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【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】グループディスカッションは盛り上がらないと失敗?

授業プログラムを開発する側としては、
結構な頻度で活用する「ディスカッション」という手法。
特に外部講師の授業では、
これが盛り上がらないと失敗という認識になることが多いのですが、
でも、ディスカッションを盛り上げることにこだわるのは、
もしかしたら大人のエゴなのでは?とも思っています。

大前提として。

そもそも緻密なプログラム設計は必須です。
少なくとも、次のようなポイントはおさえておくべきです。

●ディスカションの必然性があるか?
●テーマが明確になっているか?

プログラム上での必然性もさることながら、
子どもたちにとってもその必然性が感じられることが重要。
また、ディスカッションテーマに関しては、
何を話し合うかが明確になっていることが大前提。
ディスカッションが成り立たない原因として、
「いま何を考える時間かがわからない」という状況。
少なくともこれは避ける必要がある。
また思わず発言したくなるテーマ設定も目指したいところ。

ここまでは設計者が責任持って作り込むべきところだと思います。

でも、プログラムの設計がしっかりされていたとして。
全員がディスカッションに参加する「盛り上がる状態」を
どのレベルで求めるかは、判断がむずかしいと思っています。

「全員がディスカッションに参加している状況」を理想と考える大人、
特に教員でない外部のゲスト講師は、
その理想を実現できていないことに、焦りを覚えます。
おとなしくて言葉が少ない子を参加させよう、発言させようと焦る。

でも。

ご自身が子どもの頃のことを思い出して欲しいのですが、
人と話をしたり、議論をしたりという授業、好きでしたか?

私は、グループワークがある授業そのものが
はっきり言って、キライでした。

クラスの中にはディスカッションが好きじゃない子もいます。
その時間を苦痛だと感じる子もいるかもしれません。

その上、外部の大人が授業で関わる時間は、
彼らの学校生活の中の、ほんの一部。

そんな短い時間で、
その場のすべての子どもたちのディスカッションを、
「同じレベルで」成立させることは、けっこうむずかしい。
というか、それを求めてしまったら、それは大人のエゴになる。

「アクティブ・ラーニングが導入されると不登校が増える」
なんていう懸念がメディアで出回ったこともありますが、
これはむしろ、向き合う大人の問題だと思っています。
対話型の学びの場へのコミットの仕方は、
子どもの個性や発達段階によってばらつきはある。
きっと、対話の場に慣れるスピートも、人それぞれなはずです。
大人が「個」を受け止められるかどうかなのではないでしょうか。
だからこそ、長期的に関わる教員の関わりはとても大切ですし、
外部人材として関わる場合は、教員との連携が大事になってくるのです。

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松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部社会学科卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factoryを設立。
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