【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】メリットあるの?!企業が教育支援に取り組む理由
キャリア教育コーディネーターとしてお仕事をしていると、
いろいろな企業から教育支援・出前授業の相談を受けることがあります。
という話を、この業界を全く知らない人にお話しすると、
「へ?企業が学校で授業?ボランティア?なんで?」
なんていう反応も少なくありません。
企業にとって直接的なメリットがないのでは?という疑問。
この点は、見逃してはいけないポイントだと思います。
私も企業の教育支援のお手伝いをするときには、
「教育支援によってどのように企業の価値を高めるか」
を見出すことに、かなり力を入れています。
いま企業はなぜ次世代育成に取り組むのか?
何を得ようとしているのか?
今回は、今年の3月に日本商工会議所から出された
「商工会議所キャリア教育活動白書vol.3」から、
企業の声を見てみたいと思います。
全国の商工会議所に対して行ったアンケートのレポートです。
※商工会議所キャリア教育活動白書vol.3は下記から。
http://www.jcci.or.jp/news/trend-box/2017/0424135944.html
まずこの調査からは、
調査に応じた商工会議所の70%以上が、
なんらかの教育支援・協力活動を実施していることがわかります。
そして、実施目的として上がっているのが、下記。
(調査は複数回答)
1位:学生の職業観の醸成(55.0%)
2位:地元学生の地元企業への就職促進(40.3%)
3位:教育機関との連携強化(32.5%)
4位:社会貢献活動の一環(22.9%)
5位:地元産業の振興(18.3%)
6位:UIターンの促進(9.6%)
7位:若手職員の育成など商工会議所内の活性化(6.7%)
「社会貢献活動」というボランティア的要素もありますが、
それよりも学生の育成や就職促進など、
地域産業にとっての「実利」をねらっていることがわかります。
特に地方では若者の流出など、深刻な課題を抱える地域もあります。
そうした課題の解決策のひとつとして、
教育機関と連携したキャリア教育に取り組んでいるのです。
一方で課題としてあげられているのが、
「人的負担」や「採用につながらない」というもの。
費用対効果や「効果的なやり方」「体制」には
まだまだ改善の必要があるのだと思います。
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松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部社会学科卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factoryを設立。
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