見出し画像

【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】「失敗体験」を作るPBLでもいいんじゃない?

とある高校で、
企業から課題(テーマ)を出してもらい、
解決のための企画提案を行うPBL型授業を実施しました。

全10回程度の活動になるのですが、
企業の方に関わっていただくポイントは大きく3つ。
 ・課題(テーマ)についての解説
 ・中間発表
 ・最終発表

ここで、学校の先生から、いつもいただくリクエストがあります。

 「中間発表ではボロクソに!叩いてほしい。」

先生からのこのリクエストに、驚く社会人も多いのですが、
あえて心をオニにして厳しいコメントをします。

すると、中間発表「後」の生徒は、驚くほどに成長します。
いつもいつも、この姿には、本当にびっくりします。

こうしたPBL型授業では、
課題を「与えられる」ことになるので、
いかに自分ごとにできるか、本気になれるかも
カリキュラム設計上ではとても大事なポイントで、
こうした厳しい中間発表も、
本気にさせる「仕掛け」でもあります。
ゆえに、そのタイミングもとても大事。

ですが、「叩く」にはもう一点、
大事な意味があると思っています。

学校の活動という「命綱のある環境」で
失敗する体験が、とても大事だと思うのです。

中間発表で社会人に叩かれると、
生徒は間違いなく、ヘコみます。
それでも、がんばって次に進むことで、
確実に何かを得ている。
それは、提案内容の質だけではありません。

そしてその背景には、
先生など伴走してくれる大人がいる。
だから立ち上がれるし、
思い切って失敗させることもできるのです。

大学生活、就職活動、社会人・・・と、
高校を卒業しても、
ぽっきりと折られるシーンもきっとたくさん出てきます。
それでも前に進んで、
自分の糧となる何かを得られる経験をしてほしい。
失敗して、もういっかいチャレンジして・・・
という体験の繰り返しが、
学校という、見守る大人の目がある環境の中で
たくさんできるようにしたい。

私たちキャリア教育コーディネーターが
PBL型授業の支援を行うのも、
そんなところにつながればと思っています。


松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部社会学科卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factory(https://ax-factory.wixsite.com/corporate)を設立。
☆学校を応援する大人のための教育マガジン無料配信中☆
 登録はこちらから。
  https://submitmail.jp/FrontReaders/add/4173
 バックナンバーまとめ読みはこちらから。
  https://note.mu/axfactory/m/m4a777303bd10

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?