【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】子どもに”委ねる”キャリア教育に取り組もう。
某大学のアメフト部の一連の報道を見ながら、
とてもとても、モヤモヤしていたことがあります。
学生のスポーツなのに、
なんでこんなに「大人の登場人物」が多いんだろう、と。
特に、保護者の関与度が高いことに驚きました。
大人が学生を管理しコントロールする構図で運営していたら、
子どもはいつ大人になるんだろう。
・・・そんなことも思ってしまいました。
学校に関わる大人が増えたらいいな、と思って仕事をしています。
でも、関わる大人は子どもを管理する存在になってはいけない。
子ども「ちゃんと委ねる」ことが、とても大事だと思っています。
もちろんすべて手離しにできるわけではないかもしれません。
でも、少しずつ委ねる範囲を大きくしていくことはできるはずです。
そんなことを思いながら、
キャリア教育プログラムをひとつ、ご紹介したいと思います。
コーディネーター仲間が開発したプログラムです。
通称「お手紙プロジェクト」と呼んでいます。
授業のカタチとしては、よくある「職業人講話」です。
通常は、先生やコーディネーターが「手配してしまう」
ケースが多いと思いますが、
「お手紙プロジェクト」のいちばんの違いは、
ゲスト講師を子どもたち自身が手紙を書いてお呼びする、という点です。
授業当日は、ゲスト講師のお出迎えからおもてなしなどの
すべてを子どもたちが行います。
効果として最も大きく違うのは、
ゲスト講師の話を聞く子どもたちの「前のめり度」が
圧倒的に違うという点です。
なぜなら、自分たちで想いのこもったお手紙を書いて
それに応えて来てくれたゲストの方たちだから。
残念ながら来ていただけないケースもありますが、
それもチャレンジの結果として、
子どもたちは受け止めることができますし、
そういう「難しさ」も実感しているからこそ、
来てくれた大人への感謝の気持ちも生まれる。
大人が手配したゲスト講師授業では生まれない熱量です。
もちろん、ゲスト講師へのお手紙には、
学校からの趣旨説明が書かれた依頼書もセットで送られます。
こうした部分は、大人がフォローすべき部分。
「子どもには無理に違いない」
「子どもに任せるのは怖い」
「失敗させるのはかわいそう」
大人は先回りしていろんな心配をしてしまいますが、
少しずつ委ねることで小さな成功と小さな失敗を、
たくさん積み上げながら大人になってほしいと思っています。
*「お手紙プロジェクト」についてはこちらから*
https://otegami-pj.jimdofree.com
(授業実施のためのガイドブックや
各種フォーマットも有料で入手できます。)
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松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部社会学科卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factory(https://ax-factory.wixsite.com/corporate)を設立。
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