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『鬼棲む冥府の十の後宮』

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冥府で死者の魂を痛めつける〝獄吏〟として働いていた紅花は、大好きな閻魔王とまた会いたい一心で後宮入りを目指す。 わざと王の車の前に突っ込んで後宮入りを頼み込むが、その結果強制的に… もっと読む
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記事一覧

「鬼棲む冥府の十の後宮」第十二話(完)

 ――……絞首台に立たされ、現世に向かったその時、とっくの昔に譲位した王に懸想していたの…

淡雪みさ
3週間前

「鬼棲む冥府の十の後宮」第十一話

 それは、一兆九千億年以上も前のこと。  まだ前王が健在だった時代に、庭に桃の木を植えよ…

淡雪みさ
3週間前
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「鬼棲む冥府の十の後宮」第十話

「あらあらあらぁ、奴隷の下に付いている、可哀想な方々じゃない」  長子皇后の侍女たちは、…

淡雪みさ
3週間前
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「鬼棲む冥府の十の後宮」第九話

 ■  紅花が去った後、飛龍が帝哀を見て言った。 「意外だったよ。随分紅花に入れ込んでる…

淡雪みさ
3週間前
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「鬼棲む冥府の十の後宮」第八話

 後日、予想通り天愛皇后から戻ってくるようにとの知らせが来た。  少しの間だったが共に仕…

淡雪みさ
3週間前
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「鬼棲む冥府の十の後宮」第七話

 帝哀は紅花から視線を外し、部屋の隅の引き出しから小さな木の容器を取り出した。容器の中に…

淡雪みさ
3週間前
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「鬼棲む冥府の十の後宮」第六話

 ■  紅花が一人前の庭師となるまで、そう時間はかからなかった。最後の方は意地だった。庭師に認められるよう、夜も寝ずに御花園の手入れをした。花たちには『必死ネ』『くすくす』とからかわれた。  庭師からこれなら送ってもいいと許可が出ると、天愛皇后はすぐに紅花を閻魔王の区域に送り出した。天愛皇后から送られた庭師だと伝えると、鬼の形相をした門番も素直に門を開けてくれた。  真っ先に向かったのはあの桃源郷のような、桃の花が咲き誇る御花園だ。紅花は一応、天愛皇后から長子皇后に送られ

「鬼棲む冥府の十の後宮」第五話

 ■  幌の被さった青い色の派手な軒車。ある意味思い出深いそれに乗って、紅花は宋帝王・飛…

淡雪みさ
3週間前
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「鬼棲む冥府の十の後宮」第四話

 ■ 「紅花嬢ちゃん、人使い荒いんじゃねーか!?」  夜。外の幽鬼を倒しながら、魑魅斬が叫…

淡雪みさ
4週間前

「鬼棲む冥府の十の後宮」第三話

 結局公開処刑は行われず、冤罪だった鬼は解放されて終わった。折角集まったというのに実施さ…

淡雪みさ
4週間前
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「鬼棲む冥府の十の後宮」第二話

「ちょっと、何してんの。さっさと残骸を片付けてよ」  後ろから歩いてきた飛龍に言われ、は…

淡雪みさ
4週間前
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「鬼棲む冥府の十の後宮」第一話

 ――……地獄に落ちたその時、その世界の王に懸想していたのは私くらいのものだろう。  ◆…

淡雪みさ
4週間前
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