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【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】 次期教育振興基本計画(答申)を読む

教育に興味のある方にお勧めしていることのひとつ。
「報道情報は間違っていることが多いので、
 大事なものは原典にあたることがおススメ」
なんですが、さすがにこれは報道はされないですね。
次期教育振興基本計画の答申。
https://www.mext.go.jp/a_menu/keikaku/
3/8に「答申」が出ています。 

●そもそも教育振興基本計画とはなにか
 今後10年間を通じてどんな教育の姿をめざすのか、
 国の施策(計画)をあきらかにするものです。
 この計画をベースにして、
 各都道府県や政令指定都市が
 地域にあわせた教育振興基本計画を策定します。
 今後の教育施策の基本的な計画、ということですね。
 中央教育審議会にかけられ、
 3/8に「答申」が出されました。 
 答申の全文は文字だらけで80p近くあるのですが
 「概要」という数枚にまとめられたものもありますので、
 まずはこちらからみていただくといいかもしれません。

 ※全文
  https://www.mext.go.jp/content/20230308-mxt_soseisk02-000028073_1.pdf
 ※概要
  https://www.mext.go.jp/content/20230308-mxt_soseisk02-000028073_2.pdf

●キーワードはウェルビーイング
 「概要」をざっくりみていただくとしたら、
 1枚めがいいと思います。
 現状の「課題」と、それに対しての「コンセプト」が。
 こういったところは、ビジネス文書とよく似ていますので、
 社会人には読みやすいかもしれません。 
 注目すべきはコンセプトに書かれている
 「ウィルビーイング」という言葉でしょうか。
 実は全文の中には、本当に何度も何度も出てきます。
 「身体的・精神的・社会的に良い状態にあること。
  短期的な幸福のみならず、生きがいや
  人生の意義などの将来にわたる持続的な幸福を含む概念。」
 という注釈も書かれていますね。
 教育施策というと、いかに能力を高めるかという、
 テストの成績のようなことが注目されがちですが、
 「どのように生きるのか」や
 個人それぞれの幸せとは何かが重視されるように
 なってきています。
 「日本社会に根差したウェルビーイング」となっているところも
 特徴的なのではないでしょうか。

●教育改革は踏襲、方向性は個別最適
 こうしたウェルビーイングの向上について、
 「ウェルビーング」という言葉は使われていませんでしたが、
 これまでの教育改革と、その方向性は大きく変わりません。
 「概要」の2枚目3枚目の施策をみていくと、
 これまでもよくみたキーワードが並んでいます。
 TODOレベルのやるべきことは変わらないのですが、
 ウェルビーイングというキーワードで
 いろいろな施策がつながっていく感覚があります。
 「「令和の日本型学校教育」の構築を目指して(答申)」でも
 「個別最適な学び」という指針が示されていますが、
 (https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/079/sonota/1412985_00002.htm)
 これからの教育は量産型・効率型ではない、
 ということなのだと思います。

松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」「クリエイター」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factory(https://ax-factory.wixsite.com/corporate)を設立。2020年京都造形芸術大学通信教育部(グラフィックデザイン)を卒業。デザインで学びをおもしろくします。
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