「鬼棲む冥府の十の後宮」第六話
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紅花が一人前の庭師となるまで、そう時間はかからなかった。最後の方は意地だった。庭師に認められるよう、夜も寝ずに御花園の手入れをした。花たちには『必死ネ』『くすくす』とからかわれた。
庭師からこれなら送ってもいいと許可が出ると、天愛皇后はすぐに紅花を閻魔王の区域に送り出した。天愛皇后から送られた庭師だと伝えると、鬼の形相をした門番も素直に門を開けてくれた。
真っ先に向かったのはあの桃源郷のような、桃の花が咲き誇る御花園だ。紅花は一応、天愛皇后から長子皇后に送られ