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ともに味わう言葉と沈黙【読書会へのお誘い2/14夜,2/19夜】

昨日、滞在先のウブドで新月のキルタンに参加しました。

キルタンとはバクティヨガの実践の一つで、音楽に合わせてサンスクリット語のマントラを詠唱する取り組み。

ガイドのJeremyは「Co-creation」だと言っていましたが、参加者の歌声でエネルギーが立ち上っていく、まさにそこにいるみんなでともにつくる時間と空間です。

ウブドでは週に1回ほどキルタンに参加していますが、美しいと感じるのが、ともに歌い踊るだけでなく静寂も味わうということです。

大切なことは、静けさの中に佇み声なき声に耳を澄ましているときにやってくる。

今この世界に必要なのは沈黙の中にある穏やかさに気づき、ともにそこに留まることなのだと、さまざまな国の人が集まり、歌い、踊る中で毎回のように感じています。


日本から持ってきた本の一つ、『沈黙の世界』は1948年にドイツ・スイスで暮らした医師であり思想家のマックス・ピカーとによって書かれたものですが、当時よりもますます沈黙が失われた世界に生きるわたしたちにとって、大切なことが記されているように思います。

沈黙は、単に人間が語るのを止めることによって成り立つものではない。沈黙とは、単なる『言葉への断念』以上のものである。(中略)

だから、沈黙は言葉の放棄と同一のものではない。沈黙は決して、言葉が消失したあとに取り残されたような、見すぼらしいものではない。沈黙は或る種のまったきもの、自己自身によって存立する或るものなのである。(中略)

しかし、言葉は沈黙との関係をうしなえば萎縮してしまう。だからこそ、今日ではすっかり蔽いかくされている沈黙の世界を、われわれはふたたび明らかにせねばならないのだ。───それも、沈黙のためにではなく、言葉のためになのである。

沈黙の世界』まえがきより

半自動的な思考と言葉の連なりをゆるめ沈黙の中に留まったとき、言葉がいのちとつながった響きを取り戻す。
いのちとつながった言葉は、沈黙の中からやってくる。

満月にも新月にもそれぞれに力があるように、
言葉にも沈黙にもそれぞれに照らされるものがある。

わたしたちが見落としている世界の半分(見えない世界)に気づくための扉の一つが「沈黙」ではないかと、そんなことを考えています。

『沈黙の世界』には「すぐに役に立つこと」を追う中ではこぼれ落ちてしまっているものが多く詰まっていますが、だからこそスラスラと読み進めるのが難しい箇所も多くあります。

短い時間で速く読み進めてしまうことがもったいないとも言えるかもしれません。

一日1ページずつでも、日常を見つめることを織り交ぜながら味わっていくことでその深みに触れ、自分の血肉とすることができる。そんな一冊です。

そして、読んでいると自然と誰かと対話がしたくなる。そんな一冊でもあります。


というわけで前置きが長くなりましたが、『沈黙の世界』を一緒に味わってみませんか?

1回あたり1ページから2ページをゆっくり声に出して読み、じっくりそこにある言葉にならないものを味わっていきます。

新しい知識は得られませんが、言葉や感覚、沈黙を味わうスペースを自分の中に確認し、いのちとのつながりを深めるプロセスになるのではと思います。

日時
①2月14日(水)JST 20:10-20:50 「沈黙からの言葉の発生」という章を中心に味わいます
2月18日(日)JST 9:10-9:50 →2月19日(月)JST 20:00-20:50に変更「ラジオ」という章を中心に味わいます

*途中入退室自由
*片方だけでも両日ご参加いただいてもOKです!
*当日読む箇所を共有するので書籍はお手元になくても大丈夫です。

定員
5名

参加費
500円

*ご関心が高い方にご参加いただけるようチケットは有料としておりますが、売り上げは全額能登半島地震被災地復興支援のために寄付いたします。

詳細・お申し込み
2月14日(水)JST 20:10-20:50のお申し込みはこちら👇

2月18日(日)JST 8:10-8:50 →2月19日(月)JST 20:00-20:50のお申し込みはこちら👇

💡ウェブサイトをリニューアル中のため他にも特にスマホではうまく表示されない部分もあるかもしれません。お申し込みができない等あればinfo@awai.spaceまでご連絡ください。

『沈黙の世界』はこちら👇(読書会のための購入は必要ありませんが、とってもおすすめです!)

ちなみに
キルタンの後はファイアーダンスがあるということで、火を起こされる様子を見ながら、「この中の誰がダンサーなんだろう。あの人が火の上を歩いたりするのかなあ」などと思っていたのですが・・・

火と音楽の盛り上がりとともにみんなが踊り出すものの、誰も火に入っていかないので「誰も火の上を歩かないの?」とピーターさんに尋ねたところ、「あなたが歩いてもいいけど、病院に行かないといけなくなっちゃうよ」と言われました。

火の上で踊るファイアーダンスではなかったようです。
火に入る準備をしているように見える人もいたんだけどなあ。。。

このページをご覧くださってありがとうございます。あなたの心の底にあるものと何かつながることがあれば嬉しいです。言葉と言葉にならないものたちに静かに向き合い続けるために、贈りものは心と体を整えることに役立てさせていただきます。