【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】 「オンライン」の使いどころを考える
新型コロナウィルス対策で、突然の(と言っていいと思う)全校休校。
先生たちの2/28の困惑と苦労は想像に難くありません。
と同時に、週末にかけて一気に広がった、
各社のオンラインツールの無償提供の情報。
ピンチをチャンスに、というワードも聞かれますが、
(企業にとっては営業チャンスなのは間違いないですね)
ある意味、私も、チャンスなんじゃないかと思っています。
これを機会に、いままではちょっと嫌厭していた人たちも
オンラインツールを使ってみたらいいんじゃないか、と。
ですが、「オンライン」はあくまで学びの手段。
そこで今回は、「手段」に着目して整理してみたいと思います。
子ども向けであっても大人向けであっても、
「手段」(ツール)として考えられるものは、
ざっくり言って、以下のようなものがあると思います。
・教科書
・授業
・宿題
まだまだざっくりなので、
「授業」と「宿題」については、もう少し分解してみます。
「授業」は、以下のようなタイプに分解できます。
・知識を伝達する「講義型授業」
・いわゆる「アクティブラーニング型授業」
=議論する、学びある、共につくる
「宿題」については・・・
・ドリル型:知識の定着を目的とした反復学習
・自由研究型:成果物を作成したりする
成果物はレポート、作品など。
いわゆる学校で出される宿題は、ドリル型だと思われます。
一方、私が通っていた通信制大学で出される課題は後者。
テーマ設定の制約があるものから始まり、徐々に
制約のないもの(自分で決める)へと、段階を追って移行していました。
*自由研究型は「探究」として行われていることを考えると
「宿題」という枠組みだけではないですね。
アクティブラーニング型授業として効果が期待できます。
では、これらの手段を「個別学習」と「協働学習」にわけてみます。
【個別学習】
・教科書
・講義型授業
・ドリル型宿題
・自由研究型宿題
【協働学習】
・アクティブラーニング型授業
これらのうち「オンラインが向いているもの」を考えてみると・・・
・講義型授業
=知識の伝達としての講義であれば、動画を収録して配信することが可能。
(eラーニングの動画コンテンツがこれ)
教科書は講義型授業と組み合わせて活用することで
学習効果を高めることが期待できます。
・ドリル型宿題
=オンラインというよりも、ゲームやアプリかもしれません。
オンラインの講義型授業は、大人向けだけでなく、
アオイゼミやスタディサプリといった子ども向けのサービスも
多くなってきました。内容もとてもわかりやすいです。
YOUTUBEでコンテンツ配信をしている先生もいらっしゃるのでは。
講義の配信+ドリルの反復で知識の定着も期待できます。
さらに、これらに加えて、昨今は、
ZOOMなどのTV会議的なツールが一般的になってきたことで
アクティブラーニング型授業も、
オンラインでの実施が可能になってきたと考えられます。
コロナウィルス騒動でできなくなってしまった授業を
代替えできる方法になりうるということです。
ですが、問題は使い方、かもしれません。
どんな宿題を出すのか、
宿題とどのように組み合わせたオンライン授業にするのか、
そんなところも大事になってくると思います。
手段は目的にあわせて選択して組み合わせるべし。
ですが、オンラインツールが当たり前に使えるようになったことで
いろんな可能性は一気に広がったなと、感じています。
この事態が収束した「後」を見据えて、何を考えておくべきか・・・
一方で、インフラの課題はまだまだあるなと思います。
特に公立の学校。
オンラインが使える、とはいえ、
それに耐えうる通信環境が整っていないご家庭が多いはず。
(個人へのLTE型端末の貸出が増えるといいのですが)
私立と公立の格差がますます広がるのでは、というのも懸念です。
松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部社会学科卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factory(https://ax-factory.wixsite.com/corporate)を設立。
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