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【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】大学入学共通テストで問われる“思考力・判断力・表現力”

大学入学共通テスト「試行調査」。
具体的な試験問題が新聞にも掲載され、話題になりました。
実際に解いてみた、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 *問題は大学入試センターのWEBサイトに掲載されています。  http://www.dnc.ac.jp/sp/corporation/daigakunyugakukibousyagakuryokuhyoka_test/pre-test_h29_01.html

各科目の問題のねらいには、
「主に問いたい資質・能力」として、知識・技能に加え、
どのような思考力・判断力・表現力が求められるのかが
詳細に示されています。

私も国語の問題を解いてみました。

部活・生徒会という高校生に身近な題材がテーマ。
執行部会を舞台とした生徒同士の会話の中で、
複数の資料から必要な情報を読み取り、
文脈にあわせて表現することが求められています。

資料として提示されているのは・・・

 「生徒会部活動規約」
 「執行部の会話文」
 「部活動への生徒からの要望」
 「他校の部活動の終了時間を調査したデータ」
 「高校新聞の抜粋」

と、多様な視点からの情報が選ばれています。

受験対策の勉強法というか「解答法」のようなものとして、
「まず問いを読んでから、素材文の該当するところを探す」
というような対策もよく聞かれてきました。
 (私の受験の当時はそんなことも言われていましたし、
  実際、その通りに対策して得点を上げていました・・・)

出題の意図を正確に把握して回答する、
「解答作成力」という意味では、
そうしたやり方も、決して間違っているわけではありません。

ですが、この新しい試験では、
単純に「素材文の該当箇所を探す」だけでなく、
複数の資料から情報を組み合わせた上で、
文脈にあわせて判断することが求められています。

記述式の問題についても、
資料に示された情報を根拠とすることが求められています。

意外と、むずかしい。

でも、社会人の感覚としては、
これは実際の仕事のシーンで求められること。

「出題の意図」そのものが、
実社会で本当に必要とされる能力を
問うものになってきているんだなぁと思いました。

複数のメディアで、
「授業を変えなければ対応できない入試だ」
というような声も報道されていました。

まだ試行段階ですし、いろいろと課題もあることでしょうが、
純粋に、「良いものになるといいなぁ」と思います。


松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部社会学科卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factoryを設立。
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