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田舎暮らしに埋め込まれた幸せの構造

今日、佐賀県嬉野市の移住者の暮らしを紹介するネットラジオ「住む嬉の」で、移住やセルフリノベーションについて話したエピソードが公開された。

住む嬉の』より

住んでから気づいた嬉野の魅力はラジオの中で話したが、住んでから気づいた「田舎暮らしの良さ」というのもある。

それは、わたしたちが幸せを感じながら生きることができる要素でもあるように思う。

田舎暮らしにはそんな要素が自然と生まれる構造があるように思う。

住んで気づいた田舎暮らしの良さ

1. 「普段着の自分」をそのまま生きることができる

田舎に暮らしていると、自分を繕いようがない。

何せ、人が突然尋ねてくる。
基本、アポ無しである。

工事の人も、近所の人も、用があれば容赦無く家までやってくる。
おそらく田舎あるあるだと思うけれど、呼んでも出て来なければ、
玄関の扉を開けて中まで入ってくる。

きちんと身支度をする暇もなければ機嫌や調子をととのえる暇もない。

そんな中で仕事用の自分や、よそ行きの自分で居続けることは難しい。

そして、工事に来てくれる人は同じ地域のご近所さんだったりする。

朝、散歩をしていると水道屋さんの家からおばあちゃん(水道屋さんのお母さん)が出てきて、裏庭で採れたタケノコをくれたりする。

工事にやってくるときは作業着でビシッとして頼りになる水道屋さんも、
誰かの子どもで日々の暮らしがあるのだということをまざまざと実感する。


「普段着の自分でいる」ことは「自分の全体を生きる」ことにもつながる。

人間だから、心の浮き沈みもあるし、
きちんとしているところもあれば、ダメなところもある。
仕事をしている自分もいれば、親である自分、子どもである自分もいる。

いろんな自分がいることをなかったことにしたり隠したりせず、
「そんなこともある」「そんな自分もいる」と、そのまま居させることができる。

2. 小さな循環(共存関係)を生きることができる

田舎に越してきて、買い物はもっぱら近所の物産館でするようになった。

物産館では、この地域で作られたお米や野菜、お茶が売られている。

袋に貼られたラベルには生産者の名前と住所も書いてあるので、「あの辺で作られたんだなあ」「もしかしたらあの人の家族かなあ」などと、お米や野菜を食べながら、お茶を飲みながら考えたりする。

住んでいる地域で育てられたお米や野菜を食べていると周囲に住んでいる人のおかげで自分が生きているのだと感じるし、同時に自分たちがお米や野菜を購入することがつくっている人の暮らしを支えているのだとも感じる。


会社が大きくなっていくにつれてそこで働く人が「誰のために働いているのか、誰が喜んでくれているのか実感が持てない」と感じるようになることも少なくない。

たくさんの人に商品やサービスを届けることができているけれど、なんとなく満たされない。

それは、自分がつながりや循環の中に生きているという実感が持ていないということではないかと思う。

誰かが自分の暮らしを支え、自分も誰かの暮らしを支えている。

田舎で暮らすと、そんな小さな循環の中に自然に生きられるようになる。

3. 無常と平穏を感じながら生きることができる

田舎で暮らすということは、自然が近くにあったり自然の中で暮らすということだ。

毎日新しい花が咲き、散っていく。
そこここで鳥が鳴き、水が流れる。

世界はひとときも留まらず、思い通りにすることもできない。

コントロールを手放し、自分が何かを成そうとすること、
何者かであろうとすることを手放してただそこにいると、
今ここにあるときの中にくつろぐことができる。

世界はこんなにも穏やかで美しい場所だったのだ、ということを自然に教えられる。

そんな時間を、瞬間を、田舎では毎日、何度でも味わうことができる。


ちなみに、田舎暮らしの良さは、田舎暮らしの面倒くささでもある。

玄関先まで人が来るのは面倒だなあと思うこともあるし、
地域の行事に参加するのが面倒だなあと思うこともある。
自然の近くで暮らすのは大変だなあと思うこともある。


誰しもに田舎暮らしが向いているかというとそうでもないだろう。
田舎暮らしと言っても実際はいろいろな暮らしがあるだろう。

そんな中でも、今世界や人の心に起こっていることが
経済成長や便利さを追求してきた結果だとすると、
そこにある構造を見つめ、何かを変えていくことを、
そして自分自身はこれからどう生きていきたいのかということを、
そろそろ真剣に考え始めてもいいのではないかと思う。



移住やセルフリノベーションについてお話した「住む嬉の」はこちら👇

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