見出し画像

【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】これからの日本型学校教育に向けて社会はどう支援するのか

中央教育審議会答申「令和の日本型学校教育」の構築を目指して
~全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現~
を読みました。
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/079/sonota/1412985_00002.htm

わかりやすい「変革」的なトピックとしては、
「小学校での教科担任制」や「普通科高校の改革」といったところでしょうか。
これまでも検討が重ねられてきたものです。
今年度から小学校でスタートしている新学習指導要領の
方向性をさらに深めるものだと言えます。
ですが、これ以上に、今回の答申で特徴的だったのは、
このコロナ禍を通して見えてきたことに触れられている点です。

コロナ禍による一斉休校によって明らかになったこととして、
「学校の役割とはなにか」があります。

一斉休校により学びの場がなくなるということで、
民間企業がオンラインの学習コンテンツや
教材を提供したり・・・ということもありました。
ですが、それ以上に、
子どもたちの居場所・セイフティネットがなくなるという、
福祉的役割の重要性が浮き彫りになりました。
生活習慣の乱れ、心身の健康課題、家庭内での虐待。
学校は授業=学力の保証という役割だけではなかったのです。

「日本型学校教育」とも書かれていますが、
これは「強み」であると同時に、
学校や先生たちの業務負荷が非常に高いということでもあります。
もちろん答申でもこの課題に触れられており、
「連携と分担」「組み合わせる」といった
キーワードも随所に登場しています。

特にICTの活用に関しては、
コロナ禍をきっかけにして3−5年分くらいが
いっきに進んだように思います。
授業が変わるはずですし、
学校内の仕組みの変化にもつながるはず。

ですが、そんなになんでもんかんでも、
「学校教育」の枠組みの中で解決を考えるべきことなのか・・・?
今回の答申は、読んでいて、
ちょっとツラい気持ちにもなりました。

学校の役割の再定義、先生の業務の
スクラップ&ビルドも必要な時期なのかもしれません。
そして、外部にいる私たちにできることを
もっともっと引き受けていける体制作りも、
必要なのかもしれません。
「連携」にも「分担」にも、「組み合わせ」にも、
まずは相互理解が第一歩になりますね。


松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」「クリエイター」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factory(https://ax-factory.wixsite.com/corporate)を設立。2020年京都造形芸術大学通信教育部(グラフィックデザイン)を卒業。デザインで学びをおもしろくします。
☆学校を応援する大人のための教育マガジン無料配信中☆
 登録はこちらから。
  https://submitmail.jp/FrontReaders/add/4173
 バックナンバーまとめ読みはこちらから。
  https://note.mu/axfactory/m/m4a777303bd10


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?