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【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】信じて任せることで進むかもしれないICT活用

子どもたちは大人の心配事なんて軽々と乗り越えていくし、
ICTを活用することで自分で考える力が高まるのでは、
という話です。

中学校で、とあるアプリを使用した
メディア制作の授業を進めています。

初めての試みだったので、
先生も含めて関わる大人は、ワクワクする一方で、
不安や懸念が、本当にたくさんありました。

無料アプリなので不適切な広告が出てしまうのではないか。
有料プランへの誘導をうまくかわせるのか。
使い方で迷子になることはないのか。
使い方や操作へのフォローが中心になってしまっては、
授業の本来のねらいから大きく外れてしまう。
そんな事態になるのは避けなければいけない・・・
タブレットのスペックにも課題が残る。
メディア制作に関わる授業なので、
写真などの著作権・肖像権をどこまで理解できるだろうか・・・

現段階で、まだまだ課題はあるものの、
しかし、一度使い始めたら、
子どもたちは自ら考えて前に進める力を持っている、
ということを、間違いなく実感できています。

「必要最低限これだけやればOK」という
操作マニュアルを作成して配布したんです。
が。
彼ら中学生が、
このマニュアルを見ていたのは、最初のほんの数分でした。

そもそもいまはどのアプリも、
基本的にはマニュアルがなくても操作できるデザインですから、
あれこれ触ってみたら、わかってくるんですよね。
わからないことがでてきても、
自分たちでやってみて解決して前に進んでいく。
パソコン好きの生徒が問題を解決したら
まわりに伝播させることもしている。
触って試しているうちに、
「こんなこともできる!」を発見して、
マニュアル以上の機能を使い始める・・・

もっといいスペックの機材を使わせてあげたいなぁ、
なんて思ってしまうくらい、
やりたいこと・表現したいことを実現するための方法を
模索する姿が教室のあちこちで発生しています。
そもそもICTの活用って、
やってみて、いまいちだったらやりなおす、
という試行錯誤が簡単にできるところも利点。
ちょっとくらい失敗しても、大丈夫なんですよね。

大人がすべて答えを与えてしまうのではなく、
生徒も先生も一緒に試行錯誤しながら考えられる、
ICTの導入って、
そんな機会が生まれたということのように思います。

大人側の準備はもちろん必要だけれども、
あれこれ心配しすぎて「やらない」よりも、
子どもたちを信じて任せてやってみたら、
心配事以上の世界が広がっているんじゃないでしょうか。
そしてその「最初の一歩」を応援するのも、
キャリア教育コーディネーターの役割なのかもしれません。


松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」「クリエイター」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factory(https://ax-factory.wixsite.com/corporate)を設立。2020年京都造形芸術大学通信教育部(グラフィックデザイン)を卒業。デザインで学びをおもしろくします。
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