【社会人のための“教育ってそうなってるのか！”講座】キャリア教育入門編「地域の未来を支える人材を育てる」

キャリア教育入門編の第３弾は
特に地方でキャリア教育の目的のひとつとなっている、
「地域の未来を支える人材を育てる」について
ご紹介したいと思います。

東京への人口の一極集中と
それに対しての地方の人口減少が
加速度的に進んでいることは、
様々なニュースで目にしていることと思います。

地元進学率が５０％を超えるのは
４７都道府県のうち９都道府県のみという調査結果もあり、
ほとんどの都道府県では、
大学進学時に地元を離れた若者が
そのまま戻ってこないことが課題となっています。

なぜ戻ってこないのか。

「地元には仕事がないから」
と思われがちなのですが、
　（地方出身の私もそう思っていました）
実はそうではなく、
「地元にどんな仕事があるかを知らないから」
という理由も大きいのです。
地方の中小企業には、
高い技術力を持っている企業も多くあります。
ですが、BtoBビジネスであることが多く、
テレビなどでCMが流れることもありません。
ゆえに、子どもたちの目に触れる機会が少ないのです。

そのため、
大学進学のタイミングで地元を離れる前に、
どんな企業や仕事があるのかに触れて知ってもらおう、
地元に誇りや愛着を持ってもらおう・・・
そんな願いをもった企業・産業界がリードして、
小学校・中学校・高校でキャリア教育支援を行う地域も
少なくないのです。

また、知ってもらうだけでなく、
自分たちが生まれ育った地域はどんなところで、
どんな課題を抱えているのか、
子どもたち自身が自分ごととして考える、
課題探究型学習も取り組まれるようになりました。

教科書で扱われているのは、
必ずしも自分の住む地域のことばかりではありません。
教科書の内容を知識として習得することだけでなく、
自分の地域はどうなっているのか、
その中で自分はどんな役割を果たしていくのか、
こうした問いを立てながら考えることで、
教科書の知識が活きたものになっていきます。

地域社会と関係を作りながら、
その中で自分の役割や将来を考える機会を作り、
なぜ学ぶのかの動機づけをすることも
キャリア教育の大事な役割だと言えます。

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松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。１９７５年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部社会学科卒業。地元での就職に失敗（４か月めで退職届！）ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」であり「風呂敷たたみ屋」。２０１６年４月個人事業主から法人成り（株）ax-factory（https://ax-factory.wixsite.com/corporate）を設立。
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