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VRChat(ハマりそうで)こわい!

ここ1年ぐらいずっと気になっていたものがある。VR空間で交流ができるサービス「VRChat」だ。ハマったらやばそう。抜け出せなくなりそう。近づかんでおこう。でもある日、気づいたら友人が沼にどっぷりになってた。よし、やりますか。

見えてきたのは、思った以上に底なしの世界だった。VRChat、ハマりそうでこわい。


チュートリアルをしよう

とりあえずログインしてみよう。見慣れない部屋に降り立つ。鏡の前に立つ。そこにいるのは自分よりちょっと背が低い女の子。腕を右に上げれば彼女も腕を右に。なるほど。

正直、これだけでも楽しい。ここは普段の肉体を解き放ち、なりたいようになれる場所。

さて。次はどうしようか。そうだ、友人が「まずはチュートリアルワールドに行くといいよ」と言ってたっけ。

よし、行こう。


ワールドを移る。眼を開ける。目の前に広がるのはたくさんのポスター。書いてあるのは操作方法の説明だ。学会のポスターセッションみたい。

「こんにちはー」

突然後ろから声が。思わず振り返る。

ぴょこんと立った狐耳にふさふさの尻尾。華奢な背中には体格に見合わぬ巨大な剣。でも、その剣は不思議と違和感はなくなじんでいる。服は黒地ベースの和服で、白のコントラストが鮮やかだ。髪の毛は緑色でショート。
さらに一番目を引くのは彼女の目だ。右目は緑、左は橙。そのオッドアイに吸い込まれてしまうそう。

そう、そこにいたのは10人いたら10人が振り返るような獣耳の美少女だった!

ライトノベルでしか読んだことないような展開が突然自分に降りかかってきた。VRChatってすごい。


VRChatを教えてもらう

「案内しましょうか?」

どうやら彼女はVRベテラン勢で、新人を案内してくれる親切なお方らしい。ありがたく教えてもらうことにした。

(ちなみに声は男だけど、そんなのは些細なことだ。)

さあ、旅に出かけよう。それからはあっという間に時間がすぎていった。

水族館をのんびり歩いたり。
山道を思うがままに散策したり。
特急列車に乗ってノスタルジックな世界に浸ったり。

最近旅行に行けていない。平日は家にいて、休日は近くの公園でランニング。毎日代り映えのしない日々。でも、今日はたくさん知らない場所に行けた。しかも初めてあった人と一緒に。

何が起こるかわからないワクワク感。絶景。そして新たな出会い。心地よい疲れと心地よい達成感。この感覚、覚えがある。旅行先で一日動き回ってお宿で一息したときのあれ。そうだ。旅したときと同じだ。


もう一つのVR世界

最後に行ったのは普通の家だった。先客がいたようで、声が聞こえてきた。

「ロシア侵攻してどうするつもりなのかなー?」

えっ? 政治の話が聞こえたそうな。昔教わった「政治と宗教の話は気をつけてしよう」という言葉が脳裏をよぎる。

思わず固まる。でも、話を聞いているとその理由が解けてきた。ここは「家」なのだ。だからここに来る人はくつろいでいる。ここの空間は日常の延長線なんだ。


座っていると、目の前が緑一色になった。ピョコっととがった三角耳に丸い頭。どうやら撫でてほしいらしい。コントローラーを握った右手を動かす。画面の中では彼女の頭をなぞっている。感触はない。でも、なんだろう。不思議と心が落ち着く。

これが未来の世界なんだ。
なりたいキャラクターになって、
行きたい場所に行って、
会いたい人と会って、
それぞれの人が好きなようにすごす。

ハマる人の気持ちがよーくわかった。


実世界にも作用する

その日、新しい世界に興奮してしまい、ベッドに入って2時間かかっても眠気がこなかった。ここまでワクワクしたの小学生以来かも。

ベットに横たわりながら考える。楽しかったけど、この中毒性はこわいな。このままやると三次元の世界に帰れなくなってしまうんじゃないか。やっぱりこれ以上はやめておこうか。


次の日、年上の人と話す機会があった。僕はコミュニケーションが苦手であまり活発には話せない。でも、今日はなぜか不思議と声が出た。自然と笑顔が出た。なんでだろう。

一つ思い当たるところがあった。VRChatだ。昨日ちょうど初対面の人と会った。それと比べれば、年上の人と話すぐらい大したことないや。自然と前向きに思えてくる。


まとめ

VRChatこわい。ハマってしまいそうでこわい。予想の10倍は深い沼が広がっていた。だからやめておこうかな。と思ったけど、実世界にもいい効果があることがわかってしまった。

これからはハマりすぎないようにやっていこう。出会う人がいればよろしくお願いします。「awaumi(あわうみ)」って名前でやってます。

花火をながめたの、何年ぶりだろう。


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