナーは某国立大学の附属病院。患者安全推進部の皆さんが強力な味方だ。一緒にプロジェクトを進める中で、気づいたことがある。もしかして「チャーリーズ・エンジェル」? パワフルな女性が大集合 医療の世界はまだ男性の方が多いなぁと思う。 だけど、私がいつもお世話になっている患者安全推進部は、なぜかとても元気な女性が多い。医師、看護師、薬剤師、弁護士、事務に秘書さん・・・。皆さんとても元気で明るく、美しい人ばかり。笑顔がとても素敵なのだ。 女性外科医は双子の

      • 独りじゃ立てない私ーその2 怪人ハルク「アベンジャーズが揃ったな!」と言う

        独りじゃ立てない私は仲間を集めた。召集に応えてくれた彼らには感謝しかない。そのひとり、怪人ハルクのような力自慢は私のチームを「アベンジャーズ」に例えた。確かにその通りで、みんな腕っこきのクリエーターだ。 ところが…だ。 闘うメンバーはそろった! まだNHKにいた2022年の夏のはじめ。 私は、クリエーター仲間を集めて、退職後に始めるプロジェクトについて熱く語った。医療が大好きなディレクター、ビューティーもドキュメンタリーも優れた映像を撮るカメラマン、そしてボランティアの

        • 「独立」って言っても、「独りじゃ立てない」

          「独立」して、ちょうど3ヶ月。 組織にいた頃とは時空が歪んだかと思うほど、時間の感覚が変わってきた。あっという間だったような、すごく長かったような、不思議な気分。 会社の設立は誰にでもできる。でもそれだけじゃ、スタートラインにさえ、立てない。今まで全然知らなかったことが次々と押し寄せる。私はまるで、目の前に広がる海の広さに驚いて立ちすくむ子供のように、戸惑った。 独立を考えている人たちの参考になるかどうかわからないけど、まったくの素人でビジネス初心者の私が体験したこととは…

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          Chrome won't get you home.

          これはハーレーダビッドソン愛好家の間で知られるフレーズ。 ご自慢のマシンをどんなにピカピカにしたって、走るかどうかは別の話だ!と、やたらとデコレーションにお金をかけるコアなハーレー乗りを揶揄するフレーズらしい。お家に連れて帰ってくれないChromeをなぜ、会社の名前にしたのか。それをどうデザインするか。今日はそんなお話。 Chromeをデザインする Chromeは銀色の金属。ハーレーの例えにあるように、ピカピカの錆びないメッキにも使われる。化学反応を起こすと鮮やかな顔料に

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          小さなロンが教えてくれたこと

          母の愛犬は、14歳の男の子。 「ペットはこの子で上がり」と、 両親が「ロン」と名付けた。 (当時、我が家は家族麻雀が正月の恒例行事) そして、ロンは今月16日に旅立った。 最後の日々、 実に見事な命を輝きを見せた。 *この記事は私と同じようにペットを亡くされてまだ傷が癒えない方を、辛い気持ちにさせてしまうかもしれません。私の大切な思い出として書き記しますが、読み進むかどうか、ご一考のほどお願いいたします。 心臓病と闘う日々 ロンには心臓病があった。 僧帽弁閉鎖不全症と

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