マガジンのカバー画像

『シザー・フレンズ・バタフライ』

11
悲しい恋をする貴方が好きな私の恋も、悲しい恋になることくらい分かってた
運営しているクリエイター

記事一覧

「シザー・フレンズ・バタフライ」第十一話(完)

 文化祭当日。天気予報が曇のち雨だったので不安だったが、予報に反して朝からからっと晴れた…

淡雪みさ
1か月前
3

「シザー・フレンズ・バタフライ」第十話

 :  二週間に一度、音楽室で会って話す約束。思い返せば宇佐と由麻の始まりはここだった。…

淡雪みさ
1か月前

「シザー・フレンズ・バタフライ」第九話

 リコの言いたいことは分かる。勿体ないと言いたいのだ。長瀬のことが長年好きだったリコだか…

淡雪みさ
1か月前
2

「シザー・フレンズ・バタフライ」第八話

 放課後は文化祭実行委員の集まりがあった。会議室に各クラスの実行委員が収集され、主に役割…

淡雪みさ
1か月前
1

「シザー・フレンズ・バタフライ」第七話

 その時、視線を感じた。振り向くと由麻の母親が気まずそうにそこに立っている。母は、品のあ…

淡雪みさ
1か月前
3

「シザー・フレンズ・バタフライ」第六話

 『しかし……しかし君、恋は罪悪ですよ。解っていますか』――夏目漱石『こころ』で、先生が…

淡雪みさ
1か月前
1

「シザー・フレンズ・バタフライ」第五話

 翌朝、早い時間に起きてしまった由麻は、教室でテスト勉強をしようと思い、いつもより三十分早く登校した。  まだ誰もいないだろうと思って教室のドアを開けると、茜が流行りのハムスターのキャラクターのカバーを付けたスマホをいじっていた。こんな時間にもう来ていることに少し驚く。  思い返せば、茜はいつも由麻より早く学校にいるように思った。 「あれ? 由麻じゃん。おはよ! 今日早いね」  茜がスマホから顔を上げ、にこにことこちらに笑顔を向けてくる。その机の上には夏休みのワークが広げ

「シザー・フレンズ・バタフライ」第四話

 場所取りには苦労した。花火が見やすい位置には人がごった返していて、シートを敷ける場所を…

淡雪みさ
1か月前
1

「シザー・フレンズ・バタフライ」第三話

「家、頑張れば歩いて帰れる距離だよね」 「うん。電車の方が早いけど……」 「じゃあ、駅まで…

淡雪みさ
1か月前
2

「シザー・フレンズ・バタフライ」第二話

 :  次の日の昼休みの昼食後、茜は六組の教室へ行ったが、由麻は一人で過ごすと伝えて図書…

淡雪みさ
1か月前
10

「シザー・フレンズ・バタフライ」第一話

 中学一年生でヘルマン・ヘッセの車輪の下を読んでいたあの人は元気だろうか。  図書室で見…

淡雪みさ
1か月前
12