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メンターコーチングで深める3つの視点とそのバランスの変化

2020年にPCCを取得して以降、さまざまなコーチの方とメンターコーチングという場でご一緒してきました。

*PCC:国際コーチング連盟の認定するプロフェッショナル・サーティファイド・コーチ
*メンターコーチング:コーチとしての成長のために自身のコーチングについて深める場

基本的にメンターコーチングは個別性の高いもの。

ご一緒するおひとりおひとりに合わせて何をどんな風に深めるかを一緒に考え実践してきましたが、コーチングを深める視点について大きく3つの視点があり、そのバランスがコーチの経験によって変わるという感覚があります。

それをざっくりまとめるとこんな感じです。

コーチングを始めて間もない頃や、ACC取得前はコア・コンピテンシーから見てどのようなコーチングが行われているかに重点が置かれます。

まずは一定以上の品質のコーチングを安定して提供するということが目標とされるためであり、その証明がACCという資格でもあります。

ただし、メンターコーチングでは特定のスキルやプロセス、もしくはスクールの教えるコーチングを再現できるようになることだけではなく、コーチ自身の想いや信念をコーチングの土台とすることも大事にしています。

そのため、コーチングの経験に関わらず、ご自身の想いや向かいたい方向を確認し、それに合わせてフィードバックや探究を行います。

PCC取得を目指す方とはさらにご自身の持つ人間観なども一緒に深めていきます。

このくらいになるとコーチとしての経験も増えているため、自分が最初に学んだコーチングがどんな理論や人間観をベースとしているかを客観的に捉えることができるようになります。

さらに経験を積む中で、自分自身や他者との関係性についてなど、人間哲学を深める流れが生まれます。

それに合わせてメンターコーチングもより協働的な探究の場となり、さまざまな視点から人間や世界を捉え、世界の見方そのものがアップデートされていきます。

コーチとしての経験を積んだからと言ってコンピテンシーや倫理が大切ではなくなるというわけではありません。それらが、呼吸をするように自然に発揮されるようになっているからこそ、より根源的に人間存在について考えるようになることができるというイメージです。

以前開催した講座でこんな切り口をご紹介しましたが、メンターコーチングもやはりこれらを網羅し深めることになっていました。

2020年10月開催ICF新コア・コンピテンシー勉強会より
2020年10月開催ICF新コア・コンピテンシー勉強会より


また、メンターコーチングで深める3つの視点のバランスの変化は以前ご紹介したイギリスにおけるコーチング・メンタリングの第一人者であるデイビット・カルターバック氏によるコーチの成長のステップにも重なります。

以下、以前の記事より抜粋


日本語には「守破離」という、芸道・芸術における修行のプロセスを示す言葉がありますが、コーチとしての成長もこの守破離にあてはめることができます。

コーチとしての「守」のステージ

GLOWモデルやSMARTモデルなど、特定のフローや構造、スクールの提供する考え方に沿ったコーチングを身につけ、実践するステージ。

デイビット氏はここをさらにModel-basedとProcess-based二つのステージに分けています。

コーチとしての「破」のステージ

自らの哲学を深め、それをもとにクライアントが自分自身や身を置く文脈をより深く探究することを後押しするステージ。

デイビット氏はこのステージのことをPhilosophy-basedと呼んでいます。

コーチとしての「離」のステージ

自分自身の哲学や成功体験に捉われず、より有機的・相互学習的にクライアント自身が持つ変容や成長の力が発揮される機会を提供するステージ。

デイビット氏はこのステージのことをSystemic eclecticと呼んでいます。


メンターコーチングで深める視点のバランスの変化はコーチとしての成長を後押しするものと言えるでしょう。

コーチとしてのステージが変わると、コーチングを始めた頃に持っていた「コーチングとは何か」や「コーチの役割」についても、大きく考えの変化が起こっていたりします。

コーチングを盲目的に信じるところから、逆にコーチングに限界や違和感を感じ、そして改めて「自分にとってのコーチング」や人との関わりの形を見つけていくというジャーニーを経ているということも少なくありません。

コーチとしての歩みを始めたときに持っていたイメージの延長線上とは全く違うところにいる。

でも根底にある想いはコーチを始めたときと変わらず、むしろより深まっている。

それが、3つの視点から、その視点のバランスを変えながら深めていった先に行き着く場所かもしれません。

「スキルやフローについて学んできたけれど、もっとクライアントもコーチである自分自身も生き生きとするような時間が生まれるような気がする」

という方はぜひ、ご自身の信念や想いについて深めてみてください。

そして、「スキルは一通り使えるようになり、自分の想いともつながっているけれど、さらにこの先がありそうな気がする」

という方はぜひ改めて、ご自身の持つ人間観や人生観、宇宙観について深めてみてください。

自分はどんな目で人や世界を見つめているか。
自分自身はどんな存在なのか。

これらをしっかり深めていると、どっしりと安定感がありながらしなやかで軽やかに、その場と関係性にひらいた対話が生まれるようになります。

その人ならではの存在の力やいのちの輝きが滲み出て、時間をともにする人の輝きも自然とひらいていくようになります。


今のあなたもすでに誰かの大きな力や後押しになっています。
そんな中で、さらに発揮されたがっているものもあるかもしれません。


ぜひ、そのときそのとき想いや視点を大切にしながら、コーチとしての旅路をあゆんでいきましょう!


2024年2月11日から29日のあいだの開始にてメンターコーチングのお申し込みを1名受け付けます。
コーチとしてのさらなる力を発揮していきたい方、ぜひご一緒しましょう。

今年は久しぶりにCCE認定講座も開催予定です。セルフコンディショニングをテーマとし、季節に合わせて瞑想やボイスワーク・ジャーナリングを活用します。長時間のライブでの参加が難しい方にも活用いただきやすい形を検討しています。

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